私は自分がどのようにつくられてきたのか、と思うことがある。
「私」が何なのか、わからない、というのがその根本にはある。
外国へ出てみると、自分とは違った人を多く目にするが、
それはそれぞれの人が選んだわけではなく、自然に身についたものだとわかってくる。
でも、同じように育てられたきょうだいでも、
同じ話を聞いているはずの同級生でも、みんな違っているものだ。
それが「私」なのかな、と思いつつ、答えは出ない。
最近になって考えていることは、私のこれまでの時間に関わりをもった人たちの影響だ。
日本という国の出来事、世界的な事件、まわりの人々の話や生き様……
なによりも大きいといまさらながらに思うのは、
本や漫画、アニメ、音楽、ドラマ、映画といったもの。
私を育ててくれたのは、父や母だけではなく、アンデルセンやグリム兄弟、鉄腕アトムの手塚治虫やひょっこりひょうたん島の井上ひさしだったりする。
ああ、ディズニーも入っている。
私が小学生のときに初めてみた映画は「シンデレラ」で、
学校の講堂での映写会だった。
実はそのころ、加山雄三の「若大将シリーズ」も見ていたけど、どちらが先だったか覚えていない。そのあとだと思うけれど、お正月には家族で「寅さん」も見に行った。
中学生になって、初めて友達と「小さな恋のメロディ」を見に行った。
ゴッドファーザーなんかも見た。物語よりも私の中には音楽がしみ込んでいった。
言語ではなく伝わるもの、それを私たちは生まれてからずっと受け止めてきている。
たぶん、生活のなかでも言葉ではないものをいつも感じ、受け取っているのだと思う。
だから、いろいろな事柄や人や景色や、音楽や空や風や大気を感じて、生きているのだろう。
近頃は外へ出歩かなくなり、近くのこんもりとした木々に集まる鳥たちの声を聞きながら、今日も生きている。