気まぐれ気のまま映画日記

気まぐれ気のまま映画日記

暇さえあれば映画!
ジャンル問わず何でも観ます

製作年:2026年
製作国:アメリカ
日本公開:2026年5月1日

監督:デヴィッド・フランケル

出演:メリル・ストリープアン・ハサウェイエミリー・ブラントスタンリー・トゥッチ

 

 

トップファッション誌「ランウェイ」に存続の危機が訪れ、編集長のミランダ(メリル・ストリープ)のもとに、報道記者になった元アシスタントのアンディ(アン・ハサウェイ)が特集記事のエディターとして戻ってくる。一方でもう一人のアシスタントだったエミリー(エミリー・ブラント)は、ラグジュアリーブランドの幹部になっていた。
『プラダを着た悪魔』の20年ぶりとなる続編で、舞台となるトップファッション誌の危機にかつてのメンバーが再集結する物語を描いたドラマ。ファッション業界のアイコンでもある編集長のもとへ、報道記者となった元アシスタントの主人公が戻り、雑誌の存続のために再び共闘する。出演はメリル・ストリープやアン・ハサウェイ、エミリー・ブラント、スタンリー・トゥッチなどが続投するほか、ケネス・ブラナーやジャスティン・セローなどが共演。監督を前作に引き続きデヴィッド・フランケルが務める。

前作から20年。トップファッション誌「ランウェイ」の存続危機を前に、かつてのメンバーが再集結するというお話。前作を鑑賞は必須です。アンディ、エミリー、ナイジェル、ミランダ。前作で彼らの関係性を知っているからこそ、今作の変化により驚きと感動がありました。

まず驚かされるのは、メリル・ストリープ、アン・ハサウェイ、エミリー・ブラント、スタンリー・トゥッチの4人が、20年という時間をほとんど感じさせないほど老けていないこと!出演者の見た目は全然変わっていませんが、彼らが置かれている時代は大きく変わっていました。紙の雑誌からスマホへ、SNSとAIが情報を支配する時代へ。ファッション業界も大きく変化し、「ランウェイ」が直面する危機は、現実のメディア業界の縮図のように感じました。

特に印象的だったのは、ミランダの変化。前作ではハラスメント全開の“悪魔”として君臨していた彼女が、今作ではコンプライアンスを意識し、部下の意見に耳を傾ける姿も見せる。ミランダファンとしては毒気が薄れたというか、丸くなりすぎていて、寂しさを感じてしまいました。しかし、時代が変わればリーダー像も変わる。ミランダなりの生き残り方が描かれていて新鮮でした。

そしてアンディとエミリーの立ち位置も大きく変わっていました。前作ではミランダの無茶ぶりに振り回される奴隷のような存在でしたが、今作では自分の意志で仕事を選び、プロとしてミランダと向き合う姿がとても素敵。特にアンディが報道記者として戻ってくる展開は、前作のラストから繋がっていて良い。

 

前作よりも“働くことの意味”が強く描かれている本作。 ワンチームで困難を乗り越えること 。自分の価値を自分で決めること 。強さも弱さも、成功も失敗も自分を形づくる大切な要素であること。こうしたメッセージが散りばめられていて、観終わったあとに前向きな気持ちになりました

 

「人間は完璧じゃない」

「自分自身がアイコン」

 

 この言葉は20年という時間を経たからこそ響くセリフであり、キャラクターたちの成長と重なる瞬間でもありました。

 

ただし、前作のような毒々しさや刺々しさが薄れていたり、華やかさも弱め、ストーリーが綺麗にまとまりすぎていて刺激が少なくなってしまっていたのは個人的には物足りなく感じてしまいました。それでも、ミランダ、アンディ、エミリー、ナイジェルの4人を20年ぶりに見れただけで大満足!20年という時間を経たキャラクターたちの“今”を丁寧に描いた、優しくて前向きな続編でした。さらに世界的大スターが本人役で登場するサプライズもあり!

