もう2度と、住んでいる区の病院の門をくぐれなくしてしまった(いわゆる出禁か！)私は、週２～３回のペースで横浜駅近くの、M先生のクリニックに通い始めた。

父の治療に付き添い、18年間のウォーミングアップののち、現役選手になってしまい、私とは合わせて20年以上の付き合いだ。

M先生は北海道の札幌医科大学出身で、キャリアの締めくくりは、東京女子医科大学の教授という、輝かしい経歴の持ち主。

大学病院で手術をし、放射線をかけても、一向に良くならないガン患者が多い現状から、60才で定年退職してから、副作用や後遺症の少ない治療法を編み出した。

それが先生が開発した”マイクロ波照射療法“だ。

ガンの場所を特定するは、ガン検診用に応用した、共鳴反応検査(Oｰリングテスト)だ。道具は金属の棒と先生の指だけ。

｢私の手は、PET検査やMRIなどよりも体に負担が掛からず、正確だ｣

と、ニコニコ話された。

20年以上前の初診の時、相談だけと思ったら、マジックのような治療まで進み驚いた！

そして色々話していたら、北海道出身は知っていたが、函館の人で、しかも高校の同窓生と分かり、ビックリ！！

先生は旧制中学で、私は男女共学になってからの入学なので、時代に開きはあるものの、大先輩には変わりない。

この偶然のご縁に私は、父の病気は治る！と確信した。

それから父は、地元の病院の薬や注射を受けつつ、2週間に1度、函館から横浜まで通い、マイクロ波で10年を掛かけて治した。

この先生に付いて行けば間違いない！と思い込み、直ぐの手術は見送った。

お陰で、仕事に穴を開ける事はなく、川崎のコミュニティ・ラジオの取材や、毎週土曜日の、2時間番組のパーソナリティを続行した。

M先生 ⑤