私はもうTと別れることを半ば諦めてしまった。

Mにもそれを伝えた。

今すぐにTと別れるのは無理だと。


だから、ズルイのかもしれないけど、もう完全犯罪でいこうと、Mと連絡をこれからも続けると、決心した。


思えば、予備校時代の時から、私は少しでもMに追いつきたい、大人になりたい、と願っていた。

私は、Mよりもずっとこどもで、女として見てもらえていない。

自分がどんなに背伸びしても、きっとMとは釣り合わない。

だったら、どんな時も、彼の幸せを1番に考えられる人間でありたい、いつも彼の一番の理解者でありたい、彼女とは違う特別な存在でありたいと思っていた。


男と女の友情はないって言うけど、私は恋人になることや身体の関係がなくても、Mが世界で一番大好きだと思えた。声が聞ける関係だけでも贅沢で感謝すべきことだと思っていた。


きっと、彼女になれる人は、モデルのように綺麗で、優しくて、センスが良くて、かわいい人なんだから、私ではない、と。



そんなふうに自分を追い詰め、私は、Mの一番の味方でいることを神様に誓った。




例え、私に彼氏がいても、Mのことを一番大好きな味方でいるのは、変わらない。

私は、自分の中で、そう思うことに決めた。