今日もご覧いただきありがとうございます
先週からの雪のおかげで・・というか
毎日多くの時間を本を読んで過ごしています
原田マハさんの「永遠(とわ)をさがしに」を読みました
この方、すごいストーリーテラー。どうしてこんなにすらすらと言葉が紡ぎだされこんなに物語が組み立てられるんだろうと何回も思いました。
次に読む本を探して本屋さんの本棚を見ていた時のこと。原田さんのエッセイとかもありましたが、やっぱり美術の本が読みたい。
美術関係の本はキュレーターをされてた原田さんですから当然のこと、面白さは半端じゃありませんからね。
パラパラとページをめくって次の本を探していたら、文字の中にチェロというのが見えました。
え 絵画じゃなくて今度は音楽とちょっとびっくり。
「永遠(とわ)をさがしに」
主人公の和音は16歳の女の子。父親は小澤征爾以来二人目の日本人音楽監督としてボストン交響楽団に着任しタングルウッドに単身赴きます。
母は何年か前に和音を置いて家を出ました。そんな中、突然父と結婚したという女・真弓がやってきて・・・
反発しながらも徐々に心を開いていく和音。そしてビックリの事実がわかってくる、という話。
音楽でどうにかなろうと思ったら小さい時から始めていないといけないし、そうなると家庭環境の影響も大きいわけで、私は小さい時からヴァイオリンを習っていたけど趣味の域を出たことはないし。。。
それでも大人になってからは小さな弦楽団にはいって「まさに音を楽しむ」生活をしてきました。やっぱり音楽はいつまでたっても心の友です。
娘はヴァイオリン、息子はチェロを小さい時から習って、息子はいい年になった今でも弾いています。そして音楽教育の難しさや続けることの大変さは我が家も経験してきましたから、この原田さんが描いている世界もよく理解できました。
家を出ていった母は実は和音を捨てたわけではなく病気だったことが判明します。もうすでに体も動かせず寝たきりに。その母にバッハのG線上のアリアを聞かせるために再びチェロを弾き始める和音。病院内のコンサートという形で母にチェロを聞いてもらおうという計画が進みます。
そこまで読んで私の母のことを思い出しました。認知症が進んでもう人の顔も分からなくなりやせ細って残りいくばくの命という時。これが最後かと病院を訪れた時、息子も来ていて、病室に入ったら息子がおばあちゃんの耳元でiPodでベートーヴェンの第九の合唱を聞かせていました。するともう何も見えないであろう眼をパッと開け、かすかにほほの筋肉が動いたのです。山本直純さんの指揮で第九を歌った一万人のコンサートを思い出してるのかしらね・・・
確かに音楽は小さな奇跡を起こすことがありますよね。
和音のもとに新しい母がやってくるのですが、この母が型破りで豪快でなんとも素敵な人物。
和音と義理の母との会話が面白すぎて何度も笑いました
原田さんの絵画にまつわる本はたくさん読みましたが、音楽関係は初めてでした。そして改めて原田さんってすごい方だなぁ‥って思いました。音楽はなかなか特殊な世界なのに、実母との奇跡的な再会を絡めてほんとに音楽が流れるように話が流れていくのがすごいと思いました。
パブロ・カザルスが鳥の歌を国連の日に演奏した放映を私もリアルタイムで見た人間ですから、とても感動しました。
興奮して長くなりました
今日も最後まで読んでくださってありがとうございました