「脳内トラベル台湾」の一環として、今週月曜に誠品生活日本橋で行われたオードリータン氏のトークイベント。
どの話も非常に興味深かった。
「台湾といえば、多元文化共存の社会だが」という問いかけに対し、「『多元(マルチ)文化』いうよりも、さらに一歩進んで『跨(トランス)文化』ですね。」と回答。
「跨(トランスファー)文化」とは、「自身が育ってきた文化を他の文化の視点から改めて見つめ直すことができる。」ことだそうだ。
文化が違うと、自分の常識が相手の非常識だったり、自分の非常識が相手の非常識だったりするが、自分が当たり前だと思っている、先入観を一度とっぱらい、改めて物事を見つめ直すことが大事、という意味だろう。
他にも世界中の人たちと仕事をしていると、時区(タイムゾーン)のインターネットサーフィンになってしまうと言う話も面白かった。
どういうことかというと、時差の大きい欧米やアフリカのビジネスタイムに合わせて、夜中から早朝にかけてやり取りしているうちに、あちらは日が沈み、こちらは日が昇ってくる。こちらの日が昇れば、今度はアジア圏とのやり取りが始まる。20ヶ国にも及ぶ人たちと仕事をしていると、ソファに座りながら世界中を旅する気分になり、一日が凝縮されて濃厚になる、という話。
タピオカや虹の例えが度々出てきたが、彼女のすべての話が常識にとらわれてはいけないということにつながっていく。
人間関係において、「相手を尊重する」のがまず第一歩、次に「相手の立場で自身を見つめ直す」というのが第二歩。
国籍や年齢が違っても、それぞれが異なることを認めることが豊かさにつながると認識せよという姿勢で終始、考えを述べられていたように思う。
以下、覚え書き。
「痛み」を共有すると、相手をより理解できるきっかけになる。
自分を大切にし、自分の「痛み」を大勢と共有する。
そして、多くの人とその問題について、話し合う。
個人の自由と公共の利益を両立させる
子子孫孫永寶用
世世代代傳香火
好きな歌の歌詞。
民主主義の火を子孫に伝える。
傀儡花(2016)
獅頭花(2017)
苦楝花Bangas(2019)
島之曦(2021)
福爾摩薩三族記(2012)
台湾理解に役立つ小説。