墓仕舞いのこと | pepeのブログ

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とうがらしのPEPEです.辛いもの大好きです.寒い時はあったまるし,暑い時は頭をはっきりさせてくれますね........みんなにとって何気なく役に立つ奴になれたらいいな...

 

故郷の林業試験場の桜がきれいでした。

亡き父は毎年春になると

兼六園の桜を見るよりこちらの桜が見たいと言っていたそうです。

丁寧に形作られた美しさより、

自然のままにあるのが好きだったのでしょうか?

 

そんな風な印象のない人でしたが……

亡くなって35年が経ちました。

 

父が亡くなってから27年間独りで暮らした母も、

この試験場の桜を見に来ていました。

 

「独りでは何かと不便だし、何かあったときが心配だから

東京で一緒に住まないか」と提案しましたが、

頑として受け入れませんでした。

でも、きっと心細かったろうと思います。

亡くなって8年が経ちました。

 

毎年、亡父母の祥月命日とお盆には帰郷して墓参りをするのが慣わしでした。

金沢市は公共交通機関の整備が遅れていて、

車がないとすごく不便な街です。

だから、積雪時を除いてマイカー帰郷が常でした。

行って帰るだけでトリップメーターは1,300キロ以上進みました。

こうした慣わしを自分の子ども達にまで引き継がせるのは

どんなものだろうか……と考えました。

 

そこで

先祖代々の墓をたたんで、

現住所近くの墓地に移ってもらうことにしました。

まずは、去年のうちに故郷の墓地等を管轄する役場へ出向き、

改葬許可書なるものを発行してもらいました。

亡くなった人の転出届みたいなものですね。

これに、その地区の区長さんのハンコをもらえば転出届は完了です。

 

地震で明けた今年は

いよいよ墓仕舞いのメインイベントに取り掛かりました……。

途中、

金沢市内、武家屋敷跡にある甘味処でしばし休憩しました。

生まれ育った街なのに、

こんなところがあることを初めて知りました。

 

喫茶店の砂糖壺に凭れた爪楊枝は

カラフルなシャツを着てました。

 

田んぼに囲まれた共同墓地です。

 

お坊さんにお願いして、

魂を抜くお経をあげていただいた後、

お墓の裏の石の扉を開けて、

先祖の遺骨をそっくり掻き出し、箱に詰めて

車のトランクへ……。

あとは石屋さんにお願いして、

土台まですべて砕いて整地してもらいます。

地震の影響で、石屋さんは仕事が混んでいるとのこと……。

8月末までには何とか……と。

 

帰宅後、新しい霊園へ遺骨を運び込み、

改葬許可書を提出しました。

これで転入届完了です。

 

静かな田んぼの真ん中と違って

結構な騒音に囲まれてはいるけど、

すぐ近くにいると思うと、地震が来ても大雪が降っても

とりあえず安心かな……と。