豊肥本線・新水前寺駅は、熊本市電との乗換が便利な都市型駅。築堤上に設けられたコンパクトな構造ながら、県庁や水前寺公園へのアクセス駅として利用者は多く、都市交通の要所としての役割を担っています。
新水前寺駅|駅舎と駅前
新水前寺駅は1988年(昭和63年)に開業したJR化直後に開業した駅で、熊本市電との乗換利便性向上や都市交通の強化を目的に設置されました。従来は隣の水前寺駅が最寄でしたが、市電との接続性を重視して新設された経緯があります。
開業後、駅の高架化や市電の停留場の移設など利便性が向上し、現在では、熊本県内では2番目に利用者が多い駅となりました。
駅舎
豊肥本線がクロスする通称電車通り(熊本県道28号熊本高森線)をまたぐ高架橋上に駅舎があります。
現在の駅舎になったのは平成23年、開業当初は、道路の前後は築堤になっており、土手上にあるような駅でした。
また駅舎は線路を挟んで反対側にありました。
駅前
駅前です。
クロスする道路には熊本市電が通っていて乗換に便利です。
熊本と中心市街地からさほど離れておらず、この先には熊本県庁や水前寺公園があって用務客や観光客の利用も多い駅です。
平成23年の新水前寺駅高架化と同時期に、市電の停留場は、停留場ホームの奥に見える交差点の反対側から現在地への移設、停留場名称の変更(水前寺駅通り→新水前寺駅前)が行われました。
駅入口
道路とクロスする部分は歩道橋に近いデッキ構造となっていて、路面電車との乗換だけでなく、駅舎・道路の反対側(水前寺駅側)からの利用も可能です。
もちろん駅舎側にも駅入口があり、エレベーターが設置されています。
新水前寺駅|駅内部
ではデッキから駅舎部分に入っていきましょう。
自動券売機
自動券売機は1台、それとは別にネット予約の受取機があります。
このあたり利用者の多さを物語っています。
出札窓口
対して出札窓口は時間帯限定の営業になっています。
JR九州の公式ページによると、時間帯限定とはいえ「みどりの窓口」のある駅です。
ただし、窓口・券売機ともEXサービスで予約したきっぷの受取りはできません。
改札
改札には、SUGOCA簡易リーダーが2台設置されています。
発車標はモニタータイプです。
奥にはチャージ機が見えます、その左手に待合室とトイレがあります。
待合室
駅自体の敷地は狭いのですが、待合室もちゃんと設置されています。
夏は暑く、冬は寒い熊本市内、ホームは築堤上にありますから、待合室の存在は助かります。
新水前寺駅|構内
構内(熊本方面)
構内は1面1線の棒線駅です。
前後の南熊本駅・水前寺駅が交換可能駅となっていますから、敷地の狭い新水前寺駅は棒線構造で対応できるのでしょう。
構内(肥後大津・大分方面)
ホーム自体はあまり広くなくて、学生さんが座り込んでいる姿をたくさん見かけます。
高架駅となって線路の外側に外壁ができましたが、築堤上にあった頃は、外壁はなく吹きさらし駅のような雰囲気でした。
水前寺駅を見る
隣の水前寺駅までは営業キロベースで約0.6kmで、とても短いです。
駅訪問だけなら、徒歩で移動可能ですね。
この短さが国鉄時代は駅を新設しなかった理由かもしれませんが、福岡ー熊本間の都市間輸送に高速バスで遅れをとっていたJR九州としては、そのようなこだわりは捨て必要性に駆られて設置した駅と言えるでしょう。
駅名標
イラストはわかりやすいですねえ、水前寺公園です。
水前寺公園、正式名称はちょっと違うんですよ、あとでお話ししますね。
新水前寺駅|高架化前の旧駅舎
平成16年当時の新水前寺駅の写真があるので一緒にご覧いただきましょう。
旧駅舎
いかにもJR九州の駅舎という感じのデザインです。
現在の高架駅舎の反対側に駅舎があり、階段を昇って築堤上のホームに上がる構造になっていました。
道路とのクロス部分
当時は鉄橋のような構造になっていて、かつ道路に支柱があって、通りにくくなっていました。
道路のずっと奥に歩道橋が見えますが、ここがかつての市電停留場「水前寺駅通」に乗降するための歩道橋です。
築堤上の構内
奥が水前寺方面、私の記憶では、広告パネルとかで、わずかながらも壁があった記憶があったのですが、写真で確認すると、まさに「吹きさらし」のホームだったんですね。
新水前寺駅|駅近くのみどころ
・水前寺成趣園(徒歩約10分)
いわゆる「水前寺公園」の正式名称は水前寺成趣園(すいぜんじ じょうじゅえん)と言います。
江戸時代、細川家によって造られた回遊式庭園で、東海道五十三次を模した景観が特徴です。阿蘇の伏流水を利用した池や築山が美しく、熊本を代表する観光地のひとつです。
名前の「成趣」は、中国の古典に由来し「自然の趣が完成された庭園」という意味を持ちます。
新水前寺駅|まとめ
新水前寺駅は、豊肥本線の中でも都市機能に特化した駅といえる存在でした。
熊本市電とのスムーズな乗換を実現するために設置された経緯が、その立地や構造からもよく分かります。
市街地の新設駅という限られた空間にコンパクトにまとめられた駅ながら、待合室やデッキ構造など、利用者目線の工夫が随所に見られるのも印象的です。また、水前寺公園や熊本県庁といった目的地へのアクセス拠点として、日常利用と観光利用の両方を支えています。
都市鉄道らしい合理性が詰まった駅でした。
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新水前寺駅情報
札幌駅、東京駅、名古屋駅、大阪駅、高松駅、博多駅から新水前寺駅へのアクセス
札幌駅から:20時57分着 所要時間14時間57分 51,800円 新函館北斗・東京・新大阪・熊本乗換
東京駅から:12時42分着 所要時間6時間27分 26,650円 博多・熊本乗換
名古屋駅から:10時54分着 所要時間4時間34分 22,150円 博多・熊本乗換
大阪駅から:9時27分着 所要時間3時間41分 19,070円 新大阪・熊本乗換
高松駅から:9時27分着 所要時間3時間52分 18,390円 岡山・熊本乗換
博多駅から:7時20分着 所要時間1時間10分 5,750円 熊本乗換
*データはNAVITIMEで検索したもので、平日、鉄道だけで最も早い時間(最速ではありません)に到達できる時間と料金です。
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