 

 

炭水化物はシェアしたらカロリーゼロよね

 

 
 

この作品の評価・・・・★★★★☆(満点は★5)

製作年:2025年
製作国:アメリカ
日本公開:2025年9月26日

監督:スティーヴン・ソダーバーグ

出演:ケイト・ブランシェットマイケル・ファスベンダーマリサ・アベラピアース・ブロスナン

 

 

 
イギリスの国家サイバーセキュリティーセンター (NCSC)所属のエリート諜報員ジョージ(マイケル・ファスベンダー)は、機密任務「ブラックバッグ」に携わる。彼の任務は、不正プログラム・セヴェルスを盗んだ組織内の裏切り者を突き止めることだった。容疑者として、同じくスパイのフレディ(トム・バーク)、ジミー(レゲ=ジャン・ペイジ)、情報分析官のクラリサ(マリサ・アベラ)、局内カウンセラーのゾーイ(ナオミ・ハリス)、そしてジョージの妻でもあるキャスリン(ケイト・ブランシェット)が浮かび上がる。
最重要機密をめぐり、イギリスのエリート諜報員と二重スパイが戦いを繰り広げるスパイサスペンス。ある機密任務に就いた諜報員が、自身の妻も含めた5名の容疑者との頭脳戦に挑む。監督を手掛けるのは『オーシャンズ』シリーズなどのスティーヴン・ソダーバーグ。『TAR/ター』などのケイト・ブランシェット、『ザ・キラー』などのマイケル・ファスベンダーのほか、トム・バーク、ナオミ・ハリス、ピアース・ブロスナンらがキャストに名を連ねている。

最重要機密をめぐり、イギリスのエリート諜報員と二重スパイが対峙するそんな物語。スティーヴン・ソダーバーグ監督、ケイト・ブランシェット、マイケル・ファスベンダー、ピアース・ブロスナンという豪華キャストの組み合わせから、「オーシャンズ」シリーズのようなスタイリッシュなソダーバーグ作品”を期待しましたが、実際には、アクションシーンは控えめな会話劇中心の静かな心理戦が描かれた作品でした。

物語の中心となるのは、ジョージ夫妻の家に容疑者4人が集まり、6人で真相を探る会話劇。諜報員、心理カウンセラー、分析官など、それぞれがその道のプロであるはずなのに、会話の切れ味や駆け引きの緊張感が予想していたほど弱く、心理戦の深みがもう一歩足りない印象でした。設定だけ見れば最も盛り上がるべき場面なのに、淡々と進んでしまう。それに加えてカタカナの用語が飛び交っていて途中で混乱してしまいました。

映画全体のテンポはかなりゆっくりで、アクションがほぼ無いこと自体は作品の方向性として仕方ないことだけど、会話劇に振り切るのであれば、もっと心理的な追い詰め方が欲しかったところ。また、キャラクターの背景描写が薄く、容疑者たちの疑惑が細かく伝わってこないため、誰が裏切り者なのかというサスペンスの面白さが活きていないように感じました。ソダーバーグ作品に期待される『オーシャンズ』シリーズのような華やかさを求めると、どうしても物足りなさが残ります。

 

静かに進む会話の中に、登場人物たちの価値観や矛盾が出てくるの展開はなんとなく伝わりましたが、「結局何がどうだった?」と観終わったあとに思ってしまう…。全体として、設定とキャストの豪華さに対して演出が控えめすぎるため、期待値とのギャップが大きく感じられる一本でした。もう少し心理戦の駆け引きの盛り上がり、そしてアクションシーンがあれば、より緊張感のあるスパイスリラーとして成立したのではないかと思います。

 

この作品の評価・・・・★★★☆☆(満点は★5)

製作年:2024年
製作国:日本
日本公開:2024年9月27日

監督:萩原健太郎

出演:藤ヶ谷太輔奈緒倉悠貴桜庭ななみ阿南健治、宮崎美子西田尚美、前田美波里

30代の架(藤ヶ谷太輔)は、長年付き合っていた恋人と別れたことをきっかけにマッチングアプリで婚活を始め、真実(奈緒)という女性と出会う。真実と1年間交際しても結婚に踏み切れずにいた架だったが、真実からストーカーの存在を告白され、その直後に恐怖におびえた声で助けを求める着信を受ける。真実を守らなければならないと婚約するが、彼女は突然姿を消してしまい、真実の行方を追う架は、彼女の両親や友人、過去の恋人などのもとを訪ねるうちに、真実の驚くべき過去とうそを知る。

