2020/09/10



おはようございます!

前回は梁に曲げモーメントが加わった際に、ある微小区間dxを見ると、横方向(x方向)のひずみは、中立面からの距離yと曲率半径ρで書けるというところまでやりました。

そうです。下のような式です。

εx = y/ρ

変形はx方向のみで、y,zは拘束がなく応力がゼロです。なのでx方向の応力を求めるためには、ひずみにヤング率Eをかければいいということになります。

σx = E×y/ρ

下の図のように、上面では圧縮、下面では引張、その間は線形に分布して、中立面では0になります。これが曲げ変形の応力場の特徴です。


さて、この梁はモーメントにより回ったりしません。ということは釣り合いが成立しています。

モーメントの釣り合いを考えます。(力の釣り合いからは中立面の位置や図心の話になります)

モーメントを加えたことで、E×y/ρが生じ、これにyをかけた値の合計がモーメントに釣り合います。

ここで ∫y^2dA は断面2次モーメントと言われ、断面の幾何学的な形状によってのみ決まります。これをIzとすれば

1/ρ = M/ EIz
となります。EIzを曲げ剛性と呼び、曲げに対する曲がりにくさを表す指標となります。
(素材と断面形状できまるよ)

さらに変形すれば、応力は
で与えられます。
曲げによる応力のは、断面の曲げモーメントに比例することがわかります。また中立面からの距離が大きいほど大きく、つまり表面で最大になります。

ここで中立面からの距離を下向き正でyと置き、
下面をy1(>0), 上面をy2(<0)とし、図5-21のような変形をした場合、
下面には最大引張応力σ1、上面には最大圧縮応力σ2が生じ、それぞれ
と記述されます。正は引張で負は圧縮ですね。

ちなみに、Z1, Z2は中立面に関する断面係数と呼ばれていて、それぞれ次式のように定義されます。

この辺はただの定義です。

しかし少し物理的な意味も考えてみましょう。

Zは曲げモーメントに対する抵抗ともみることができます(Zが大きいほど応力小さくなるからね)。

また
M = σZ
として、ある応力を加えたい!という場合にどのくらいのモーメントが必要か考えてみましょう。
Zが大きければ、めっちゃモーメント必要だ!大変!
Zが小さければ、全然モーメントいらないやん…

となります。ではZは何で決まるんでしょうか?

長方形の横断面を持つ部材で考えます。

次の節で扱いますが長方形の断面2次モーメントを計算します。

つまりZは高さの2乗で大きくなります。

これは太ければ太いほどめちゃくちゃモーメントが必要になるということになります。

イメージできますよね?
極太の木を曲げて!って言われても…
くらいのもんです。断面形状でこんなにも変わるんですね…


では今回はここまで!次回は断面2次モーメントの話です!

では!