パリ五輪開催中だ。近年オリンピックに出場する性的少数者の人数が増えている。

 

2021.07.23のhuffingtonpostの記事によると、東京2020で旗手を務めた選手が6人、参加アスリート数は186人で過去最高だという。

 

前回初めてトランス女性アスリートが参加し、今回複数種目にエントリーしている。

 

しかし、トランス女性アスリートがシス女性アスリートに対して勝利すると、問題視するかのようなタイトルを付けて報じる記事がありSNS界隈でざわつく。

 

きちんとルールに則って出場しているにもかかわらず問題であるかのように報じる態度に「またか」という気持ちにさせられる。

 

記者はどれくらい性に関して人権意識をもっているのだろうか。

 

モヤモヤした気持ちを整理してくれた記事があった。

 

先月参加した「日本スポーツとジェンダー学会」の理事長のインタビュー記事である。

 

以下引用

 世界選手権やワールドカップは、世界で一番は誰かを決める場所ですが、オリパラは、人々が異なる意見を持ち寄り、ともに考えながら、社会の未来を作ろうというムーブメントの一部です。そしてオリンピック憲章は「いかなる種類の差別も受けることなく」と、明確に定めています。​トランスジェンダー選手の出場に異論はあるかもしれません。しかし、その異論が、差別や偏見を助長するようなものになることは許されません。大会が差別を否定している以上、すべての人を迎え入れて、どういうルールであればお互いが公平と考えられるかを、一緒にチャレンジしていく場所のはずなのです。​ですから、オリンピック・パラリンピックでは、ルールで定められた範囲であれば、排除されることがあっては絶対にいけないのです。​

 

 

 

 

昨年、新潟県が「性の多様性等に係る県民意識調査」を行った。身近な性的マイノリティの有無に関する質問で「いる」と回答した割合は10.1%だった。

 

オリンピックがこういう多様な人々の存在を知らせてくれることに大きな意味があるのだけれど、県内ではまだまだ存在さえ意識できない人が圧倒的である。

 

日頃、ローカル紙でもマイノリティに関する記事を目にするが、オリンピック開催中の今こそ、きちんとした科学的エビデンスやオリンピックの理念に引き寄せた記事があっても良いと思うのだがどうだろうか。