羞恥心物語☆your mind3☆ | 鶴の神Blog

羞恥心物語☆your mind3☆

夏休み中になんとか


したいという思いが…♪


ヤバい、あと何日?


1日数話完成させよっ(^O^)






物語☆your mind3☆



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「はい…っ?」



「あ、あの。私の両親のお墓に


何かご用でしょうか…」











白いワンピースに花束を抱え


日傘を差すその人の姿を見て







俺は一瞬目を疑った。








なびく黒髪、パッチリとした目元


持っていた向日葵を落としそうになり

慌てて体のバランスを整える。




それでも心臓のドキドキが


とまることは無くて





「そんなはずが…」と心の中で


何度も自分に言い聞かせて。







この一年で、ずっと想い続けていた


せいかついに幻まで

見始めたんじゃないかとまで


考えてしまう。












それは紛れもなくルイそのもので…。










幻と思っていた人影は


いつの間にか目の前まで来ていた。











「あの…どこか具合でも?」





座り込んでしまった俺に


白く透き通るような手が差し伸べられた。


















『雄輔…ありがとね』







いつかのルイの言葉が


俺の中にこだまする。




何度も1人させて何度も突き放して


その度に、寂しさで涙を流し

それでも広い心で待っていてくれて




好き勝手やってた俺のこと


いつも笑顔で迎え入れてくれたのに




君がいなくなると知った時


それが運命(さだめ)だと分かっていても

心のどこかでは



受け止めきれずに、悩み続けていた。











もっともっと怖いのは


君の方だったのに。













『私、あとどれくらい


生きられるかな』






涙ながらにそう訴える表情が


未だに忘れられなくて。
















一緒に笑い、一緒に涙を


共にした大切な人に

伝えたかったことは


まだたくさんある。




知ってる…?今日は


俺たちの出会った日でもあって

婚約した日でもあって









君が…遠く離れた日でもあるんだ。





















「ルイッ…!!」









俺は差し伸べられた手を引き寄せ


そのまま胸に収めた。



気持が爆発して


ギュっと抱きしめたその温もりが

とても懐かしくて









1年ぶりの愛しさにただ身を任せる。








「ルイ…会いたかった。


会いたかったよ…」






















目尻から涙が零れ






震える声でそう呟いた。