我が家には、歴代4匹の「たらちゃん」という名前の猫がいました。

3代目まではシャム猫で、4代目は雑種。

 たらちゃん4世は、私が拾ってきました。
結婚して一年経った頃の8月。やっぱり仕事の帰りでした。
道端を元気に走り植え込みにジャンプして隠れる子猫たち。
おやおや最後の1匹はジャンプして植え込みの中に入れない。

このままだと車にひかれちゃうよ~、と思って自転車を止めて
そばに寄ってみると、やせっぽちで顔は鼻水と目ヤニでくしゃくしゃ・・
あ~またこんな哀れな猫を見てしまった・・・
このままおいて帰ったらだったら、この子はすぐに死んでしまう。 
そう思い、家に連れて帰った。

「この子、元気になったら元のところに返すからしばらくうちに置いてもいい?」
夫は、「猫なんかひっろて来るなよ~ このマンション動物は飼えないんだぞ~」

すぐにマンションの前の動物病院に連れて行き看てもらい、
予防注射もしてもらいました。

しばらくするとご飯もよく食べるようになり、走り回れるようになって、
これならもう、元のところに返してもいいと思い、
夫に「元気になったから返してくるよ。」というと、
「可愛いから飼おうよ」ですって??
今まで犬しか飼ったことがなかった夫は、初めて猫の魅力に
目覚めたようです。

名前はいろいろ考えたけど、何故かまた、「たらちゃん」
とってもやんちゃな男の子。

私が仕事から帰ってくる時間がわかるようで、玄関を開けると
座って待っていていくれた。
不思議なことに、いつもより早いときは、玄関にはいない。
どこにいるのかと思ったら、押し入れの中に丸くなってい寝ていた。

 そんなたらちゃんの様子がおかしくなったのは、拾ってきて3か月ほどしたころだった。
勢いよくボールを追いかけて走り回っていたかと思ったら、
急にフラフラ~としてパタンと倒れてしますのだ。
びっくりして病院で診てもらうと、どうやら心臓が悪いらしい。
それから薬を飲ませるようになった。

次の年の4月に私たちはマンションを買って引っ越した。
新しいマンションは、私の母も一緒に住むことになり、
実家の2匹のメスねこ、クロとチャコも一緒になった。
(クロは前のブログでも書いたように、引っ越したその日にいなくなってしまった。)

しばらくは元気にしていたが、どうも食欲がなく、痩せていくたらちゃん。
病院で検査したら、腎臓が悪いといわれた。心臓の薬が負担となったのかもしれない。
それでもやんちゃで、ある日姿が見えないと思ったら、
寝室の出窓から自転車置き場の屋根にジャンプして、失敗したようで
うずくまっていたのを、知り合いのおばさんが、抱いて連れてきてくれた。
やはり普通の猫のようには、運動は出来ないみたいだ。

10月。12月に出産を控えていた私は、産休に入りずっとそばにいてやることができた。
11月。寒いと思い、小さな電気座布団を買って、その上に寝かしてやるが、
わざわざ寒い窓辺に行ってうずくまっている。

 きっと苦しかっただろうに、苦しそうに鳴くようなことはなかった。
どんなに弱っていても、よろよろとトイレに行っていたのに、
ある日、途中でパタンと倒れて動けなくなってしまった。
もういいよ。えらかったね。頑張ったね。と夫が抱いてあげると、
その腕の中で、ぐっと体を伸ばし苦しそうに大きな呼吸を一つして旅立ちました。
一年三か月の短い間ですが、たくさんの思い出を残してくれました。

それから12月、息子が生まれました。
夫は、「俺の子育ての予行練習をさせるために、たらちゃんは来てくれたんだな」と
しみじみ言っていました。

「出窓から落ちたのは、子どもが落ちる危険があるよと、身を以て教えてくれたんだ。」
といって、息子が出窓によじ登れないようベットから布団にしたり・・・

たらちゃんは、息子を今でも守ってくれているような気がします。
いえ、もしかしたらたらちゃんの生まれ変わり?だったりして。

小さいころは、自由気ままで猫のような子でしたから・・・