辻村深月の小説「傲慢と善良」を実写化したミステリーロマンス。婚約者が失踪し、その行方を追う男性が、彼女の思わぬ過去とうそを知る。監督を務めるのは『ブルーピリオド』などの萩原健太郎。『そして僕は途方に暮れる』などの藤ヶ谷太輔、『先生の白い嘘』などの奈緒、『OUT』などの倉悠貴のほか、桜庭ななみ、阿南健治、宮崎美子、西田尚美、前田美波里らが出演する。

婚約者が突然失踪し、その行方を追う男性が、彼女の過去と嘘に触れていく恋愛ミステリー。ミステリー性強めを期待していましたが、実際はわりと普通の恋愛映画でした。婚約者の失踪の真相を追うというより、愛することの難しさや、人が抱える弱さを描いた内容。

主人公の架が婚約者の足跡を辿るほどに、愛し合っていたはずの2人の間にも、言えなかったことや見せられなかった弱さが積み重なっていたことが分かり、彼女の本性や抱えていた不安が少しずつ明らかになっていく。タイトルの「傲慢と善良」が、まさに物語全体を象徴していて、正直であることと嘘をつくこと、その境界線の曖昧さを感じました。自分自身も、相手のためと思いながら実は自分の価値観を押し付けてしまっている瞬間があるのではないかと考えさせられる場面もありました。

 

でも気になったのが女友達2人。あの二人の言動にはずっとイライラしました。善意のつもりで口を挟んでいるように見えて、実際には余計な一言が状況を悪化させている。あの二人が余計なことを言わなければ、架と真実は上手くいっていた気もするし、もっと違う未来があったのではないかと思わずにはいられない。架の周囲の人間、みんな性格悪すぎじゃない?でも悪意がないからこそ、そこにもまた“傲慢”が潜んでいるようにも感じました。

真実も真実で色々と言い訳して悲劇のヒロイン感出してるけど、さすがに架を振り回しすぎているように見えて中盤からは共感できませんでした。真実みたいな女性が実は一番イライラするかも。真実の心理が分かりづらい。なんでストーカーなんて言った?

ミステリーとしての緊張感は序盤だけで、後半は恋愛ドラマに寄りすぎてしまうため、思っていたより普通の恋愛映画に感じてしまったのは惜しいところ。もっとミステリー要素強めにしてくれたほうが良かった。真実の行方を最後まで見せない展開にしたほうが良かったかも。

 

それでも、物語を通して描かれている「自分が欲しいものを理解している人」と「分からないまま流されてしまう人」の対比が印象的で、男女の価値観の違いも含め、何を幸せと感じるかは人それぞれで、そのズレが恋愛の難しさを生むのだと改めて思いました。正しい恋愛、正しい結婚とは何だろうか…

 

まさに70点くらいの映画でした

 

この作品の評価……★★★☆☆(満点は★5)

製作年:2025年
製作国:日本
日本公開:2025年11月14日

監督:土井裕泰

出演:堺雅人井川遥坂元愛登、一色香澄、中村ゆり、でんでん、安藤玉恵、椿鬼奴、大森南朋

 

妻と離婚後に地元へ戻り、印刷会社に再就職して平穏に暮らす青砥健将(堺雅人)は、あるとき中学時代の初恋相手だった須藤葉子(井川遥)と再会する。彼女は夫との死別などつらい過去を抱えながらも、今はパートで生計を立てているという。互いに独り身となり、さまざまな人生経験を重ねてきた二人は、離れていた時間を取り戻すかのように過ごすうちに、再び惹(ひ)かれ合うようになっていく。

山本周五郎賞を受賞した朝倉かすみの恋愛小説を実写映画化。中学時代の初恋の相手同士である男女が年月を経て再会し、心を通わせていく。『花束みたいな恋をした』などの土井裕泰が監督、『ある男』などの向井康介が脚本を担当。主人公を『DESTINY 鎌倉ものがたり』などの堺雅人、彼の初恋相手を『水霊 ミズチ』などの井川遥、主人公の同級生を『ハゲタカ』シリーズなどの大森南朋が演じるほか、中村ゆり、でんでん、吉瀬美智子、坂元愛登、一色香澄らが出演する。

