中銀スタジアムでチームを後ろから見て、「あっ、これ優勝するな」と納得してしまったので、もう今年はブログ残さなくていいんじゃないかと思い始めましたが、ぜんぜんそんなことはなかった。すごいね。去年と今年と、僅かだけど大きな差があるなと感じさせられたガンバ相手に、まったく逆のゲームができるなんて。それも、このチームはまだまだ良くなるという余地を残した状態で。
まさに、さあ行こうぜどこまでも、という感じに温まってまいりました。楽しみすぎる。楽しみすぎるチームになっていることが幸せすぎる。
◆2015のその先へ-ドグ、寿人、大外ウイング
2015サンフレッチェの素晴らしさは、卓人不動尊を中心とする鉄の結束撤退守備と、重戦車ドウグラスと遊撃戦士柏好文の走力を前面に押し出したカウンターアタックの威力にあったわけですが、反面、遅攻の精度の低さから、電撃的なカウンターや前進守備に対してなす術に乏しく、特に相手が開き直ってしまうホームゲームで手痛い敗戦を多く経験することになりました。その良さを維持しつつ、ボランチの両名がよりフィニッシュに絡んでいこうと重心を上げたことで、遅攻に厚み(具体的にいうと、DFラインとMFのラインの間ボールをキープしてDFラインにギャップを生み出し、前に出すというシーンが増えたこと)がでて改善が目に見えるようになったな、というのが前節でした。
今節では、最終ラインから中央、ウイングと繋いだ際のフィニッシュが可能性のあるシーンを多く作れていて、クロスの軌道上に寿人とドグ、そして逆サイドのウイングが居ることを右からも左からも徹底できていました。今季重点的に試されていた、「インスイング」のクロスの形が発展していっています。
ガンバは、遠藤を2列目に一段上げた4-2-3-1で、攻撃ではボランチとシャドウの間に遠藤が陣取ってサイドの倉田やボランチの井手口がサポート、サイドバックが積極的に大外を回ってウイングを釣り上げて、孤立したストッパーを宇佐美が陥れるという寸法でした。
この形に押し込まれる時間が結構取られてしまいますが、佐藤寿人を中盤の守備に呼び出して狙われていたスペースを埋めて(がんばりすぎて6年ぶり警告という珍事が発生してしまいましたが…w)、いざとなったら卓人不動尊という2015らしい結束でマークを外したシーンは宇佐美の決定機くらいでうまく守れていましたし、セカンドボールのバトルで勝てていましたし、奪った際にはシャドウ(主にドグちゃん)がSBやボランチが上がった後のスペースに陣取ってカウンターのスイッチになっていましたしで、広島にとっては悪くない状況でした。
基本的には一進一退という感じでしたが、あおちゃんがエンジンをかけてゴール前までぐいぐい上がってき始めると塩様も上がってこれるようになってチャンスが倍増。ながらくノーチャンスだった寿人さんにもようやくあわやというシーンが作れた試合でもありました。
なお、おしこめてきた前半終盤には、逆にひっかけられてピンチを作りかけるというアレだったので油断ならない内容でしたが。。。w
あとはグラウンダーのパスにもこの動きを応用できれば、昔懐かしの「三人目の動き」とか「フリック」とかを使った中央の崩しがうまくいくようになると思うんで、積み重ねてもらいたいところです。なのでドグちゃんは来年も残ってw
◆2015のその先へ-アパッショナートダブルボランチ
チームの改善を引っ張っていたのはカズとあおちゃん。二人とも、守備でも攻撃でも、抜群のプレーを見せていました。
カズはボール奪取が冴えわたっていたのはもちろんですが、奪った後の相手のファーストディフェンスをはがす正確かつ効果的な繋ぎがエクセレント。あおちゃんは、「ボックストゥボックス」の動きで撤退守備と厚みのある攻撃の両立を支える大黒柱として。寿人さんとのホットライン復活かというパスも2本ほど繰り出されていて、最終盤に向けてようやく状況が整ってきたかという感じ。
先制した後、負傷トラブルとファウルトラブルでキナ臭くなった試合展開についても、落ち着いて舵取りをしてくれ、ちょいちょい危ない場面はあったものの、堅い守備と鋭いカウンターは途切れることはありませんでした。ガンバが満身創痍だったことが大きな要因でしょうが、残念な展開に巻き込まれることなく突き放した試合のコントロールはこの試合で最も賞賛に値する働きだったと思います。
すべてが決勝戦となる最終盤に向けて、2ボランチの充実はなによりの吉報。あとは、寿人さんのゴール、そろそろ…そろそろお願いします…w
◆2015のその先へ-満を持した救世主達
柏好文離脱からのやま様こーへー大爆発と、優勝フラグな「絶対的な選手が抜けたチャンスをフィーバー」がわきおこっているサンフレッチェですが、果たして今節もフィーバーでした。
2012年以来のストライカー清水航平…それだけ2013年と2014年のサッカーがワイドの攻撃に乏しかったという裏返しでもあるような気がしますがw…の流麗な左から右へのパスワークからのキャノンゴール、水本の負傷交代というアクシデントで焦げ臭くなった空気を見事に鎮火してパトリックを退場に追い込むまでの圧倒的なタイマン性能を見せた佐々木翔、浮き球の競り合いとトラップに長足の進歩を見せ、日本を代表するDF陣に一歩も退かないどころか、独力でシュートに持ち込むテクニックまでみせた浅野拓磨、そして、僅かな時間でまたもや得点を生み出した、左のトリックスター山岸智。
まさに総力結集。充実の一途をたどっているようで、テンション上がりっぱなしです。天皇杯でさらなる「ラッキースター」が煌めく予定。
◆2015のその先へ―天皇杯、CS、CWC、そして、ACL
ここから先は一勝すれば即賞金ゲットとという、決勝戦。一攫千金の大チャンスばかりなり。賞金を羅列すると、
・天皇杯はベスト8から1000万、最大1億円
・ステージ優勝で5000万
・年間首位で8000万
・CS優勝(H&A)で1億円
・CWC出場で最低50万ドル、最大で1650万ドル
となります。ウハウハですね。
(余談ですがACL出場によるカップ戦の優遇策は賞金取りやすくなってるのでACLの罰ゲーム感を払しょくするのに結構良いアイデアなんじゃないかと思います)
もちろん、とらぬ狸をやったらとんでもないことになるんでしょうが、やはり、先立つものはほしい。ドグちゃん残留資金とかに…なるかな…w
CWC優勝すれば10億円超の賞金が飛んでくるらしいですし、夢が広がります。
サッカーの内容ももちろんのことですが、トロフィーやユニフォームの星といった形あるものでこのチームがどこまで行ったかが刻まれてほしいですし、賞金でもってもう少し実質的に報われてほしい。
そのために。ここから全部勝つ。ターンオーバーでも勝つ。徳島戦は無念なことにまったく見れないので、信じて待っています…未来は、黄金色(賞金で)
では。