---テリートの洞---
グローサ「海の子らは一足先に月の里へ行かはったよ。ここをまっすぐ行けばカルデラ集落に行けるはずや。あんたさんらとはまた会える気がするわ。ほな、さいなら。」
---新しいミッションが開始されました---
---カルデラ集落---
サウロ「これが隠された集落か。山と山の間に村があるなんて…あのまま俺たちだけで探していても、見つからなかったかもしれないね。」
ヨシュカ「見てください!岩壁のいたるところに小さな洞窟が!あれが家なんでしょうか?珍しい造りですね。」
少女「険しい自然を利用した素敵な集落…不思議と住んでいる皆様も活力に満ちているように感じます。」
男性「お前に言われた通り、海沿いに俺の部隊を配置したぜ。これでしばらくはあいつらの牽制になるだろ。この程度しか力を貸せなくて悪いな。」
男性「サンキュー兄貴!今、村の連中に準備を進めてもらってるんだ。兄貴の期待に応える為にも、スーパーに万全な状態であいつらをぶっ倒してやるぜ!」
男性「なあ、マルテ。今更言う事ではないと思うが…」
マルテ「ん?なんだよ兄貴?」
男性「……いや、なんでもない。忘れてくれ。」
冒険者たち[男性2人に寄っていく]
マルテ「なんだお前ら?見かけない顔だな…」
サウロ「突然の訪問、失礼するよ。俺はサウロ。俺たちは警告と大事な用があってこの村へ訪れたんだ。ちょっとこの村の村長と話をさせてくれないかな?」
マルテ「この村の村長だぁ?それならここにいるじゃねえか。俺こそが、このカルデラ集落の村長…いや、勇敢なる炎のボス!マルテ様だ!どうだ、恐れ入ったか!」
[選択肢]
①隣の人ではないんですね
②そうなの!?
[①の場合]
[②の場合]
マルテ「あ、兄貴ぃ…!」
男性「あぁ、話をそらして悪かった。で、警告っていうのは?…オリティウス軍がこの集落を探している?驚いたな。まさかこんな所にまであの恐ろしい連中が来るなんて…」
マルテ「ハッ!そんな忠告いらねえよ!なにが現れようとスーパーな俺様が牙の鯖にしてやる!」
男性「俺か?俺はカガン。今は別の場所に住んでいるんだが、この集落の出身…昔のよしみって事で、こいつの一世一代の頼みを聞きに来たんだ。」
リヒト「一世一代の頼み…?」
マルテ「おうよ!もうすぐ俺たち炎の民といけ好かない大地の民の連中との戦争が始まるんだ。兄貴にはその手伝いを…おぉっと!これ以上は言えないな。」
カガン「お前…それ、もう全部言ってるからな。」
リヒト「せ、戦争ですか!?そんな、どうして…」
サウロ「大地の民だって!?」
少女「サウロ様?どうかなされたんですか?」
サウロ「…実はサチュルは大地の民なんだ。」
リヒト「サチュル?…えぇ!?あの戦士の演習場で会ったサチュルさんが大地の民!?」
サウロ「あぁ。俺が彼女に会った時、確かに彼女は、自分が大地の民だと名乗っていた。まさかここで話が繋がるとは…」
少女「サウロ様!」
リヒト「…赤くて刺々しい双剣!?あんなの見た事がありません!」
マルテ「サチュル…そう言ったな。お前ら、あの女の仲間か!また俺たちの集落を襲いに来たか!!このクソッタレ共!!」
リヒト「ま、待ってください!僕たちは争いに来た訳じゃありません!サチュルさんと今の僕たちは無関係です!」
マルテ「…へ?今度は油断した俺から牙を奪って、大地の民が有利に戦えるようにするって魂胆か。」
リヒト「…どういう事ですか?」
マルテ「みえみえなんだよ!そうやってまた騙すつもりなんだろう!あの女みたいにな!」
サウロ「あの女…?もしかして、サチュルの事を言ってるのかい?」
マルテ「他に誰がいるっていうんだ!あの女、自分は味方だと言っておきながら、襲いかかってきやがったんだ!」
サウロ「…サチュルがそんな騙し討ちのような事をする訳がない!なにかの間違いだ!」
マルテ「間違い?ハッ、じゃあ他の奴らにも聞いてみるか?俺の他にも大勢、あの女がこの集落で暴れ回ったのを見てるんだ!!」
サウロ「そんな…」
マルテ「二度も同じ手には乗らねえ!お前らを倒して、今度は俺が大地の民の本陣に乗り込んでやるぜ!!」
[カガンがマルテを殴る!]
