【2nd stage 第6節】vs.鹿島アントラーズ―翼の折れたエンジェル | みつぼしをこえてーglory for the fourth star

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サンフレッチェのことをうだうだと。広島のグアルディオラ(確信)森保一と紫の戦士たちの歩みとともに。












いやー、嵌められましたね。完全に。ずっぷりです。



スコアこそ一点差でしたが、攻撃、守備、そしてセカンドステージ快進撃の主因であった切り替えの場面の強さ、ここで完敗してしまったので、もっとやられてもおかしくないくらいの惨敗でした。とはいえ、鹿島も鹿島で作戦遂行は粗削りでノーチャンスではなかったので、やりようはあったと思うと実に悔しい。



エアポケットのようにたまに空いてた隙を速攻で突いたり、最終ラインは自由にさせてくれてたんで遅攻からまくれればあるいはというところでしたが…ミカ様カウンターから寿人さんの決定機を外してしまったけど青ちゃんが動かしてサイドチェンジとか裏へのボールが出せてきた時間帯でCKからあっさり失点したのが痛すぎた。。しっかり引かれてしまってでき始めていたスペースがなくなってしまった。



茶島も、塩谷も、投入された意味をちょっと本人も周りも理解できていなかった、というよりは、その理解が鹿島の選手たちのほうが深かったといったほうが良かったか…押し込んでサイドを捨てさせてウイングの勝負を良い状態に持っていくことはできたのに、そこからストッパーとシャドウとのサイド連携で叩くわけでもなく思考停止ドウグラス狙いになってしまった…たまに工夫を入れようとするとドウグラスはお荷物…というジレンマに苦しんでいましたね。。代えるべきはドウグラスだったのでは…



とにもかくにも、ハーフカウンターでうっちゃってなんとか内容(ビルドアップ)のまずさをごまかしてセーフティリードを奪う、という勝ちパターンを封じられてしまってさあどうする、というところで見事に何もできなかった。しようと思っても時間とともに著しく低下していた鹿島の守備を上回れない程度の低水準であった。というのが本当に悔しかった。



こんなに何もできないのか、繋ぐところを大事にしているはずのチームが。大きな失望がありました。ワーストゲーム。



自信を失うまで行くのは禁物ですが、危機感を持つべき体たらくではあったと思います。どの局面もほとんど、イーブンのとこで負けてたからね。カシッチ以外。あのがっかり感はなかなか形容し難い苦みがあった。たまに勝った!と思ったらミスしちゃうし。それくらい鹿島に消耗させられてたんだと思います。そりゃあれだけやられればね。





















◆どハマり① ハーフカウンター封じ;4-2-2-2イリュージョン




最も大きな敗因はカウンターが決まらなかったこと=切り替えやセカンドボールで全然勝てなかったこと。ざっくりいうと二つ困ったところがありました。



一つはDFラインから離れる動きで長短のボールを受ける赤崎と金崎に誰がついていくのか、そのセカンドは、というところがピリッとしなかったところ。この日はやたらと空中戦に負けてた印象。後半にはDFが前に出るんじゃいということで落ち着きましたが、ここの後手後手のおかげであっさりDFラインの裏への突破を許すシーンが頻発してしまいました。修正もね、失点する前にしてほしかったよね。。



それにしてもソガハタさんってあんなにフィードうまかったっけ。百発百中だったんですけどーw



二つ目、これが一番大きかったのですが、鹿島の4-2-2-2、SHが絞ってストッパーをひきつけ、SBを上げてサイドに優位をつくると、ボランチがカバーしなきゃいけないので中央が空いちゃうというかなしみ状況、に対して未だに対策が講じられなかったこと。