中学時代の初恋の相手同士である男女が年月を経て再会し、心を通わせていくストーリー。派手な展開はないものの、中年の男女の日々の生活の中で起きる恋心を淡々としつつ丁寧に描いた作品。人生で様々なことを抱え、乗り越えてきた大人同士だからこその感覚がリアルでした。

若い頃の恋愛には考えもしなかった介護、病気、老い、仕事の疲れ、家族との距離感。恋愛とは関係ないはずの問題が、いつの間にか恋愛にも影響してしまう…。恋愛とは日常の生活とニコイチなのだと考えさせられるストーリーでした。青砥と須藤。子どもの頃の関係の時にしか生まれない感性。そして大人になってからしか気が付かない感性。若い頃には分からなかった感情が年齢を重ねるほど沁みてくる感覚って観ていて面白い。“お前”呼びはちょっと気になった。でも色々と問題も起きるけど大人になるのも悪くないのかもしれない。きっと50代で観たらもっと心に刺さる気がします。リアルだけど、奇跡も感じる。人生の折り返し地点に差し掛かった人間が抱える孤独や不安、そしてそれでも誰かを想う気持ちの尊さ。観終わったあとに静かな余韻を感じる素敵な映画でした。

 

吉瀬美智子と結婚できて井川遥と付き合えるって、どれだけ徳を積めばいいのか…これが一番の奇跡。

 

この作品の評価……★★★★☆(満点は★5)

製作年:2025年
製作国:日本
日本公開:2025年9月26日

監督:山田篤宏

出演:阿部寛芦田愛菜藤原大祐長尾謙杜板倉俊之、浜野謙太、夏川結衣

 

 

 

大手ハウスメーカーの営業部長・山縣泰介(阿部寛)は、ある日突然女子大生殺人事件の犯人としてSNS上で名指しされる。彼は全く身に覚えのない事態に困惑するも、匿名の群衆が個人情報を特定して根拠の乏しい情報が独り歩きを始め、瞬く間に世間から追いかけ回され始める。無実を訴える泰介は、自分を陥れた真犯人を見つけようとする。

『六人の嘘つきな大学生』の原作などで知られる浅倉秋成の小説を実写映画化。ある日突然インターネット上で身に覚えのない殺人事件の犯人に仕立て上げられ、炎上状態に巻き込まれた男の悪夢を描く。監督は『AWAKE』などの山田篤宏、脚本は『護られなかった者たちへ』などの林民夫が担当。主人公を『ショウタイムセブン』などの阿部寛が演じ、『メタモルフォーゼの縁側』などの芦田愛菜、『追想ジャーニー』などの藤原大祐、『おいしくて泣くとき』などの長尾謙杜のほか、浜野謙太、夏川結衣らが出演する。

ある日突然、身に覚えのない殺人事件の犯人としてSNS上で断罪され、匿名の群衆によって人生を奪われていく男の姿を描いた本作。ネット社会の怖さを真正面から突きつけられるサスペンス。誤った情報が一瞬で拡散されて、本人の意思とは関係なく犯人に仕立てあげられる展開は現実社会でも起こり得ることでもあり恐ろしく感じました。主人公の山縣泰介が抱える“自分は周囲から恨まれず、むしろ好かれている人間のはずなのに、周囲からは真逆の人間と思われている”という恐怖。観ているこちらまでも考えさせられました。SNSの炎上がもたらす集団心理、匿名性が生む無責任さ、そして“正義”を主張する人間が加害者になり得るという構図は現代社会の縮図なのだと感じました。

ただし、作品全体のがコメディ寄りであるため、テーマの重さに対して緊張感があまり感じられず、泰介が追い詰められていく恐怖が軽く見えてしまう点はどうしても気になりました。泰介に起きる危機感が薄く見える場面や、炎上の広がり方がやや極端。SNSの暴走が加速するにつれて物語が駆け足のドタバタ気味になり、フィクション的に感じられる展開もあり、サスペンスとしてのリアリティが弱い…。テーマの鋭さが演出の軽さに埋もれてしまう印象も受けました。せっかく“誰にでも起こり得る恐怖”という面白い良いテーマを扱っているだけに、同じくSNSを扱った映画「search/サーチ」のような」深い恐怖や緊迫感が描かれていれば、良い感じの社会派サスペンスになっていたと思うので勿体ない。犯人の動機も弱いし、説明不足。

