【2nd stage 第4節】vs.横浜FM―強過謝謝 | みつぼしをこえてーglory for the fourth star

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サンフレッチェのことをうだうだと。広島のグアルディオラ(確信)森保一と紫の戦士たちの歩みとともに。




いやー



強いっすわ。強過ぎて謝謝。



浦和戦がリバウンド(反作用の罠)どころじゃなくてスプリングボード(更なる飛躍の起爆剤)にしちゃうあたり、森保一ここにありという感じがします。超気持ちいい。













エリック・モンベルツ監督の特徴はトップ下に「走れる選手」を好むこと。中村俊輔の復帰からは、このレジェンドとのバランスをどうとるのかしらんというところですが答えはボランチでございました。



プレッシャーのかけにくいボランチの位置に縦パスもサイドチェンジうまいマンがいると541のブロックがガタガタにされてしまう問題(WSW戦での小野伸二現象、ナビスコG大阪戦での遠藤保仁現象、あと鹿島とか)が「広島のサッカー」の大きな弱点の一つであるので、二列目か三列目かどちらが彼に行くのか、それに応じてDFラインの高さをこまめに動かして我慢できるか。



柴崎晃誠先生離脱で前線の攻守のバランスがどうなるか。野津田岳人さんにかかる期待はそれはもう大変なことになっていそうである。勝負の夏。塩谷さんの穴埋めダービーはなにげにささしょが定着している。














◆先制されたくない×(先制したい-先制されたくない)―それが見たかったよなビルドアップ



マリノスはがっつりと「先制されたくないでござる」という作戦を敷いてきた。つまり、442の2トップはあおちゃんを挟み込み、ウイングはSHとSBで挟み込み、シャドウはボランチとCBで挟み込みと撤退してとにかく挟む。引っかけたらサイド、という形。


こういう相手に出くわすと、広島もまた「先制されたくないでござる」が勝ってしまい、膠着、あるいはソルティーな、「マイナス」な空気が出てきてしまったり、「先制したい」が勝るあまり残念なボディがら空きだぜ状態を晒してカウンターに沈んだりすることがあったりするのですが、この試合では完璧なバランスでした。



ストッパーがしかけることでこちらの縦パスのスタート地点を敵陣まで押し上げ、シャドウ、ウイングとコンビネーションを狙ってこじ開けようという形を安定して繰り出していた。サイドを狙っていたものの、柏やミキッチが抜け出す有効な崩しが生まれなかったことは不満でしたが、ボールを失った際の切り替えも概ね奏功し(ピンチも少なからずあったけどw)、ゲームを「支配」してるよね、という印象。前からの守備は珍しくはまっていたと思う。ボランチの二人がとても神経を使っていたし、GOOL君が良く走って支えてくれていた。



このまま布石レベルにとどまって後半か、というところでPKをゲットできたのはラッキーちゃラッキーだけど、CKを得た流れは再三狙っていた水本の攻め上がりを使った外から中への崩しであったし、内容的には必然性があったのでそんなに気にしなくていいと思う。








◆取り返そう×裏を狙おう―良しにつけ悪しきにつけ



後半、ビハインドの横浜はまえからいこまいという形へ。前プレなすがまま展開がここんところの課題であったわけだが、後ろはワイドに、前は縦のギャップを作りと広く動いてワンタッチでかわす余地を生み出していた。最高じゃん。


守っては前半とは打って変わって前に突っかける俊さんを引っかけてカウンターで追加点。4対3だったから走らなくても良かったけど、大外に走りこんでいたミカ様 is real angel.



完璧な二点目で勝負あり....としたかったですが、横浜は2トップに切り替えてマークが流動的になり始めると、俊さんが落ちつく位置を見つけて腰を据えて崩しにかかれるようになってきた。ちょいやばい。



広島は浅野を投入して浦和戦の再現プレスを狙うが、多勢に無勢なパスワークですかされてしまい、プチパニックに。俊さんとアデミウソンさえ前を向いた状態でださせなければじゃんじゃかおこる横浜のパスミスを誘えてはいたものの(ミカ様曰くあのミスのオンパレードは狙ってやってたらしくて震えたわ)、広島も広島で奪った後が縦なのか、つなぐのか、曖昧になってしまって適当すぎるクリアボールで横浜の攻勢に火に油となってしまった。



とはいえ、前線で起点のテコ入れなコージさんと大魔神丸谷と頼れるカードが期待通りに役割を果たして、危なげなく完封逃げ切り。永井の神風アタックで事故ってしまった浦和をまくって年間首位に浮上した。






◆計算通りの完勝+計算ミスの改善余地=さらなる向上




前半の始まったところから、後半ATの最後のプレーまで、広島はゲームをこうやって勝ち切ろうという「計算」の透徹された試合になりました。個人の気持ちで「食い破る」ようなゲームも震えますが、こうしたチームプレーの粋を集めて圧倒するようなゲームの方が、サッカーというゲームとしては素晴らしいもんだと思います。最高すぎた。



特に、チームの狙い(約束)から行方不明になりがちであった野津田岳人さんが攻撃でも守備でも粘り強く、またピンチやチャンスでは危険なエリアへ向かう推進力はチームの大きな支えになっていました。



実際に結果としては表れていませんが、それだからこそ、「地味にやり遂げた」ことこそが、彼がチームの「戦力」となった証であろうと、称えたいところです。浦和戦に続いてやり遂げてくれたので、そろそろ浅野に続いてもう一声のブレイクスルーが来ますでしょうか...浦和戦からがっつり走りまくってるけど大丈夫なのかな...w 次の試合もやれたらほんとすごいけど....




また、「完璧な試合運び」ではありましたが、うまく試合を運んでいったということなだけで、全ての時間帯すべてのプレーが完璧であった、というわけではありません。



特に二点を先制した後の、横浜が前線を増やし、広島が浅野システムに切り替えた後の時間帯。簡単なクリアで逃れざるを得ず、そこはしっかり引いて我慢はできていましたが、そこからのカウンターにせよ、マイボールを確保してビルドアップするにせよ、非常に単調であったり精度を欠いてしまったりと、横浜の攻勢の火に油を注いでしまう時間帯を作ってしまったこと。コージさんを入れてテコ入れを測ったものの、絶対的なサポートの量が足りていなかった。まあ、夏場なので、っていうのはあるので差し引かないといけないですが。。




というふうに、今回の勝利で手放しで喜んで緩んでしまわない、というメンタリティが選手のほうにも、見ているほうにもしみついてるので....なにか大きなケガが続かない限りは.....今年のチームはいくとこまでいけるんじゃないでしょうか。



だってね、あれだけ負けまくった浦和に無敗で横浜にダブルとか、「すごいなサンフレッチェ。どうやったんだ?」だからね。「当然のこと(準備)をしたまでです」なんだけど。




次はミッドウィークの上に芝が酷いと話題のノエスタ。ビルドアップの課題vs.ノエスタの芝と、連戦によるハードワークの制約と、ネルちゃんマジックと。ハードルは強大ですが、乗りこえていきまっしょい。今季唯一3バック相手で負けているチームというのも個人的には期するところがある。






ではでは。