Amazonプライムビデオで鑑賞しました


「イキガミ」の逆バージョンか、とか、成田悠輔のいう「高齢者の集団自決」的なことか、とか、考えながら観ていた。
「イキガミ」は若者がランダムに選ばれて24時間後に死ぬと言われるやつなので、75歳以上の安楽死と捉えた場合、逆ではなく、真逆である。が、どちらもなにかユートピアのフリをしたディストピア感というものが漂っていた。

私はうつ病を患い、希死念慮・自殺念慮に苛まれ、安楽死制度(年齢・病歴等に関係なく死を選択できる制度)を望んでいるが、「イキガミ」「PLAN75」を観ていてなにか言い知れぬコレジャナイ感があった。若者が死ぬこと、高齢者が死を選ぶこと、どちらもあってはならない制度だと頭と心では分かっている。若者も高齢者も死ぬことを強要もされず、制度として選択するもできない、それが1番良い方法なんだと。つまり、「生きづらさ」の解消が急務な訳で、「役に立たない人間の排除」(「イキガミ」ではそうではない)に力を入れてはいけない。これじゃあ、優生思想やジェノサイド(虐殺)に近い発想なのだ。かと言って、共産主義・資本主義の敗北であることに違いはなく、そのふたつが上手く掛け合わせれば、もう少し生きづらさは解消されるのではないだろうか。たとえば、財源を考えずに言うと、ベーシックインカムである。毎月数万円、自由に使えるお金を貰う制度である。バラマキだけど、継続的にやればプラスの効果があると本(隷属なき道 AIとの競争に勝つ ベーシックインカムと一日三時間労働 [ ルトガー・ブレグマン ])で読んだ。経済的な余裕があれば、解決する問題もあるし、心に少し余裕が出来、飛躍し過ぎかもしれないが多少なりとも犯罪も減り、皆多少は生きやすくなるんじゃないかと思っている。


10年くらい前は多分、まだ「人生80年時代」みたいなことを謳っていた気がした。それがいまじゃ「人生100年時代」になった。そして、ベビーブームなんてもう来なくて、極端な少子高齢化の時代に突入した。なのに、まだ人生70~80年時代頃のベビーブーム世代の政策が続いていて(選挙の公約などが明らかに人口の多い高齢者向けなど)、若者にしわ寄せがきてる。とはいえ、定年が60か65?だとその先30年ほどの生活費はどうするのか?という問題が出てくる。高齢者も働きに出るが、50代でも厳しい(これは先日「老後の資金がありません!」での描写)ので、70~80代なんてもっと厳しいわけで、僅かなアルバイト代と僅かな年金と補填の生活保護で暮らすほかない。なので極端に世代でどうという問題でもない。やはり、どの世代でも必要最低限のお金は稼がねばならない。なのに、世の中うまく回っていかない。そりゃ、孤独死(あまり好きな言い方では無いが便宜上)も問題になる。
最近では男女ともに未婚率が高く(たぶん)、出生率も過去最低の1.2となった。これはまあ、やはり高齢者向けの政策ばかりで子育て世代への政策が行き届いてないことであったり、喜ばしいことに女性が無理やり望まぬ結婚をさせられなくなってきたことであったりする。むしろ、これは人間ならではの「理性」のおかげとも言える。そもそも「ベビーブーム」って。子供を流行で産もうなんて、意味がわからない。「家庭」より「仕事」「趣味」に生きるという生き方が認められ、何より「より人間らしい」生活が出来ることになったのは喜ばしいことだ。だが、生物学的に考えると子孫を残せない私なんてクソなのである。でもそう考えると、弱者男性でも妻をあてがって貰えていた時代は生物学的にはおかしい時代だったとも言える。





いつも映画のレビューを観ていて思うのが、「考えさせられるってなんだよ」と「読書感想文みたいだね」です。

私は世間が「考えさせられる」という感想を持つような事柄を普段、めちゃくちゃ思考している。足りない頭で。なので、「考えさせられる」なんて感想を持ったことがない。いや、むしろ、それを考えずにお気楽に生きているのか!という驚きと、それを考えずにお気楽に生きられたら楽でもっと違った人生があっただろうとも思う。

私もその昔、作文がかなり苦手で、本は好きだが読書はあまり得意でない時代に読書感想文という宿題がありました。タイトルは忘れてしまったけれど、読書感想文を書くための本(指南書)に「読書感想文なのだから、(あらすじではなく)自分の感想を書けばいい!」という事が書かれており、それに感銘を受け、30代になった今も映画のレビューも自分の感想ばかり書いている。なので、あらすじから始まるレビューを見ていると、読書感想文の功罪だと感じる。
レビューって星いくつとか付けなくてもいいし、レビューも書かなくてもいいのに、何故人は付けたがるんだろう。これも不思議である。(私は感想は書くが星いくつは付けないようになった)



老後の資金がありません!


「老後の資金がありません!」も「PLAN75」も、老後(将来)のお金が無い話で考えさせられるよ!
結婚して子どもが居ても、未婚でひとりで生活していてもおカネはかかる。老後2000~4000万円の貯金なんて夢のまた夢な生活保護受給者の私は、貯金があるだけいいじゃねぇか!と「老後の資金がありません!」では突っ込んだ。私の場合、老後の希望がありません!なので感情移入なんて出来なかった。そりゃあまあ、結婚して子供がいるという一般的な生き方をしてないのでなんというか別世界のお話ですから。それに比べて「PLAN75」は実に色んな後期高齢者が出てきた。それこそさっき言った孤独死であったり、アルバイトがなくて生活保護を受けようとしたり…。将来こうはなるまいと思っても、なってしまう未来しか見えない。老後の生活費も生活保護かあ…と思うと、自分は死んだ方がいい人間だ。でも、自分で死ぬ勇気は無い(それを勇気と呼ぶかは別として)、安楽死制度があったらな、と。そういう気持ちで観ていた。。。

でも、先程も書いたけれども、そういう死ぬ制度ではなく、生きるための制度が充実してくれればいいなと。
いや、制度だけではなく、人の心もないとダメなのだけど。
世間は甘くないとか、厳しいとか、そりゃある程度はそれでもいいし、それが生きるってことだけど、人間って弱い生き物だから、福祉っていうものが出来たんだと思う。
だから少しは人間が優しい世界でありますように。