2020/03/07
さて、いよいよタイヤのコーナリング特性に入っていきます!

……しかしこれがまたわかりづらいんですよね…(私も最初見たとき全然分からなくて一日中ググっていました)

この本の中でFiala理論の説明は結構ボリューミーなので、まずはどんなモデルなのかというところにフォーカスしていきたいと思います。

まずはタイヤをどんなモデルで扱っているか…ですが、図2.6を参照してください。




A: リムに相当するもの。剛体とみなす。

B: 上下・横方向の弾性変形が可能な空気入りチューブとサイドウォールをバネで置き換えたもの

C: サイドウォールを連結する薄肉のドレッドベース

D: ドレッドラバー


(タイヤの各部分の説明はhttps://tyre.dunlop.co.jp/tyre/products/base/structure.htmlこの辺なんかを見ればいいのかな?)


これを見たら…(*_*)…こんな顔になりますよね。

この本で動特性を調べる時には、タイヤをこんな細かく分けませんが、ここでは基礎理論ということで4つに分けて詳しく見ています。


さて、タイヤに横すべり角がつくとどうなるでしょうか?


地面と接地しているD:ドレッドラバーは、地面との摩擦力で変形しながら地面についていこうとします。

さらにC:ドレッドベースも変形します。

これを図にすると図2.7みたいになるわけです。



Cの横変位をy、Dの横変位をy1, y2と置いています。


でy1とy2ってなんやねん!!って話ですが、

地面と接触しているDは、横すべり角方向に引っ張られます。どこまでも引っ張られるわけではなく、接地面終了地点では元に戻るわけですから、どこかでシュルシュルッと滑る領域があるんですね。


この引っ張られている領域を粘着域(adhesive)、滑ってる領域を滑り域(sliding)と言います。それぞれの領域の横変位をy1, y2と置いてるわけです。


つまり粘着域でのコーナリングフォースはバネ定数×(y1-y)

滑り域でのコーナリングは摩擦力μW

となるわけです。


これがざっくりとしたFiala理論です(と私は思っています笑)。




※なんでy1-yなんだよ!って思った皆さん…

そもそもCが無ければ単純にバネ定数×yなわけですよね?

しかしCもリムに対して動いてるわけですからその分Dの変位が減ってることになり、力が減少してるわけです。




今日はこんなところでおしまい。

次回は実際にFialaのモデルを使って計算してみます!