ボーダーレス時代はもう終わり | 保守と日傘と夏みかん

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政治・経済・保守・反民主主義

アメリカの通商政策は、新大統領の下で大きく変わりそうだ。

トランプはTPPに大反対どころか、90年代に結ばれたNAFTAにも反対。自国産業を建て直すべく、中国への高関税やメキシコに移転したアメリカ企業を連れ戻す策を検討するという。

ヒラリーも、今ではTPPに反対の立場だ。
その上、新たに「貿易検事正」なるポストを設けて、為替操作国に認定した国に貿易制裁を科すとも発言している。

(中略)

確認されるべきは、国境なき世界など実現するはずがない、ということだ。国境がなければ必要なまとまりや秩序を維持出来ない。国境を無理に廃棄すれば、いずれ巨大な反動がやってくるに決まっている。

そんな単純な理屈もわきまえず、アメリカに「右に倣え」で自由化だ、規制緩和だ、平成の開国だと大騒ぎしてきた日本人は、梯子を外されて茫然自失となるのだろう。

そんな光景が、今から目に浮かぶようである。





『表現者 平成28年11月号』 保守放談