ランコムのミラクって香水、皆様ご存知かしらん??

四角くて平べったいボトルに柔らかなピンク色の液体。

甘すぎず爽やかすぎない絶妙さかげん。

ほんの一滴で女の子らしさを呼び戻すような香り。

『夏の月』で悲しい暗い香水ばなしを書き、共感していただいたり

ちょっと引かれたり(泣)

でも香水にまつわるお話でいい思い出もあるのだ。


離婚して一年たった頃、知り合ったOくん。

背が高くてがっしりしていて悪いことたくさんしていたが根はとても優しい人で

とっても惹かれた。


気持ちのすれ違いや私の過ちにより、付き合うという形をとらないまま

その後何年かに渡り、つかず離れずを繰り返す。
『料理とおじさん』という記事に登場する大好きだったOくん。


付き合いが長くなるにつれて、やんちゃだが根はいいかわいい弟を見守る姉のような心境に達し

彼が結婚して落ち着いてくれないと

私も無理だなあと思っていた。



ある年の冬。

お互いフリーで気が向くと食事に行ったり迎えにきてもらったり

相変わらず、のんべんだらりんと付き合いを続けていた。


ランコムのミラクが発売されてすぐだったような気がする。
これが欲しいと強烈に思った。


ミラクルと書いてミラクと読むんだったはずだが
キャッチコピー?というかポスターの文字に心をぎゅっと掴まれてしまった。

奇跡を呼ぶ香り

確かそんな感じだったのだ。


クリスマスに欲しいものがあるんやけど?とOくんに話したら


パチンコ屋の景品であったらな、とギャンブラーOくんは言った。


Oくんがミラクをプレゼントしてくれたら

こんなにまで曖昧になってしまった関係にも奇跡が起きて

違う関係になれるかもと
甘い香りの持つ力に期待したのだ。


ところがクリスマスは何も起こらずに過ぎていき

恨めしげにクリスマスツリーを眺めていると

『玄関ドアをみろ』とさっぱりした内容のメールが届いた。

???と思いつつ、玄関の外を見ると紙袋がぶら下げてあり中に変な花柄の包みがあった。

開けてみるとGUCCIのマフラーでますます???であったが

『希望のものじゃなくてごめん』というメモをみつけ納得。


そしてすごく嬉しかった。

パチンコの景品であっても嬉しかったし

ミラクじゃない事を謝ってくるその気持ちが嬉しかった。


寒がりの私はマフラーを使いまくった。

ミラクをねだった事なんて忘れていた。


ところが正月がすぎて寒さが一段と厳しくなってきた何でもない日に

突然Oくんはミラクをプレゼントしてくれたのだ。びっくり仰天。


覚えていてくれた事が本当に嬉しくて大騒ぎした。


期待していたような奇跡は起こらずに

突然に見知らぬ誰かと結婚を決めたOくんとは疎遠になった。

結婚する頃には本格的に姉の心境だったので落ち込むこともなかったし

もらったミラクも友達にあげてしまって今はもうない。



Oくんとの思い出はたくさんあるけど、その中でも首位を競うほどのミラクの思い出。


幸せでいてほしいなぁと願える相手。そんな人に出会えたこと自体が


ミラクルなのかも。