 

それでも、匿名で誹謗中傷を繰り返し、後になって勘違いだったと分かっても「自分は悪くない」と開き直るSNS民の姿にはイライラしたし、ネット社会の無責任さと残酷さを痛感させられました。主人公がどれだけ否定しても、SNS社会では“面白い”を優先して虚像を拡散し続ける。その構造がリアルで、観終わった後にじわじわと恐怖が残る作品ではありました。

 

この作品の評価……★★★☆☆(満点は★5)

製作年:2026年
製作国:日本
日本公開:2026年5月29日

監督:内田英治

出演:水上恒司、ユンホ、オム・ギジュン、福士蒼汰、ピエール瀧、ヒコロヒー、後藤剛範

 

 

 

暴走族のトップから新宿署の刑事となり、自分が生まれ育った歌舞伎町で起きる犯罪に目を光らせる相葉四郎(水上恒司)。ある日、国際指名手配犯の村田蓮司(福士蒼汰)らを追う韓国警察庁のエリート刑事チェ・シウ(ユンホ)が新宿署に派遣されてくるが、血の気が多くて腕っぷしの強い相葉はシウと気が合わず、一触即発の雰囲気に。そんな中、村田が歌舞伎町に潜伏しているとの情報が入り、相葉とシウはコンビを組んで捜査を進め、村田たちがヤクザとホストグループの抗争に関与していることをつかむ。

韓国映画『犯罪都市』シリーズを日本オリジナルのストーリーでユニバース化したアクション。新宿・歌舞伎町を舞台に、新宿署の新人刑事と韓国警察庁のエリート刑事がコンビを組み、歌舞伎町に潜伏した国際指名手配犯を追う。監督は『ナイトフラワー』などの内田英治。『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』などの水上恒司、ボーカルユニット「東方神起」のユンホ、『殺人漫画』などのオム・ギジュン、『楓』などの福士蒼汰らが出演する。

ジャパンプレミアに参加してきました。水上恒司、ユンホ(東方神起)、福士蒼汰、ピエール瀧、渋川清彦、ヒコロヒー、後藤剛範、内田英治監督が登壇。前から5列目の座席だったので、かなり近くで拝見することが出来ました。水上恒司も、ユンホも、福士蒼汰も、みんなスタイル良くて顔小さくてカッコええかった。

新宿アルタ前を実際に封鎖して撮影し、そこで本物の800万円の札束をばら撒いたという制作裏話をキャストから聞き、スケールに驚かされました。都心のど真ん中であれだけ大胆な撮影を実現してしまう内田英治監督の勢いと情熱が凄い。アクションシーンもスピード感があり、画面の迫力という点ではしっかり楽しめました。あの世界的人気芸人や、元人気アイドルグループのメンバーも出演しています!

相葉四郎とチェ・シウの凸凹コンビが巨大な敵に立ち向かっていく王道のアクションストーリー。2人の掛け合いには軽妙さがあり、緊張感の中に笑いを挟むような演出が多かったです。血飛沫が派手に飛び散る一方で、殴り合いの最中にコミカルな間を入れてくるなど、アクションとコメディを混ぜ合わせた作りになっていました。

 

ただ、その混ぜ方が中途半端に感じてしまったのが残念。アクション映画として観ると緊張感が途切れがちだし、コメディとして観ると笑いのキレが弱い。どちらの方向にも振り切れていないため、作品全体のトーンが定まりきらない印象を受けました。

設定面でも気になる点が幾つか。国際指名手配犯である村田のバックが相当強いという描写は理解できるものの、「何人殺しても罪に問われない」という表現は、さすがに無理があるでしょ。物語の緊張感を高めるためだとしても、現実味が無さ過ぎて緊張感に欠けました。

チャリンコチェイスのシーンも、舞台挨拶では“見どころのひとつ”と語られていましたが、実際にはリアリティよりもコメディ寄りの演出が優先されており、物語の流れの中で浮いてしまっている印象がありました。スピード感はあるものの、緊迫した追走劇とは感じられず。

