今回はななこの好きなことと苦手なことを公表するにゃ。
まず、ななこの苦手なことは高い場所と、追いかけてくる人間の子供にゃ。
ななこはジャンプ力がないにゃ。
よくテーブルの上から落ちたりするにゃ。
ネコのくせにニブ過ぎる、とか、太りすぎだからだ、なんて家族は嫌なことを言うけど、ネコはみんな身体能力が高いはず、なんて、ただの思い込みにゃ。
ネコそれぞれにゃ。
ななこは体を動かすよりも、じっくりお外を眺めて、たんばらの自然を観察するのが好きにゃ。
次に苦手なのは、やたらと追いかけまわしてくる子供たちにゃ。
むかし、まだ ななこがこのうちに来たばかりの頃に、ちっちゃな子供たちに追いかけられたにゃ。
何人もで追いかけられて、追い詰められてしまったにゃ。
とても怖かったにゃ。
とうさんたちは、「子供たちは、ななこと遊びたいだけなんだよ」って言ってたけど、今でもその時のことを思い出すにゃ。
だから、もし、ななこと遊びたいなら、ななこから近づいて行くのを待っていてほしいにゃ。
そして、あたしに高いところから手を出さないで、ななこの目の高さくらいからゆっくりと撫でてほしいにゃ。
ネコはわがままなもんにゃ!
んで、好きなことは、もちろん食べること。遊ぶこと。日向ぼっこをすること。それから、水道から出てくる水を見ることと、ネコ草をもらうことにゃ。
ネコ草は自分でもたべられるけど、誰かの手からもらうのが好きにゃ。
ネコ草を家族の手から食べていると、とても満ち足りた気持ちになるにゃ。
あと、”職人さん”と言う人たちもすきにゃ。
この人たちは”お客さん”とは違うにゃ。
逆にうちに来て仕事をしてくれる人たちにゃ。
ななこは何故かこの人たちがすきにゃ。
だから、”職人さん”たちが休憩時間にコーヒーなんかを飲んでいると、あたしはとても近くに行きたくなるにゃ。
「ん?なんだ?」
あたしが”職人さん”に体をこすりつけに行くと、みんな、一瞬、はにかんだような表情をして、あたしを撫でてくれるにゃ。
それからあたしは、とうさんの除雪で使うときの防寒着の上で寝るのが好きにゃ。
油と排気ガスのにおいが、あたしをやさしく包み込むにゃ。
家族はそれをみて、
「きっとこの子は私たちに見つけられる前には、農家の納屋のトラクターとかの近くで寝てたんだろう」
なんて言ってるけど、本当のことはあたしにも、わからないにゃ。
あたしはここに来る前のことは、もうほとんど憶えていないにゃ。
好きなことも苦手なこともいろいろあるけど、でも、ななこはこの家でのんびりと自然を見つめて暮らすのがとても気に入っているにゃ。