まー、鹿島と当たるたびにこうなってるので、まあ5-4-1で守る宿命だと思うんですが、それにしても今回は最終ラインと二列目の距離が空きすぎていて、ダイナミックなフリーランと自由なターン、ドリブルを許してしまいました。ボールが渡るまでに詰めに行けないと、ああいうふうに左右に重心振られて厳しい目に合うんですよね…足元まで詰め切れないくせにウイングはSBのところに寄りすぎだし、寄るのであれば、DFラインも上げないとスペースが広がって苦しい。上げないのであればシャドウが無理をするんですよ…毎回思うけど中央の守備が足りないと思ったら4バックのまま守れないのかな…ハイクロスでウイング狙われそうだけど清水航平さんとカシッチなら大丈夫だと思う。



広島のここまでの快進撃は、縦横と緩急を操るポゼッションが未熟さであるところを、ハーフカウンターでセーフティリードを奪いとることで、奪ったら縦への一方通行のゲームに書き換えることによるところが大きく、今回は背走状態だったり、チャレンジとカバーのバランスの崩れた無理な態勢での守備が多くなってしまったことで、なんとかボールを奪えても…という状況でした。相手の陣形を自分たちの望む形に動かすこと…というのがポゼッションの鉄則ですが、鹿島のほうがそれをできていた。柴崎がっくんがいなくてもこれか…というか居ればどうなってたんだろう…w



失点自体は当てだしを見逃されたCKからという「誤審」でしたが、副審は反対サイドだったんでたぶんミカ様が戻りながら当てだししたボールが身体に隠れて見えなかったんじゃないかと思われます。つまり、いい形守れてなかったから悪い。そういうことにしておいたほうが生産的な気がする。ハメよう、ブロック守備。守ろう、味方との距離とボールホルダーとの間合い。鹿島と川崎に対してはボールが渡るまでに普段の半分くらいの距離まで詰められないとかわされちゃうイメージ。



それでも何度かはチャンスを作っていたのですが…鹿島のほうが最終局面でうまく読めていましたし、中盤の帰陣も非常に早く、ちょっと迷うとすぐに不利な情勢になってしまっていました。。この辺は鹿島をほめるべきか…それにしても走れなかったね…







◆どハマり② カシッチシフト;狙えないサイドバック裏と狙われるウイング裏 



敗因二つ目は遅攻の質の低さ。具体的に言うと、シャドウのマンマークと、柏に対するツーマンセルを破れない時間が長かった。


まあ、この部分は柴崎晃誠先生とカシッチさんのランデブーでなんとかしていた部分であるので、献身的なプレッシングと裏への飛び出しといった運動量で別の勝ちパターンを形作ってくれていた野津田岳人さんの現状と、鹿島のがっつり足元マンマークとがうまくはまってしまった形。ドグちゃんも狭いスペースでワンタッチというのはちょっとゴメンという感じであるので、厳しかった。伊東君の寄せが非常に誠実だったのが印象的。代わりにミカ様はだいぶあけてくれてたのだけど…ドグちゃんとかささしょとか絡むことがほとんどないとバレてたんだろうな…w


ただ、鹿島の守備は、青山をマンマーク監視ではなく、受けてから前を向かせないスライド式を採用していてボール自体にはかなり触れたので、最終ラインでフリーの選手を作って寿人、シャドウ、ウイングの三択裏抜け問題(浦和式のパク…新機軸と言ってもらおうか)を狙えそうな感じだった。寿人は何度もフリーになっていたし、野津田岳人さんも裏抜けを繰り返して動かそうとしていたけど、後ろがクリーンな視界を作ってボールを入れられる状態をほとんど作ってなくて非常にもどかしかった。どうしたー!なんのためのボール保持だー!


たまーに入れるんだけど、えっちらおっちらでボール出るまでに時間かかりすぎだし、連動した抜け出しではないので、追いつかれてしまってたし。それでも、鹿島は足元にボールが入る時とは打って変わっておぼつかない、セーフティなクリアに終始していたので、広島が敵陣でマイボールを確保する一番確実な方法であったと思う。なんで青山が持った時にしか裏に出しちゃいけないのかよくわかんないし、そのせいで選択肢が非常に狭くなってしまって鹿島の守備をよりコンパクトにさせてしまっていた。いわゆる、「自分たち次第」という部分。「自分たちのサッカー」を全くやろうとしなかったということ。



