あの日。
14:46分。
ボクは、都内の某喫茶店、その片隅でノートPCをカタカタ打っていました。
日常です。
日常であることを意識さえせず、ルーチン・ワークをこなしていました。
突然の大きな揺れ。
「でかいぞ!」
だれかの叫び。
棚に並べられていたコーヒー豆の袋やカップが次々と床に落ちるなか、お客さんのほとんどが出入口に殺到するという騒ぎとなりました。
帰宅途中に見た、涙をボロボロ流しながら歩いていた妊婦さんの顔が、いまでも頭から離れません。
本当に怖かったのでしょう。
お腹の子を守れないかもしれない。たとえ一瞬でもその考えが脳裏をよぎったのだとしたら……。
その後、幾度もの余震。
部屋に散乱した本。
TVに流れ続ける津波の映像。
そして原発事故。
被災地の方々の苦しみはいかばかりか。
なんの被害もうけていないボクには、想像もできません。
もう5年です。
ですが、まだまだ5年です。
この5年間、「生きる意味」を問われ続けてきたような気がします。
生きるための優先順位は?
仕事?
お金?
家族?
安全?
安心?
充実感?
達成感?
etc
こたえは十人十色。
個々人によって優先順位は異なりますが、とにもかくにも最低限度の心と防災の準備だけはしておきたいと思います。
もうすぐ春です。
冬をのり越えた木々が花をつけるのは自然の理。
寒さに耐え抜いてきた種が芽吹くのも自然の理。
もうすぐ桜の季節です。
被災地に咲く笑顔が、もっともっと増えますように。

