<鴻池の猫>

 

とある下町の事でございます。

八百屋さんの店先で、

可愛い猫が3匹じゃれあっております。

 

 

店の前で止まった車から、

上品なご婦人が出てこられ、

黒猫を譲ってほしいと言って、

50万円を出しました。

八百屋の主人はびっくりしながらも、

喜んで譲りました。

 

 

ご婦人はさる大金持ちの奥様で、

長年可愛がっていた猫を亡くし、

悲しんでおりましたが、

たまたま通りかかった八百屋の店先で、

亡くなった黒猫とそっくりな猫を見かけ、

たまらず家へ連れ帰った、

という事であります。

 

 

家に連れ帰ると、

猫の世話係として、

3人のメイドをつけました。

冷暖房完備の部屋で、

至れり尽くせりの待遇です。

 

ガラッと生活が変わりましたが、

黒猫はなかなかの大物で、

すぐに慣れて、

贅沢な生活を楽しむようになりました。

奥様はそんな黒猫に

「バロン」と名付けました。

 

もともとは「クロ」という名前でしたが、

黒猫はバロンと呼ばれても、

ちゃんと「ニャア」と返事をしました。

やはり大物です。

 

 

優雅で贅沢な生活を楽しんでいた、

元クロのバロンでしたが、

それでも昔の下町のことが

忘れられませんでした。

そして下町で遊んでいた夢を

見るようにもなりました。

「また下町で遊びたいなあ」、

そんな気持ちが日に日に強くなってきた、

元クロのバロンでした。

 

ーーつづくーー

 

 

先日整形外科に行って、

相変わらず膝が痛いことを訴えたら、

「それでは一日2回の痛み止めを3回にしましょう」

と言われ、痛み止めの薬を増やしてもらいました。

おかげさまで、多少は痛みが和らいだ気もしますが、

そのうち薬の効き目がなくなる気もしますし、

やはり人工関節の手術も考えた方がいいか、

などと考えたりして、

しばらくモヤモヤが続きそうです(;^_^A

 

今日もお付き合い頂き有難うございました。