焚火のメラメラ感良いですね。最近、「みなみだいら」さんのブログに添付された、たき火の写真に見入ってしまいました。
 
焚火で思い出したのは、川端康成の「雪国」で、東京の島村が、新潟の駒子に逢いに来る日を、新潟の2月14日の「鳥追い祭り」の日として約束していた。
駒子は島村を待っていたが島村は来なかった。

駒子は島村を「嘘つき」と言ってなじるわけだが、「鳥追い祭り」は新潟の、子供達の年間行事で、子供は、雪を踏み固め、硬くして、雪の板を何枚も作り、雪で作った堂の上に並べる。
夜、子供達はこの板の屋根の上で押し合い、鳥追いの歌を歌う。お堂の前には、あかあかとした焚火、お堂の中には燈明を灯す。
子供達はお堂の中で夜明かしをする。
 
ほんの数行の文章だ。川端は、島村が駒子と逢うのを約束した日を「鳥追い祭り」の日として、さりげなく、新潟の風習を紹介している。
川端は単に焚火と書くわけだが、物語の流れで、この、焚火、あかあかとこちらの気持ちに灯る。
「雪国」を4、5回読み返しているが、駒子の心理がまだわからない。「悲しいほど美しい声」の葉子ですら、謎だ。
自分は、どっちつかずの、どうでもいいような島村か?
なんて、思ってしまう。おそらく、そう。
ここには、人間が、雪国という自然を、心の投影された風景として描き出されている。
「雪国」、細緻な文章の妙は絶品、読み返すたびに、発見がある。
 
ところで、「雪国」勧めます。新潮文庫にあり、ほとんどの書店に置いてあります。
川端の文体に病みつき。
川端康成、ノーベル文学賞の受賞作品です。
英語訳は、サイデン ステッカー氏、必ずしも逐語訳ではないが、さすが、と感じさせる名訳である。英語で併せて読みたい方は、
アマゾンの英語のジャンル「SNOW COUNTRY」で購入できます。
値段は手頃ですよ。
この、自分のブログは、毎回「雪国」の読書感想記述だけで終わりそう。