本 ★★道新「おふたいむ」★★  

当時の「北海道新聞」には、毎週木曜日の夕刊に「週末特集・おふたいむ」という
カラー版の付録紙面が折り込まれていた。お月様
寿司道内の美味しいお店、バス旅行やコラム、ギターアートコンサートやイベント、
カチンコ映画やテレビ情報等々...が載った、エンタメ版といった感じである―。

ある日のその「おふたいむ」に載っていた、『旅のメモリー』というコーナーに
ふと目が留まった。目
私が撮った写真と同じ、パリの‟ノートルダム寺院の裏側”での記念写真が
載っていたからである。カメラ
11月22日から9日間というツアーで、ちょうど自分と同じ頃に出発していた
旭川市の方の投稿記事だった―。

旅の思い出を、四百字程度にまとめたもので...
写真は本人が写っているもの...
掲載されると記念品が頂ける...とのことであった。
記念品とは、おそらく図書カードみたいなものではないべか!?
と、推測する...。メール

その時、旅の思い出なら自分にも書けそうだぞビックリマーク
と、急に思い立ったのである。ニコニコひらめき電球
参考の為、早速その記事を切り抜いて保管する事にした。
そしていざ、改めて下書きに取り掛かるも...
どのエピソードを中心にまとめ上げるか...??が、問題となった。無気力汗
あれこれ考えた挙句、「やっぱしあれがいいべさ!物申す」と、心に決めた―。
ドイツのローカル列車に乗った時の出来事である。ドイツ新幹線後ろ

下書きを何度も直しながら、2月21日にやっと原稿用紙1枚にまとめた。
それがこちら...
=原文=
『20マルクのおこづかい』
昨年の冬、三十七日間の一人旅でヨーロッパを回って来ました。
危険にさらされる事もなく想い出深い旅になりました。
ドイツのヴユルツブルクからローカル列車でシュタイナッハへ向かう時、
老夫婦の隣に座っていた私は不安にかられ、ずっと窓の外を眺めていましたが
隣のおばあちゃんが次だよと知らせてくれ、そして立ち上がった私にそっと
一枚のお札をくれたのです。
ドイツ語を知らない私は只ひたすらサンキューと頭を下げるだけ。
降りる時に今度はおじいちゃんが、カートの荷物をデッキまで
押してくれたのでした。
お札を広げてみるとそれは20マルク。
このまま二人の家まで行ってしばらく養女にしてもらいたい気持ちになりました。
そんな親切な人達に助けられてきた中で、私が何度も繰り返し言い続けてきたのは、
ありがとうという言葉でした。
この写真はローマに行った時、日本人のカップルのお姉さんが
写してくれたものです。

この原稿と一緒に、「真実の口」の横で立っている自分の写真を
同封して、道新のおふたいむ編集係宛てへ郵送したのである―。ポスト

その後のある日、家に北海道新聞から電話がかかってきた。電話
女性の担当者さんからで、私が送った原稿を掲載したいとの連絡だった。驚きビックリマーク
表記文字の「ヴ」を「ビュ」に置き換え、文章に少し手を加えて直したり...
もありますが、良いですか?というような内容だった。
全て了解し、あとは編集者さんにお任せする事にした―。ニコニコ音譜

そして、1992年3月5日の夕刊「おふたいむ」に、実際に掲載された文章が
こちら...
=原文=
『独の老夫婦の優しさに触れた』
昨年の冬、三十七日間の一人旅でヨーロッパを回ってきました。
危険にさらされることもなく、思い出深い旅になりました。
ドイツのビュルツブルグからローカル列車でシュタイナッハへ向かう時、
老夫婦の隣に座っていた私は不安にかられ、
ずっと窓の外を眺めていましたが、おばあちゃんが次だよ、と教えてくれ、
立ち上がった私にそっと一枚のお札をくれたのです。
ドイツ語を知らない私はただひたすらサンキューと頭を下げるだけ。
降りる時に今度はおじいちゃんが、カートの荷物をデッキまで
押してくれたのでした。
お札を広げてみると20マルク。
このまま二人の家まで行って、しばらく養女にしてもらいたい気持ちに
なりました。
写真はローマで、日本から来たカップルのお姉さんが写してくれたものです。
旅行中私が繰り返し言い続けたのは、ありがとうという言葉でした。

こうして読み比べてみると、まず『タイトル』が新しくなっていたのと
カタカナと漢字表記の違いがちょっとあったり...
不要な文字は外し、より簡素に分かりやすくなっており...
ここはダメかも?と思っていた「養女...」の部分は削除されずに
そのままだったのがちょっと意外であった。照れ

全体的には、ほぼ原文どおりに近い内容になっていたと思う。
完結の文章を入れ替えていた部分は、さすが!プロの技であった―。ニコニコキューン

当時は、本名(フルネーム)・住所(町名番地)・年齢が全て掲載される。
今より、個人情報に関しては緩かった時代だった...。

ある日、テレビの「なるほど!ザ・ワールド」を観ていた時間帯に
電話が鳴った。電話
その時は、たまたま茶の間に自分しか居なかったので出てみると
名前を聞いてもピンとこない、誰なのか思い当たらないような!?
若めの男子くんからだった。無気力はてなマーク
いたずらっぽい感じもしたのだが、それ程悪そうな子でもなさそうだったので
一応相手の話に合わせつつ、最後に「また電話してもいいですか?」
と聞かれ...
ま、いっか!?と思い「はい」とお返事をして切った...。にっこり汗

やっぱり、道新に載った情報から電話番号を調べられたな~と感づいた。
こういう事もあるかもしれないという心構えはあったので、割と落ち着いて
対応は出来たと思うのだが、知らない人からはもうこういう電話は
こないといいなぁ...と、切に願っていた―。
結局それっきり、その男子くんからも、その他の悪戯な電話は
一度もかかってくる事はなかった。ほんわかほっ...

他には、以前同じ町に住んでいた...という旅行好きの主婦さんからの
電話があった。電話
その方は、道新の記事を見て電話したとのこと...。
彼女は私よりもだいぶ年上だったが、その後も手紙のやり取りをする程の
ペンフレンド的な交流が続いたのであった―。手紙ポスト


時計時計時計時計時計時計時計次回へつづく・・・




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