ソーシャルネットワークが危ない!?----オンライン詐欺の新たな手口(4)
おはようございます。英写塾@石渡です。
今日の英文はこちら。
Spammers also have become more sophisticated
about exploiting trust.
記事掲載号)The Economist November 20th 2010
邦訳)未刊行
出典記事)The changing landscape of online fraud | Long life spam
The Economist はどんな雑誌かについてはこちらで解説しています。
各国司法当局やオンラインセキュリティ企業に追い詰められ、DM型ビジネスモデルも成り立たなくなってしまったスパム業者。
このまま消滅かと思いきや、ますます元気になっています。
スパム業者が見出した新たな手口は2つ。
その新たな手口をビジネスの視点で分類してみましょう。
売上は3つの要素の掛け算で成り立っています。
売上=顧客数×単価×購買頻度
ですから、売上を増やしたければ、この3つの要素を増やせばいいわけです。
新たな手口のひとつ目は、上の公式の「単価」を引き上げます。
偽物を買わせるのではなく、財布ごと盗むからです。
メールに表示したサイトに誘導するところまでは同じ。
サイトを開いてくれさえすれば、こっちのもの。
トロイの木馬型のウイルスを相手のPCに送り込み、ハードディスクに保存されている銀行口座などの情報を盗み取ってしまうのです。
新たな手口の2つ目は、先に挙げた公式の「顧客数」を増やします。
その手口は実に巧妙。
メールではなくソーシャルネットワークを使います。
たとえばツイッター。
現在、迷惑メールは流通量の1%に過ぎないと見られています。
けれども、ツイッターで表示されているリンクの8%は、スパム業者のサイトへの誘導になっていると、アメリカの2つの大学の調査チームが発表しています。
さらにその調査によると、ツイッターではメールに比べて20倍の頻度で、リンク先のURLがクリックされているとのこと。
この傾向を、目ざといスパム業者が見逃すはずはありません。
フェイスブックもスパム業者にとっては、じつに魅力的なマーケットです。
オンラインセキュリテイ企業の行った実験が、そのことを雄弁に語っています。
まず、フェイスブックに偽のアカウントを複数作り、架空のプロフィールを載せます。
次に、手当たり次第に友達申請を送ります。
その結果、毎日100人ずつ「友達」が増えました。
プロフィールに載せる写真を魅力的な女性にすると、「友達」になってくれる人はさらに増えたそうです。
さらに、「友達」になってくれた人の「友達」に友達申請を送ります。
すると、なんと2人に1人が「友達」になってくれたのでした。
「友達の友達は友達だ! 世界に広げよう、友達の輪!」
尊重すべき素晴らしい考え方ですが、一方でそれはスパム業者の思うつぼでもあるのです。
さらにショッキングなデータがあります。
偽のアカウントの中に表示したリンクを、どこにリンクされているのかが明確でないにもかかわらず、「友達」の4分の1がクリックしていました。
ここまでを踏まえたうえで、今日の英文を見ていきましょう。
今日の英文の構造もシンプルです。
A have become B.(AがBになった)。
Spammersは主語でAに相当し、「スパム業者」。
also have become...は「また、・・・になってきた」。
この英文は、「単価」引き上げの手口を説明した後、「顧客数」増加の手口を説明する際の前置きとして使われています。
alsoには「(直前に説明した)荒っぽい手口に加えて」という含みがあります。
more sophisticatedは「より洗練されている」。
about exploiting trustは直前のmore sophisticatedを説明していて、「人の信用につけ込むことについて」。
全体を意訳すると次のようになります。
「スパム業者はまた、いままで以上に洗練された手口で、人の信用につけ込むようになった」
いかがでしたか。
明日はいよいよ結論部分の英文を取り上げます。
お楽しみに。
<続く>
引用元の記事は同誌のウェブサイトこのページで読むことができます。
定期購読者以外には公開期間が限定されているようなので、興味のある方は早めのアクセスをおすすめします。
The Economistはビジネスパーソンにとって情報の宝庫。
英語に少しでも自信がある人はぜひ定期購読をしてみてはいかがですか。
最後に「今日の英文」を、お気に入りの筆記具でノートや手帳に書き写しましょう。
Spammers also have become more sophisticated
about exploiting trust.