そのため、鹿島に前を向いた状態でボールを奪われ、下がってくる前線にトランスフォームによる中空のスペースを使われて、ウイングの裏に走るSHへと流し込みカウンター完成、という機械的な動作が連発していた。背走しながら低い位置まで戻らなきゃいけないので非常にきつい。これが終盤の精彩のなさに響いたのだと思われる。鹿島もよかったのだけど、自業自得。と思っといたほうが生産的だと思う。70分くらいはサイドの死活がお亡くなりになられていたのだが、おそらくこういう仕組みであったのでしょう。さながら翼の折れたエンジェル…













◆どハマり③ 戦術ドウグラス;スタミナとアイデアの困窮



敗因の三つ目は終盤の試合運び。
残り15分あたりから鹿島のほうにも綻びが出始め、カシッチシフトが緩んできた時間帯。広島も交代カードを用いて状況の打開を図ることが少しずつ奏功していっていたのですが、最後の15分間があまりにお粗末で鹿島を助けてしまった。もう少しうまくすれば追いつけたし、逆転もあったやも…と悔やまれます。


浅野と茶島で裏を狙いたい、切り替えで勝ちたいという意識を強めたのははっきりとわかり、投入直後のカウンターで見事の現出したのですが、あそこで決まらなかったのはもともと確率の高くない角度であったので致し方ない。


ただ、そうなると、鹿島の重心が下がって裏を消そうというウエイトが当然大きくなり、さあここからだ、ウイングも最終ラインもより余裕を持ててきたという状況でじぇんじぇんダメダメ丸でござったところが本当に残念。鹿島のほうにも迷いが生じていたのだけど、それ以上に広島の方の手探り感、消耗、焦燥が大きく出てしまった。。すなわち、思考停止ドグちゃん頼み…



これじゃだめだ崩しに行かないととミズ様のフルタイム出場を返上して塩谷を投入するも、彼もまた復帰直後でエンジンが入らず。ささしょの方がエンジン全開でなんでやねんと思わず突っ込んでしまった…鹿島もしんどくなってきてセカンドで勝ち始めていたので、時間の問題、心頭滅却すれば火もまた涼し、一念岩をも通す…という結果論も無きにしも非ずな雰囲気が出ていましたが、時間は解決してくれず。土俵際で粘ってきた最速通算300敗にころげおちましたとさ。







◆いいとこ探しとなすべきこと探し;何をもって「次につなげる」といえるのか





うだうだ言うてももう終わってしまった試合なので、ネガネガもそこそこにしておいて、次に試合にもっていけそうないいところと、次の試合でやってほしいことをいくつか。



何よりよかったのは1点差でしのいだこと。その1点も、当てだしを見逃されたミスジャッジによるコーナーキックですから、本来でいえばスコアレスドローにできた試合ではあった。そういえるのも、前半は後手後手であったスリーバックがマンマークを修正して、ポスト、切り替えし、パス、シュートのタイミングを読んで足を出せるようになったことが一番大きい。中盤より前のディフェンスはついぞハマらなかったので、正直孤立無援な、ムリゲー展開が多発していたのですが、よく寄せきってくれました。


この守備は、まあ、本来的に言ったらゾーンで、セオリーで守れてないってことなんで、ACLとかCWCとかでは一つも通用しないんですけど、とりあえず国内レベルではこの塩谷千葉水本+ささしょはしっかり守ってくれるということです。「大崩れしない」という言葉を保証してくれる彼らがある限りは、なんとかやっていけましょう。次のレイソルも、最終ラインのマンマークでぎりぎり帳尻を合わせることでなんとか2失点で抑えたという相手だったので…w なんとかなってほしいところです。




あと、カシッチ。彼だけはセカンドボールで鹿島の「間合い」に身体を入れて「戦えて」いましたし、孤立無援の中でも仕掛けて幾度もチャンスを作ってくれました。まあ、ドウグラスしか選択肢なかったんだけど。岳人も茶島も個人としてはいろいろ狙って動けていたんだけど、三人目という形ではなかったからマンマークの餌食になっていました。まだまだ。まだまだだ。だからカシッチシフト打破できなかったんだろうな。柴崎晃誠先生が草葉の陰で泣いているぞ。



