カナダ日記 No.2
6/2 快晴
ほとんど眠れずに起きた。
フロントへ行くと、ホステルのサービスで朝食のマフィンが出てきた。
食べると死ぬほど甘く、一気に目が覚めた。
甘さで目が覚めるのは生まれて初めてだ。
今日も陽射しが強い。
今日は口座を開くために、カナダの銀行へ行った。
しかし定休日だった。
そうか、今日は土曜日だった。
そういえば時計がないから時間がわからない。
これではいかんと、地図を広げ、地元のコンビニ屋という日本の物を取り扱ってる店に行った。
そこで$14.99の腕時計と新聞を購入。
時間を手に入れた。
ついでにそこの建物の2階にあるパソコンルームでスケートボードのショップを検索。
早速ショップに向かった。
ショップの場所は東のガスタウンという観光名所の近くで、行くのは初めてだ。
ガスタウンの近くに行くと、突然
「フリーーーーズ!!!」
「Nooooooooo!!!」
という叫び声が聞こえた。
びっくりしてそちらを見ると、パトカーがサイレンを回してとまっており、周りの人達が何事かとそちらを見ている。
パトカーが影になってよく見えないので歩いて見に行くと、なんと両手をひろげて地面にひれ伏す男の頭に、警官が銃を突きつけているではないか!
信じられん!
映画の世界だ(笑)
男がパトカーに連行されていった。
そんな非日常的な出来事を後目に、スケートショップに行った。
ショップはかなりおしゃれでウキウキした。
並んでいる板から一枚を選んで、店員さんにデッキテープ(板の上に貼る、ヤスリ状のシート)を貼ってもらうように頼んだ。
彼はわかりやすくゆっくり英語で話しかけてきた。
「いつからこっちにいるんだい?」
「まだ着いて2日目だよ!」
「2日目!マジか!バンクーバーは初めて?」
「うん、初めてだよ。」
「この店には日本のプロもくるよ。」
さすがはスケートの盛んな国。
日本のプロもくるんだな~。
「スケートパークの場所を教えてくれない??」
と、地図を手渡した。
「OK!この通りをまっすぐ行くと、橋の下にパークがあるんだ。」
...彼が指差しているのは東の外れだった。
東はちょっとこわい。
しかもそこへはかなり危険とされているストリートを通らなければいけない。
...でもしょうがない。
まずはパークへ行きたい。
「ありがとう!また来るよ!」
「OK!なんか困ったことがあったらうちにきなよ!」
なんてやさしい店員だ!
店を出てパークに向かった。
そしてそのストリートにさしかかると、ものすごい通りが左側のチャイナタウンに延びていた。
完全にスラム街と化した通りの道沿いに並ぶ家は、窓ガラスが割られ、ビニールが貼られており、あちこちにグラフィティが描かれている。
通りには、巨大な買い物カゴに、どっかから拾ってきたいろんなものを入れて歩く乞食や、明らかになにか違法な薬を投与していらっしゃる方たちがうろうろしている。
これはあかん!
そしてなにより臭い!
通りが臭いってどういうことやねん!
よっぽどだ!
足早にパークに向かった。
早く歩くのには理由がある。
運が悪いと背中にナイフを突きつけられて、金品を強奪されることがあるからだ。
とにかく目的地まで一直線。
ようやくパークに着いた。
まずパークの中で滑っているスケーターの数に驚いた。
10人やそこらじゃない。
30人以上滑っている。
学校の1クラス分かよっ!
パークはいろんなものが全部コンクリートでできている、スケーターにはたまらない場所だった。
そして、それ以上にその一人ひとりのレベルの高さに驚いた。
日本でもトップクラスの人がビデオでやっているようなトリックを、さらりとやっている。
そんなトリックを見せられるたびに、
「きゃ~~~っ!!!」
と、KAT-TUNファンの女の子が亀梨君を応援するかのごとく声をあげてしまった。
楽しい!
時間を忘れて滑った。
かなりの時間が経っていたが、外の明るさからみて5時くらいだと思って腕時計を見た。
腕時計は9時を指していた。
マジかよ!買った時計がもう壊れている!
信じられん!
...しょうがない。
とりあえず帰ろう。
帰る途中、また例のストリートを通っていると、古着屋さんも決して買い取らないだろう、もはや原型がわからないくらいのヴィンテージ物の服を着ていらっしゃる男性に、
「Hey!」
と声をかけられた。
ビクッとして彼をみると、口から泡を吹きながら何かを持って何かを言っている。
どうやら「これを買わないか?」と言っているようだ。
みずしらずの人に物を売ってくれるなんて、なんて優しい人だ!
非常にありがたい!
ありがたいが、今回は遠慮しておこう!
「No thank you!」
と言って小走りで逃げた。
すると後ろから大きい声で、
「Hey!!!」
と叫んできた。
「これはかなりヤバいぞ~!」と独り言をいいながら、ふな虫のようにカサカサと逃げた。
スラム街こわっ!!!
なんとか普通の通りに出た。
そういえば本当は今何時なんだろうと思い、建物の中に掛けられている時計を見た。
9時10分
!!!
腕時計が壊れていたわけじゃなく、本当に今夜中の9時過ぎなんだ!
こんなに外は明るいのに!
そして10時頃、ようやく辺りが暗くなり始めた。
この国は不思議だ。