また、議員二世が集まる謎のパーティの存在や、首相官邸の警備が驚くほど甘く描かれている点など、世界観の設定に対して疑問が残る部分も多く、作品のリアリティラインがどこにあるのか掴みにくいところがありました。政治や権力を扱う題材である以上、もう少し説得力のある描写が欲しかったところです。

 

警察側のキャラクターたちは魅力的で、彼らの掛け合いや関係性には面白さを感じましたた。相葉四郎の真っ直ぐさと、チェ・シウの冷静さが対照的で、二人のコンビとしてのバランスは良かったと思います。しかし敵側の描写が弱く、脅威としての存在感が薄かったのは惜しいところ。悪役の怖さや圧がもう少し強ければ、物語全体の緊張感も高まったのではないかと感じます。

元ネタとなった韓国映画『犯罪都市』シリーズは未見ですが、韓国映画特有の悪役の濃さ、そして内田英治監督がこれまで描いてきた人間ドラマの深みが、今回はあまり感じられませんでした。

 

勢いのあるアクションや豪快な演出は楽しめるものの、リアリティとコメディのバランス、敵側の描写、設定の説得力など、気になる点も多い作品。現実味のある人物描写や世界観があれば、より厚みのある作品になったのではないかと感じます。

 

この作品の評価……★★★☆☆(満点は★5)

製作年:2026年
製作国:アメリカ
日本公開:2026年4月24日

監督:アーロン・ホーヴァス、マイケル・ジェレニック

声の出演:宮野真守、志田有彩、畠中祐、三宅健太、関智一、坂本真綾、山下大輝

 

 

 
双子の配管工マリオとルイージは、キノコ王国でピーチ姫を支えながら、捕らわれたクッパや王国の人たちのために奔走していた。ある日、二人は新たな相棒ヨッシーに出会う。彼らはピーチ姫の誕生日パーティーをきっかけに、邪悪な野望を抱くクッパJr.と闘うため、ロゼッタを守る宇宙へと旅立つ。
人気ゲーム「スーパーマリオブラザーズ」シリーズの世界を描いたアニメの劇場版第2弾。マリオとルイージや、新たな相棒ヨッシーらが、クッパJr.の野望を阻止すべく宇宙への冒険の旅に出る。監督は前作『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』に引き続きアーロン・ホーヴァスとマイケル・ジェレニックが担当。ボイスキャストはクリス・プラット、アニャ・テイラー=ジョイ、チャーリー・デイ、日本語吹替版は宮野真守、志田有彩、畠中祐らが続投している。

日本発の人気ゲーム「スーパーマリオブラザーズ」シリーズの世界を描いた劇場版アニメの第2弾。マリオとルイージに加えて、今回はヨッシーやロゼッタなど新たなキャラクターが登場し、クッパJr.の野望を阻止するために宇宙へと冒険に出る物語。前作と同様に、ゲームの“あのシーン”を上手い具合に取り入れた演出が随所に散りばめられており、マリオの世界を大スクリーンで体験する楽しさは前作同様にしっかりと感じられました。

 

今回はキャラクターの登場数が非常に多く、任天堂作品にあまり詳しくない自分にとっては「この子は誰だろう…」と戸惑う場面も…。ロゼッタのように顔だけ知っているキャラクターもいますが、映画内での説明がほとんどないため、背景を知らない自分にとっては若干の消化不良。せっかく主役級の扱いのロゼッタなのだから、魅力が伝わるほどの描写があれば良かったかなと思います。また、今回はピクミン、フォックスのような任天堂の他シリーズのキャラクターも短いカメオ的に登場し、任天堂ファンにとっては嬉しいサプライズだったと思います。しかし、こうしたお祭り的な賑やかさが増えた分、「スーパーマリオブラザーズ」物語の軸がややブレてしまい、ストーリーとしてのまとまりが弱まってしまい、全体的に薄い内容の印象もありました。どちらかと言うと子供向けの内容。

 