ミカ様も天使だったんだけど、カットインのその先は…で一つも共有できてなかったから信仰に曇り切った目で見ててもかなりのマイナス…w 
そろそろ塩谷さんとコンビで突破するところとかですね、見たいのですね。せっかくカシッチシフトで右ワイドはしょっちゅう空いてたのに、あれだと舐められてたように思えて悲しいのです。寿人さんが決めていれば、というのはあったけど少しゴールから遠かったのでもっとえぐりたかった。





そういうわけでやるべきこととしては、切り替えや速攻でできているのだから、ブロック守備とビルドアップの遅攻においても出るかわからない「アイデア」なんぞに頼らないこと。



出たとしても時間がかかりすぎてコースがなくなったり、チームメイトと共有できてないことで相手の速攻を誘ってしまう時間はできるだけ減らしたい。
再現可能で共有可能な「セオリー」を一つでも実現可能なレベルで身に着けること。攻撃については局地戦王カシッチと名コンビを築いた柴崎晃誠先生が帰ってくるまでになんとかしないといけませんし、守備については、ボランチやウイングが出るべきタイミングはもっと少ないはず。我慢して中央のスペースは切ってシャドウに無理をしてほしいところなのですが、、



寿人が60分限定のためによく走ってくれるので、ボランチと最終ラインで押し上げて追い掛け回せる時間をもっと増やすのが一番早道かもしれません。3バック相手の時は、その守備がうまくできるのでいい試合が多くなっていると思われるのですが…4バック相手にもハメる方法の開発が急務か…。失点少ないことになってますけど、3バック相手には無双してて4バック相手には失点も戦績もガクッとなってるんですよね今年。。たぶん前から守備をはめられるかどうか、相手のボランチにこちらのボランチをぶつけられる時間が長いから。今年はそういう得点が多いのが、この順位に押し上げてくれています。4バックでもハメたい…





いずれにせよ、攻撃でも守備でもどの「セオリー(定石)」なのかを判別するには相手の動きを落ち着いて見ないといけないので、考える時間を奪われるプレスに対してどうやって余地を作るのかが重要でしょう…つまり、「ポゼッション」せよと。



それもまた、裏に出して間延びさせる、というセオリーがあるわけで、裏の狙いを定めるためには…というとあくまで一例でしかないですが、浦和みたいな5-0-5という方法もあるわけです。トランスフォームでのポゼッションが何のためにあるのかといえば、フリーで、より高い位置で、前を向くため。今の広島は、青山がフリーであること、青山が前を向くこと、に頼りすぎている。もっと千葉ちゃんが裏へのボールを蹴るべきだし、もっとカズも前を狙うべき。少なくとも鹿島戦ではそう感じました。毎試合「狙うべき」人物や時間帯が変わるのが難しいし、醍醐味なんですけど、今回の試合では裏へのボールの引き出しの数というのが勝敗を分けたかなというところでした。




引いて中央絞っているということについても、サイドに釣り出して中央の密度を下げてからカットインさせる(えぐる)とかしないとシュートチャンスは得にくいとか、そういうセオリーがあるわけでね…茶島と塩谷って、まさにそのための選手じゃないですか…なんで塩谷は無難に最終ラインでプレーしてて、茶島がウイングに出たときほぼほぼ雁字搦めに固められてる中にはいってクロス待ってるの…ギャグなの…




レイソルもその辺で苦しんでるらしいので泥仕合になりますか…なんだかクリーンシート連発してるらしいので不気味なんですが…w 
まあ、勝てばよかろうだから、とにかく、セオリーに取り組んでほしい。いわゆる「試合の流れを読む」ってことだと思うけど。そんなに難しいワンタッチプレーとかいらないって。シュートするのに。




今回は週末じゃないからノーカン。次が最高の週末だからね。しかたないね。月曜日があるからもう生で見届けられないね…しかたないね…




では…