よろしければ、書き写した記録としてペタやコメントをつけてくださると、とてもうれしいです。
それでは今日も1日、お元気で!
今日の英文はこちら。
Spammers also have become more sophisticated
about exploiting trust.
記事掲載号)The Economist November 20th 2010
邦訳)未刊行
出典記事)The changing landscape of online fraud | Long life spam
The Economist はどんな雑誌かについてはこちらで解説しています。
各国司法当局やオンラインセキュリティ企業に追い詰められ、DM型ビジネスモデルも成り立たなくなってしまったスパム業者。
このまま消滅かと思いきや、ますます元気になっています。
スパム業者が見出した新たな手口は2つ。
その新たな手口をビジネスの視点で分類してみましょう。
売上は3つの要素の掛け算で成り立っています。
売上=顧客数×単価×購買頻度
ですから、売上を増やしたければ、この3つの要素を増やせばいいわけです。
新たな手口のひとつ目は、上の公式の「単価」を引き上げます。
偽物を買わせるのではなく、財布ごと盗むからです。
メールに表示したサイトに誘導するところまでは同じ。
サイトを開いてくれさえすれば、こっちのもの。
トロイの木馬型のウイルスを相手のPCに送り込み、ハードディスクに保存されている銀行口座などの情報を盗み取ってしまうのです。
新たな手口の2つ目は、先に挙げた公式の「顧客数」を増やします。
その手口は実に巧妙。
メールではなくソーシャルネットワークを使います。
たとえばツイッター。
現在、迷惑メールは流通量の1%に過ぎないと見られています。
けれども、ツイッターで表示されているリンクの8%は、スパム業者のサイトへの誘導になっていると、アメリカの2つの大学の調査チームが発表しています。
さらにその調査によると、ツイッターではメールに比べて20倍の頻度で、リンク先のURLがクリックされているとのこと。
この傾向を、目ざといスパム業者が見逃すはずはありません。
フェイスブックもスパム業者にとっては、じつに魅力的なマーケットです。
オンラインセキュリテイ企業の行った実験が、そのことを雄弁に語っています。
まず、フェイスブックに偽のアカウントを複数作り、架空のプロフィールを載せます。
次に、手当たり次第に友達申請を送ります。
その結果、毎日100人ずつ「友達」が増えました。
プロフィールに載せる写真を魅力的な女性にすると、「友達」になってくれる人はさらに増えたそうです。
さらに、「友達」になってくれた人の「友達」に友達申請を送ります。
すると、なんと2人に1人が「友達」になってくれたのでした。
「友達の友達は友達だ! 世界に広げよう、友達の輪!」
尊重すべき素晴らしい考え方ですが、一方でそれはスパム業者の思うつぼでもあるのです。
さらにショッキングなデータがあります。
偽のアカウントの中に表示したリンクを、どこにリンクされているのかが明確でないにもかかわらず、「友達」の4分の1がクリックしていました。
ここまでを踏まえたうえで、今日の英文を見ていきましょう。
今日の英文の構造もシンプルです。
A have become B.(AがBになった)。
Spammersは主語でAに相当し、「スパム業者」。
also have become...は「また、・・・になってきた」。
この英文は、「単価」引き上げの手口を説明した後、「顧客数」増加の手口を説明する際の前置きとして使われています。
alsoには「(直前に説明した)荒っぽい手口に加えて」という含みがあります。
more sophisticatedは「より洗練されている」。
about exploiting trustは直前のmore sophisticatedを説明していて、「人の信用につけ込むことについて」。
全体を意訳すると次のようになります。
「スパム業者はまた、いままで以上に洗練された手口で、人の信用につけ込むようになった」
いかがでしたか。
明日はいよいよ結論部分の英文を取り上げます。
お楽しみに。
<続く>
引用元の記事は同誌のウェブサイトこのページで読むことができます。
定期購読者以外には公開期間が限定されているようなので、興味のある方は早めのアクセスをおすすめします。
The Economistはビジネスパーソンにとって情報の宝庫。
英語に少しでも自信がある人はぜひ定期購読をしてみてはいかがですか。
最後に「今日の英文」を、お気に入りの筆記具でノートや手帳に書き写しましょう。
Spammers also have become more sophisticated
about exploiting trust.
よろしければ、書き写した記録としてペタやコメントをつけてくださると、とてもうれしいです。
それでは今日も1日、お元気で!