マルテ「いってぇ…!!」
カガン「こぉら、マルテ。そのすぐ頭に血が上る癖を治せって言ってるだろう。お前の悪い所だぞ?そういうの。」
[マルテは起き上がってどこかに歩いていく]
カガン「おいマルテ、まだ話は終わってないぞー。」
マルテ「うるせえ!話は終わりだ!俺様は準備で忙しいんだ!さっさとあの女の所に戻って、首を洗って待ってろって伝えろ!」
カガン「ありゃあ、ふて寝コースだな。昔から変わらねえなぁ。あー。つい手を出しちまったが、大地の民と関わりを持つお前さんらを、このまま放置する訳にもいかないよなぁ。よければお前さんらがここに来た理由を話してくれないか?」
少女「は、はい。実は…」
[理由を話す]
カガン「…なるほどな。お前さんらは神様の啓示を受けて、これから起こる大きな戦争の火種になる神様が人に授けた武器を回収…そっちの兄ちゃんはイルーナ12神の中で一番偉い神様を探し出し、直接戦争を止めてもらおうとしているってか。聞けば聞くほど、正気を疑うような話だな。」
少女「はい。すぐに理解して頂くのは嬉しいかもしれませんが、これは全て事実なのです。どうか信じて頂けませんか?」
カガン「信じるもなにも、俺も一応、神の信者だからなあ。」
リヒト「え!?」
カガン「ああいや…昔から、俺たち炎の民には代々受け継がれている伝承があるんだよ。その中にイルーナ12神の事や神の武器についても記述されていて、その伝承に基づいた形で、この集落の村長が決まるんだ。」
ヨシュカ「なるほど。その伝承によって村長になった彼自身が、神の存在証明になるんですね。」
カガン「まあ、そういう事になるな。俺も昔は半信半疑だったんだが、マルテが俺たち炎の民でも近付こうとしない…一度足を踏み入れたら生きて戻って来られないといわれたケイコクの山岳から、無事に生還できたんだ。神から与えられたという双剣を持ってな。そんなのを見せられたら、誰でも神の存在を信じざるを得ないさ。」
少女「という事は、先ほどマルテ様が持っていたのが神の武器なのですか?」
カガン「あれはとんでもない武器だ。一振りすれば木々を燃やし、鋭い刃は簡単に人の命を奪う事ができる。もう、この集落であいつに敵う者はいない。あれを使えば、瞬く間に戦場は火の海に変わるだろう。」
リヒト「カガンさん…もう一度、マルテさんと話す事はできないですか?落ち着いて話し合えば、マルテさんも僕たちの話を聞いてくれると思うんです。」
カガン「具体的に、どんな話をするつもりなんだ?」
リヒト「これから起こる戦争を回避する為に、僕たちに協力を…神の武器を譲ってもらいたいんです。」
カガン「…それができなかった場合は?マルテが話し合いを拒んだ場合は?」
リヒト「その時は…」
[リヒトは武器を構える]
カガン「…ああ、それがお前さんが神様から託された使命だったな。分かったよ。マルテはこの先のケイコクの山岳の奥地だ。地面が崩れやすいから注意して行くといい。」
リヒト「! ありがとうございます!」
カガン「おっと、嬢ちゃんたちはここで待ってな。マルテがいるケイコクの山岳はとても危険な場所だ。この集落で帰りを待ってるんだ。」
ヨシュカ「嬢ちゃんたちって、ボクも含まれているんですか?」
少女「カガン様がそういうのなら、分かりました。リヒト様、どうかお気をつけて。」
カガン「そっちの兄ちゃんは神様を探してるんだったか?なら、坊ちゃんと一緒にマルテに会ってくるといい。きっと有益な何かが得られるぜ。」
サウロ「…あ。あぁ、分かった。俺も行ってみるよ。ありがとう。」
[リヒトとサウロはケイコクの山岳に入る]
少女「冒険者様、お願い致します。不甲斐ない私の代わりに、どうかリヒト様とサウロ様にお力添えください。」
[選択肢]
①任せておいて!
②ヨシュカを頼んだ
[①の場合]
少女「はい、分かりました!」
[選択肢]
①強くなって来たね
②慢心してはいけないよ
[①も②も同じ会話]
マルテ「くっそぉ!なんでだ!!」
リヒト「酷い!集落がめちゃくちゃだ。みんなはどこに…」
声「冒険者!」
冒険者たち[振り向く]
ヨシュカ「大変なんです!急にオリティウス軍が攻めて来て、集落の人々を連れて行ってしまったんです!」
リヒト「一足遅かった…!」
セル「おい、アイツは?あの女はどうしたんだよ。」
ヨシュカ「…ボクに家の物陰に隠れるように言って、一人でどこかに…恐らく、集落の人々と一緒に拉致された、かも、しれません…」
リヒト「そんな…!」
ヨシュカ「ボク、あの子と同じ神の子なのに足手まといで、なにもできなくて…どうしよう、あの子になにかあったらボク、ボク…!」
[選択肢]
①皆を助けに行こう!
