はらぺこな私の眠い日常 -10ページ目

はらぺこな私の眠い日常

ここはヤンデレならぬちょっとヤンデルはらぺこが、睡魔と不眠相反する二つのテンションに振り回されて書いた駄文たちの保管所である

家族に言われて感動して泣いちゃったことブログネタ:家族に言われて感動して泣いちゃったこと 参加中

あれは確か小学五年生の夏(だったと思う)

母が親戚の法事で一日家を留守にした時の事だ



朝早くから支度を済ませて玄関に立つ母を、私たち家人は気の抜けた顔で見送っていた

「お土産よろしく」なんて暢気なことを言いながら手を振る私たちに、母は不安を感じたのだろう
私を呼び寄せた彼女は

「皆を頼むわね、はらぺこ
はらぺこはお姉ちゃんだから、何かあったらあなたが頑張るのよ」

と言い置いて家を出ていった

ゴミ出しから料理まで家事の全てを担っていた母
その母が一時的とはいえ家を留守にする

それがどういうことか、あの時の私は考えもせずに笑顔で請け負った

彼女が出発してから間もなく、私は一人きりでの家事を初めて経験することになる



そう、ズボンが無いと騒ぐ妹を宥めリビングが汚いと指摘する父に返事をし、台所で湯を沸かしていた薬缶が鳴らし続けるホイッスルに駆け寄る
そんな事態が降りかかるとは考えもしていなかったのだ

洗濯、ク○ックルでフローリングの掃除、遅い朝食の準備

それを済ませてソファに座れば、今度は洗濯機が稼働を終えたとアラームで告げる

正直、当時小学生の私が一人でこなすには少々荷が重い仕事だった

つまりだ
昼食を用意した時にカップラーメンで誤魔化した!と指摘した妹にプッツン切れた私は(多分)悪くないハズである

「文句言うなら手伝ってよ!」

「残念でした~
母さんは はらぺこに家の事頼んだんだから、私には関係ないんです~」

「そうだな、はらぺこは長女だしこういう時には頑張ってもらわないと」

燃え上がる私の激怒はしかし、私宅の絶対権力者である父の言葉で一瞬にして沈静。


皆さんお気付きかもしれないが、我が家において長女というのは少し特別視される存在だったりする

立派な姉の後ろ姿を見て育った末っ子の父に、自ら長女として厳しく躾られた母

どうやら二人には、長女という者は斯くあるべきという理想像というか規定のようなものがあるらしい

今でこそ そういう思想は薄まっているものの、児童~学生時代に寄せられた親からの期待や決め付けが本人にとってはかなりの重圧であったことはここに書いておく



とにかく一通り家事を済ませて休んでいた私は、夕飯の支度をする時刻が近付くにつれ無性に泣きたくなっていた

しかしカップラーメンで云々~と文句を付けてきた妹の顔を思い出すと、悔しさのあまり泣くに泣けない

その悔しいという一心で、半ば自棄になった私は覚えたてのハンバーグを作る事を決めた…

…のだが

出来上がった代物はハンバーグと呼べるかも怪しい、僅かに焦げたカッタイ肉団子だった

私はもう、いっそのことそれを捨てて「夕飯の準備忘れちゃったみたい☆」と言ってしまいたかった
叱られてもいいから、その悲惨なハンバーグを出すのだけは嫌だった

…結局、もったいない精神が発動してそうすることはなかったが

父と妹にそのハンバーグを出した時のことはよく覚えている

「焦げてんじゃん!」

「うん、ごめんなさい…」

みたいなやり取りに、私は身も心も竦んで今度こそ泣きそうだった

そうして私が縮こまっている間に、気づけばいつの間にか焦げた肉団子を平らげていた父

その父はTVを見ながらポツリと言った

「はらぺこも一人で頑張れるようになったな」

口数が少ない、誉め言葉はもっと少ないその人からの言葉に、あの時の私はみっともなくボロボロ泣きながら肉団子を食べた

うん、やっぱりただのマッズイ焦げ団子だったけど


(やる気と背筋は、褒められ伸びる!)【BUZZHOUSE】離婚直後の男性が綴る「結婚についてのアドバイス」
【BUZZHOUSE】離婚直後の男性が綴る「結婚についてのアドバイス」