羞恥心物語☆your mind4☆ | 鶴の神Blog

羞恥心物語☆your mind4☆

急ピッチ!!


そろそろあっちへの


一次帰省の準備もしなきゃ


いけないのにさぁ~(ノω・、)




物語☆your mind4☆


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目が覚めると、そこは知らない景色に


変わっていた。





おでこに乗せられたひんやりとした


感覚に驚くと同時に

掛けられた白い布団。



俺はベッドに寝かされていた。










「…気付きました?」







ドアが開く音がし、白いワンピースの

女性がティーセットを持って入ってきた。



微かに「お嬢様、私がやりますから…」


という声がしたかと思うと

その人は「いいえ、大丈夫」と


扉をそっと閉めた。








「あの…すいません、俺」



体を起こしてベッドから出ようとすると


慌てて止めに入るその人。






「まだ休んでてください。


ここは私の家です。

熱中症になってるみたいなので


もう少し横になってて下さい」











…ということは、








俺は知らない人のお墓の前で

ルイと間違えてその人を抱きしめて


そのまま太陽に負けてパタリッ。


心優しいその方の計らいで

お家まで運んでいただき



看病まで任せてしまって…










そして今に至る訳ですかナ(・∀・)?















「た、たた大変様々な


無礼な真似を致しましたこと

心より深くお詫び申し上げますると共に


何とぞこのわたくしめをお許し頂きたく…」




「そんな…


私こそ勝手な考えで

お家にまでお連れしてしまって


ごめんなさい。」





お互いに深く頭を下げて


俺が顔を上げるとその人は

まだ頭を下げていて。






その光景に俺の中の緊張の糸が


緩んでしまい、思わずフッと

笑ってしまった。












「すいません、


なんだか可笑しくて」




俺を見て今まで固かった表情も


少し和らいだようだった。
















窓から見える景色は


すぐ近くに海があり

周りにビルや民家は1つも見えない。




綺麗な青空が広がり


窓を開けると今にも

気持ちい風が吹きこんできそうな




海好きの俺にはたまらない景色だった。









そういえば、俺が寝ている


ベッドに比べて部屋が広くて

まるでどこかのホテルのよう。


家って言うより「お屋敷」だ。



さっきも「お嬢様」って単語が聞こえてきたし








この人の両親は…。






















「じゃあ、私はこれで」



背中を向けるその人に俺は


「ちょっと、待って」と呼びとめる。












「名前…聞いてもいいですか?」






振り返り、不思議そうな顔で俺を見て


ゆっくり頷いてくれた。
































「莢乃(さやの)と言います」















莢乃…さん。
























あの場所でみたルイが

幻だった現実が突きつけられる。






それでも、莢乃さんは


容姿も仕草も全部

ルイとそっくりで






俺が間違えてしまうくらいに


もし笑いかけられたら











また夢と現実の区別が

つかなくなって




しまうかもしれないと思っていた。