世の中にはプッシュギフトというものがあることを知ったのは、1人めを産んでから程なくのこと。
手堅く電化製品などを買ってもらう人もいれば、ブランドのバッグや宝飾品をおねだりする人もいるらしい。
私の中で子供を産むことは自分自身の希望でもあったので、産んで何かを買ってもらうなんて想像したこともなかったのですが、旦那さんが自発的に提案してくれることなのであれば、奥様は幸せな方だなと思いました。
うちのように収入差がある夫婦(妻>>夫)の場合でも、普段はあまりそれを気にしないで暮らしていますが、それが如実に浮き彫りになるのがこういう機会だと思います。
実は私は婚約指輪を貰っていません。
というと夫に甲斐性がないようで語弊がありますが、当時、夫は同年代平均(ゼクシィ調べ)くらいの予算をきちんと提示してくれました。
ただ、私の同職種(内情は様々ですが、一般的には高給取りと言われる職種です)の平均予算と比べると、うーん…というところがあり、私の欲しいグレードのダイヤは、その予算では買えませんでした。
私と夫は長すぎた春をなんとか超えて結婚しており、その間に私は同期や友人たちの、それはそれは大粒のエンゲージリングを見てきたので、私の中での基準が上がってしまっていました。
普段はブランドも宝飾品も興味がないし、千円のバッグで繁華街を闊歩できるタイプの人間なのに滑稽なのですが、婚約指輪にはやはり私なりの夢があったのです。
私の人間の小ささが露呈するエピソードですが、そのときの身の丈に合わせてダイヤを買ってもらおうという気にはなれませんでした。
小さなダイヤでも数十万はして、決して安くないからです。彼の大切なお金を使うのに、すぐつけなくなるとしたら、もったいないと思いました。
同じお金があれば時計などはとても良いものが買えます。でも、私は指輪に拘りたかったのです。
おばあちゃんになってもつけられるような指輪が欲しいというのが当時の私の希望でした。
宝飾品が大好きな祖母が「小さな宝石は歳をとってから出番がないのよ」とぼやくのを子供の頃から聞いており、できれば太くなったおばあちゃんの指でも見劣りしないような一生ものの指輪が欲しかったのです。
宝石の卸店などに行けば違ったのでしょうが、普段興味がないだけにそういった知恵もなく、初めからカルティエやティファニーを回ってしまったのも悪かったです。
当時は、いかにも!な立て爪の指輪に憧れていましたが、すごく邪魔だからしなくなるよという声も聞いたりして。
そんなこんなで、宝飾品の素人として、予算に限りがある以上、指輪についてはリサーチが必要だと思いました。
どんな指輪が欲しいのか、どんな指輪ならおばあちゃんになってもつけられるかよくよく考えておくので、スイートテンダイヤモンドを買ってくれるときに婚約指輪の分も一緒にお願いします、と夫にお願いしたのがもう5年ほど前のことになります。
彼は、プライドを傷つけられただろうに、快く返事をしてくれました。
そのお願いに、2人分のプッシュギフトも上乗せしてね、私頑張ったよね、とかるーく頼んだのが先日のこと。
5年前は可愛く控えめにお願いしていた彼女も、子供2人産むと強気で図々しいおばさんになるのでしょうか(←大きいダイヤが欲しいからスイートテンと一緒に買ってと言った時点で図々しい)。
お、おうという感じで返事した夫ですが、プッシュギフト自体を知らず、Googleで調べていました笑。
まあそんなもんですよね。妻の出産に何かを贈るという発想自体がない夫です。
大学の同期には、1人産むごとにバーキン1個買ってもらえるという猛者もいますが…。
そういう女性が羨ましくないといったらウソになります。
ただ、夫がいくらの予算を組んでくれているのか謎ですが(全て夫のポケットマネーからの予定)、これが私の身の丈に合った幸せということなのだと思います。
正直、自分で買おうと思えば買えるんですよ。
でも、夫に買って欲しいわけです。
正直いうと、マンションも車も子供の教育費も全部私のお給料から出ているんだから、結婚10年目の記念品くらいは奮発してちょうだいよ、貯金できるでしょう?という気持ちもありますけどね。
スイートテンの頃には上の子が8歳、下の子が5歳になります。
子供たちと一緒にお店に行って、「お父さんが買ってくれたのよ」という会話をすることが今の私の密かな夢なのです。
清貧なお話でなくてすみません。
俗物な妻のエピソードでした。