パレルモのカルメン | オペラ歌手くみバードの、ひたすらオペラな人生

オペラ歌手くみバードの、ひたすらオペラな人生

主催している「ありどおろ座」オペラ団の情報や合唱の練習など音楽家としての生活です。

10日間程イタリアとスペインに行ってきました。
毎回毎回忙しい上に珍事件が発生する気の抜けない旅で
今回も色々ありましたね

パレルモで「カルメン」を初日と2日目と2回見ました。
初日には色々な歌手が来ていてチケット売り場ではランカトーレに会いました。
相変わらずキュートな感じでスタイルを保つのは大変だろうな、と感心しました。

この演出は前回行ったバルセロナのと同じでちょっとがっかりでしたが、
スペインとイタリアの聴衆の受けの違いに笑わされました。

バルセロナではとてつもなく大きいウシのパネルに大笑いでしたが
パレルモでは受けなかった様です。
まあこの牛はお土産やでよく見るウシなのでスペイン受けはしますね。

その代わり、真っ裸男性ダンサーはバルセロナでは何の反応もありませんでしたが
パレルモでは大ザワザワでした。
裸のせいかわかりませんがカーテンコールで演出家?に
「Vergogna!(恥知らず!)」という罵声が天井桟敷から飛んでいました。

それにしてもこのパレルモは聴衆が常に騒がしいです。
ずーっと一緒に歌っている人がいるし、連れ合いが言うには
「隣のババアが何か食べててうるさい、歌舞伎じゃないんだ」との事でした。
私達が座ったのは1階のプラテアで一番高い席ですが(高いって言ったって日本の一番安い席の値段だけど)
いつも誰かがしゃべっているし季節がらか全員が咳をゲホゲホしている。
でも日本の様にいかにもうるさいと睨みつける人はいません。
人間だから仕方がないという考えなんでしょうね。


歌手は上記の通りです。
Don Jose Marcello Giordani / Jorge de León
Escamillo Samuel Youn / Davide Damiani
Le Dancaïre Roberto Accurso
Le Remendado Amedeo Moretti
Zuniga Manrico Signorini
Moralès Giovanni Guagliardo
Lillas Pastia Piero Arcidiacono
Carmen Elena Maximova / Maria José Montiel
Micaëla Alexia Voulgaridou / Silvia Dalla Benetta
Frasquita Eleonora Buratto
Mercédès Maria Motta
Lillas Pastia Piero Arcidiacono

指揮者はパルンボでした。
この人の指揮を今まで私は好きでしたがこのカルメンはどうしたの?
という位テンポが速くてせわしない音楽でイライラしました。

ジョルダーニはまあまあでしたがお腹がボッコリ出ていてせめて白いTシャツはやめてほしいと思いました。
演出家のせいで彼のせいではありませんけど・・・
Jorge de Leónはこの間トスカで聴きましたから期待はしていませんでした。
一見格好良くて声もあって、でも絶叫する美的センスないっつうのが一番私はダメですね。
しかし何故終幕にみんな絶叫するんでしょう?
一声くらいならいいですが全部音をはずされると白けます。
ちゃんと音にのせて欲しいですよね、オペラなんだから。