中国の漢方薬と日本の漢方薬の違い
中国には漢方薬はありません。漢方薬は日本独自の医学です。 中国の漢方薬は、正式には「中薬」といい、中医学という考えに基づいています。日本の漢方薬も原点は中国ですが、日本に伝わってからは独自の発展を遂げて、今に至っています。そのため中国と日本とでは、漢方薬に対する考え方や病気のとらえ方、診察の方法などに違いがあります。同じ名前の処方もありますが、その内容や配合比率などは同じとは限りません。
また、中国など海外で買ったり、お土産としてもらったりした「漢方」という名前が付いた商品のなかには、漢方医学や中医学に基づいていないものも多く、日本では禁止されている成分が入っていたり、生薬(漢方の原料)以外の成分が入っていることもあります。安易に利用すると体調を崩したり、予期せぬ症状などが出たりするので、こうしたものを使うときは、事前に医師や薬剤師に相談した方がいいでしょう。
局の漢方 薬と処方薬とは違うの?含まれる成分は一緒。処方薬の方が含有量が多くなっています。薬局で市販されている漢方薬と病院で処方される医療用漢方製剤では、薬の名前が一緒であれば、含まれている生薬や成分は一緒です。市販薬は自己管理のもとで服用することから、有効成分が医療用漢方製剤の3分の2から2分の1の量に抑えられているものが多いようです。
■漢方薬と民間薬は同じ?
共通する植物などを使っていますが、まったく別のものです。漢方薬は1800年も昔に中国で編集された『傷寒論(しょうかんろん)』など成書に基づいて作られた薬です。薬効成分のある植物や鉱物などを組み合わせてできているうえ、長い年月をかけておこなわれた多くの治療経験によって、その効果が裏付けられています。
一方、民間薬は先人の知恵によって受け継がれてきた治療法です。漢方薬のように植物や鉱物などを組み合わせて使うことはほとんどありませんし、実際に科学的な根拠に基づいているわけでもありません。薬と名前が付いているものの、その効果は疑問を残すところといえるでしょう。こうしたことから、漢方薬と民間薬では共通する植物や鉱物を使うことがあっても、その考え方やルーツ、医学における立場がまったく違うものだといえます。
■漢方薬にも副作用があるの?
漢方薬も薬。使い方を間違えると副作用が出ることもあります。 漢方
薬を構成する生薬は、すべて天然の植物や鉱物などをもとにしています。したがって、一般的には副作用の発生頻度や程度は化学物質を使った西洋薬より小さいといえます。しかし、まったくおきないというわけではありません。たとえば過去に小柴胡湯(しょうさいことう)という薬で間質性肺炎(肺の間質という場所に炎症が起こる病気の総称)という副作用がおきて、問題になったこともあります。いずれにしても漢方薬を飲んだときに、下痢、腹痛、胃もたれなど不快な症状が出たときは服用を止めて、医師に相談することが大切です。
■漢方薬と西洋薬を一緒に飲んでも平気?
お互いの長所を生かし、一緒に飲むこともあります。 西洋薬は痛みや熱をとる、血管を広げる、かゆみをとるというように、比較的、一つの症状や病態を改善するために用いることが多い薬です。一方、漢方薬はいくつもの症状を改善するために用いることが多い薬です。このように、西洋薬と漢方薬ではそれぞれ長所があり、治療ではお互いを生かした使い方をすることが少なくありません。たとえば糖尿病では、血糖値を下げるために西洋薬を使い、糖尿病によるさまざまな合併症や不快症状をとるために漢方薬を使うということがあります。ただし、肝臓病に使うインターフェロンと小柴胡湯の併用のように、併用が禁止されているケースもありますので医師や薬剤師の指示に従ってください。