私はこれまでに5度の腫瘍に見舞われ、

そのうちの3度はガンだった。


最初に腫瘍ができたのは28歳の時。

顔面神経鞘腫。顔面神経の鞘にできる腫瘍。

耳の下に大きなしこり。

検査で分かった顔面神経に巻き付くようにできた巨大な腫瘍を取り除く手術は数時間に及び、この後の顔面神経にも大きな障害を残した。


その後、37歳で子宮頚がんになり、

その後13年の月日を経て顔面神経鞘腫再発。

当時神経のギリギリまで取り除いたものの、神経移植を選択しなかった事で再発した。

次の手術は周囲の組織や骨の一部まで取り除き、足の神経を移植した。前回よりもより強い後遺症が残った。その時の術前検査で偶然見つかったのが肺腺癌。見つかっても時間を置かなければ次の手術はできない。神様に見放された気分だった。


それでも数ヶ月後に手術を終え、初期に見つかった事に感謝しながら、その次の年には就職し12年勤めた。今思い返せばその時間が一番幸せだったのかもしれない。

息子が社会人になり、やっと落ち着いた頃コロナ禍になり、それも終息を迎えてこれから…と言うタイミングで10万人に4人の希少ガン、神経細胞のガン、リンパ節肝転移複数個、進行はスピード違反並みのステージ4宣告だ。

根治しない、症例少ない、不安だらけのはずなのに、なぜか聞いている本人は冷静だった。


今思う事…

何が幸せかなんてホントにわからない物だな。

人はいつか死ぬけど、それは誰もがわからないんだよね。それなら今日、明日何をして生きようか…と考えて生きればいいよ。