益子直美と大山加奈のバレーボール界の将来を語る記事を読んで | Penntoro Stream

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人にかかわるときの自分に気づく。「私」の形。
わがままな自分自身と、素直な「私」。
社会が「私」をかたどるけれど、自分自身を忘れてはいけない。
そんな、わたしのひとりごと、きいてね。

バレーボールには「ワンマンレシーブ」という恐ろしい練習法がある。コートに一人だけ入って、すべてのボールをとらなければならない。たとえ、1分間でもつらい練習だ。それを延々とやらされたりもする。

スポーツ界ではようやくスポーツ虐待とか言われはじめ見直しや指導者側の教育が始まっているようだが、若い選手はどんなにひどい監督やコーチであっても、自分はこのスポーツがやりたいんだという思いにすがりつくために、その指導者から離れられないことがある。親の虐待から逃げられない子どもと同じことが、スポーツ界にもあるように思う。
大山加奈さんは小学生のころから整骨院通いをし、重いスポーツ障害が残っている。ハードトレーニングをしていた選手たちの多くがそうだ。大山加奈さんの話を聞き、私も高校時代、チームメートが二人もヘルニアになって入院したことを思い出した。何人かはコーチについていけないといってバレーをやめたが、監督やコーチを変えるために学校を変わる選択肢のない学生には逃げ場がない。
記事のなかで大山加奈さんは選手が監督やコーチと対等に意見を言い合う外国のチームについてふれ、「選手の自信を育てる指導」を目指すことが大切だと言っている。

日本のスポーツ界は失敗することを恐れるメンタルの弱さがある。たぶん、スポーツ界だけじゃない。「失敗したら怒られる」「白い目で見られる」。そのメンタルの弱さは周囲に育てられたものだろう。失敗しても「よくやった!」とほめる雰囲気がない。監督やコーチだけじゃない。あなたも人を非難していないだろうか? 
指導者向けの「メンタルトレーニング」資格取得にもかかわる益子さんは、パワハラ的な指導をしていた元監督が「怒ったり殴ったりに依存するのは中毒のようなもの」だという声を聞いている。また、別の監督は「叱る指導」から「ほめる指導」へ変えたら選手の目が輝きだし、自分から進んで取り組むようになったという。

指導法も関係も世界もきっと変えられる。益子さんたちのバレーボール界の改革にエールを贈りたい。