UAE国のUAE人はほぼ全員イスラム教徒ということで、UAE国はイスラム色の強い国だと思われますが、
実は人口の80%が外国人なので、さまざまな宗教施設があります。
キリスト教会、ヒンズー寺院、シーク教寺院はもちろん、実は仏教寺院やシナゴーグなんかもあるそうです。
さて、この度、アブダビのシル バニ ヤス島東部にある非常に古い教会の遺跡が再オープンした様です。
建造&利用されていた時代は7~8世紀。いまから約1400年前。
すでにUAE国のエリアにはイスラムが広まっていた頃で、その時期にこの修道院が存在したのが興味深い。
シルバニヤス島といえば、
国で最大級の野生動植物保存エリア(並びにアナンタラの高級リゾートがあるところ)として有名。
首都アブダビから約170キロ先。
このエリアは野生動物保護区であるだけでなく、
国内で唯一キリスト教会修道院の遺跡が発見されている場所です。
修道院遺跡の空中写真↓The National
とっても分かりやすいザ ナショナル作成の遺跡動画のリンク(英語) ↓
下は動画からとった写真です ↓
この修道院遺跡が発見されたのは1992年。
UAE建国の父と呼ばれる初代大統領 シェイク ザイドのはたらきかけにより
以後保存・研究が行われ、現在までに非公式な形で公開されることもあったそうですが、
この度本格的に一般公開が始まりました。
ちなみに、ここで発見された十字架たちはルーブルアブダビに展示されているそう。
The Nationalの写真↓
ザ ナショナル誌いわく、
この修道院は7世紀はじめに30名ほどのキリスト教ネストリウス派の僧の共同体によって建立され、
約150年ほど利用されてきたと考えられているそうです。
ここには、僧の住居、調理や食事をするキッチン、そして教会、墓所などがあり、祈りの時間を知らせる鐘の塔と思われるものもあり。
僧はパンを焼き、食料供給源となる牛、羊、ヤギを育て、海が近いために釣りもおこなっていたといいます。
150年の間には東と西を行き交っていた交易商人や旅行者の立ち寄り場所ともなっていた、とは素敵です。
この教会の存在は、当時この地域に広まっていたイスラム社会とキリスト教共同体が共存し、平和に日常を送っていたことを示します。
とはいえ、徐々にイスラム教に改宗していったものや、この共同体のルールに従わなくなっていったものがでてきたりして、
ゆっくりと周りのイスラム社会に同化していき、修道院は使われなくなったといわれている様です。
このコミュニティーが暴力的に周りのイスラム社会と争っていた証拠はないとのこと。
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UAE国でキリスト教会の遺跡、というのはなんとも新鮮。
<シル バニ ヤス アイランド>
アブダビから約170キロ離れており、最寄の本土の都市はジャベル ダンナ(Jabel Dhanna)地域で島からの距離は9キロ。
シルバニヤス島に行く方は、Jabel Dhannaからフェリーで毎日運行中20分でアクセス可能。
遺跡に行くには、島到着後、更に15-20分ほど公共バスに乗ります。
島の大きさは長さ17.5キロx幅9キロ で自然の島としてはUAE国最大。
動植物の保護区で、アラビアン オリックス、ガゼル、キリン、チーター、鳥類など 動物のみながらず、
豊富な植物もみることができます。
ここで有名なホテルといえば、なんといってもアナンタラのリゾート。
アナンタラのホテルが3つ、下記の様に島に君臨 ↓
ホテルはきれいだしアクティビティも豊富だし、なにより保護区を見れるのがいい。
UAEに来られるのが2回目以上なら、ぜひ一度は訪れていただきたいところです
TANI