②落ち込んでいる暇はない
[①の場合]
[②の場合]
声「ようやく見つけたぞ!俗物共ォ!!」
[選択肢]
①それは横暴だ!
②そんなの間違ってる!
[①の場合]
声「うわああああぁ!!」
ヨシュカ「あれは…!」
オリティウス兵「ま、待ってくれよ!俺とお前は味方同士…」
モンスター[兵士を攻撃する]
オリティウス兵「ひっ、ぎゃああああああ!!」
リヒト「な、なんですかあのモンスター!?オリティウス軍の鎧を着ているようですが、仲間を攻撃した…!?」
ヨシュカ「以前見たものと似ていますが、鎧の隙間から見えるのは…!あれは!!」
少女「こ、こっちです!こっち!!」
[モンスターが少女に近寄っていく]
ヨシュカ「もしかして、一人であれと立ち向かう気なんでしょうか?!」
リヒト「僕たちも加勢しましょう!」
少女「リヒト様!皆様も!」
ヨシュカ「大丈夫ですか!?怪我はありませんか?」
少女「はい、私は平気です。それよりも聞いてください!実は…」
リヒト「話は後で!先にこいつを倒そう!」
[暴走したヴィクダートΔを倒す]
リヒト「はぁ、はぁ…やった!やりましたよ冒険者さん!サウロさんが倒せなかった敵を僕が倒したんだ!」
冒険者[拍手エモート]
リヒト「ところで、捕虜となった集落の人々はどこにいるのでしょう?」
声「おーい、リヒトー!」
リヒト[声のする方へ振り向く]
[ケルトイとメイジーが手を振っている]
リヒト[二人の方へ駆け寄る]
リヒト「ケルトイ!よかった、目が覚めたんだね!」
ケルトイ「おぉ、この通り完全復活だ!そんな事より、オリティウス軍に捕まってた奴らの避難が終わったぜ。」
リヒト「ほ、本当!?」
メイジー「月の里のあの子…グローサの星詠みのおかげだよ。オリティウス軍が集落の人々をどこかに連れ去ろうとしている事が分かって、わたしと彼が先回りしていたんだ。」
ケルトイ「んで、あいつらが大騒ぎしている隙をついて、テリートの洞の中に誘導したんだぜ!しばらくすれば、自分たちで集落の方に戻るはずだ。そっちもうまくいったみたい、だな…!」
リヒト「ケルトイ、どうかしたの?」
ケルトイ「…なあ、そこに倒れてる奴って。」
リヒト「そうだよ、僕が倒したんだ!凄いでしょ?僕だってやればできるんだよ!」
ケルトイ「ッ! リヒト、お前…これがなにか分かって言ってるのか!?」
少女「ケルトイ様!」
少女「元はといえば、説明を怠った私の責任。リヒト様に罪はありません。」
ケルトイ「けど…くそっ!」
サウロ「ハァ、ハァ!よかった、追いついた!」
リヒト「サウロさん!」
メイジー「君、今までどこにいたのさ!こっちは大変だったのに。」
サウロ「ごめんごめん。ちょっと神様と話し込んでいたんだ。」
メイジー「神様と話して…?それじゃあ天神アルマスがいたの!?」
サウロ「…いいや、残念ながら集落にいたのは火の神フランメルだった。彼も天神のアルマスの所在は知らないそうだ。それよりも…」
サウロ「…なにかあったみたいだけど、とにかく今は急いでここから離れよう。」
メイジー「えっ、どうして?」
サウロ「集落では今、オリティウス軍と神の武器を授かった戦士…マルテが戦っているんだ。戦いに巻き込まれる前に早く行こう。」
リヒト「マルテさんの加勢に戻らないんですか?」
サウロ「心配しなくても、マルテの方が優勢に見えたよ。しばらくすれば、オリティウス軍の方から撤退するはずだよ。きっと、その後に標的にされるのは俺たちだ。無駄な戦いを避ける為にも俺たちも行こう。」
リヒト「そんな…平和的に解決できると思ったのに。」
サウロ「人生そううまくいくものじゃあないさ。さぁ、行こう行こう。」
リヒト「……分かりました。」
サウロ「冒険者、君にこれを。」
【虹の首飾りを手に入れた!】
サウロ「火の神フランメルからもらったんだ。今後の旅の役に立つかもしれないってね。でも、俺が持っていたら、きっとメイジーの借金の返済に盗られてしまうから。君に持っていて欲しいんだ。頼んだよ。」
[冒険者は倒れているヴィクダートΔに近づく]
少女「…冒険者様たちはこの方の正体はご存知でしたね。」
[選択肢]
①オリティウス軍の兵士だ
②形は違えど、人間だ
[①も②も同じ会話]