前作と比べると、どうしても感動や興奮の面で上回ることが難しかったのも正直なところです。1作目には「マリオが映画になる!」という驚きや、キャラクターの可愛さに対する興奮がありましたが、仕方ないことだけど続編ではその新鮮さが薄れてしまっている。マリオ自体がストーリー性の強い作品ではないため、物語の深みを見せるのは難しいところではあります。

さらに、今回はテンポがやや早く、展開が駆け足に感じられる部分もありました。キャラクターが増えた分、一人ひとりの描写が薄くなりがち。マリオとヨッシーの出会いもあっさり。クッパJr.の動機や脅威としての存在感は、もう少し丁寧に描かれていれば物語に厚みが出たのではないかと感じました。

 

とはいえ、映像のクオリティやアクションシーンの楽しさは相変わらず高く、体験映画としては楽しめました。音楽のアレンジや細かな小ネタの数々は、シリーズファンにとって嬉しいですし、子どもから大人まで安心して楽しめる作品であることは間違いないです。

 

この作品の評価・・・・★★★★☆(満点は★5)

製作年:2026年
製作国:アメリカ
日本公開:2026年4月24日

監督:バルタザール・コルマウクル

出演:シャーリーズ・セロン、タロン・エジャトン、エリック・バナ

 

悲嘆に暮れる女性がオーストラリアの荒野で自らの限界に挑むなか、突如として冷酷な捕食者との命がけのゲームに巻き込まれる。

 
心に深い傷を負いながら、オーストラリアで単身冒険を続ける女性と殺人鬼との死闘を描くサバイバルアクション。オーストラリアの大自然を舞台に、ある女性が殺人鬼との生き残りを懸けたバトルに巻き込まれる。監督を手掛けるのは『TOUCH/タッチ』などのバルタザール・コルマウクル。『オールド・ガード』などのシャーリーズ・セロン、『セキュリティ・チェック』などのタロン・エジャトンのほか、エリック・バナらがキャストに名を連ねる。

「プレデターの新作がネトフリで観れるのか」と一瞬期待してしまった被害者はたくさんいたでしょう。原題は「APEX」なのに何故“プレデター”を付けた?

オーストラリアの雄大な自然を舞台に、単身で冒険を続ける女性が殺人鬼に狙われるサバイバルアクション。自然を活かした撮影や、森林の間を逃げ惑う追走シーンは緊張感を高めていました。95分という余計な部分を削ぎ落したテンポの良さは観やすかったです。シャーリーズ・セロンの老い知らずの変わらぬ美貌。タロン・エジャトンの狂気演技は好きだし、バキバキの肉体が凄い。そして久しぶりに見るエリック・バナ。

 

尺のせいで削ぎ落としたせいか、詳細の描写が弱かったのが惜しい。サバイバル映画の醍醐味である「じわじわ追い詰められていく感覚」が薄く、ストーリーが予想通りに進むため、新鮮さが感じられなかったのが残念でした。

追う側のキャラクターは狂気を感じさせる一方で、行動に粗さやマヌケさが混じっていて、恐怖が積み上がる前に緊張が緩んでしまう場面もありました。舞台設定やキャストの魅力が十分に揃っているだけに、もう一段階、追い詰める演出があれば、物語の濃厚さがグッと増したように感じました。

また、物語の背景やキャラクターの内面に踏み込む余白が少なく、サバイバルの緊迫感はあっても、ドラマとしての深みがやや物足りない印象を受けました。映像の力で押し切るタイプの作品ではあるものの、もう少し物語的な厚みがあれば、より印象に残る作品になっていたと思います。自然という舞台を活かしたアクションは魅力的なんだけどなぁ。

 

自然を活かした映像とテンポの良さで最後まで楽しめるサバイバルアクション。良くも悪くもコンパクトにまとまった一作。キャストは豪華なので観る価値はありかもです。

 

この作品の評価・・・・★★★★☆(満点は★5)

製作年:2025年
製作国:日本
日本公開:2025年10月17日

監督:酒井麻衣

出演:當真あみ齋藤潤杉野遥亮中条あやみ田中麗奈ユースケ・サンタマリア

 

 

 

幼いころから病弱で学校に通えず、友達もできず、家の中で過ごす毎日を送る15歳の桜井萌(當真あみ)は、余命半年の宣告を受ける。家族と悲しみに沈んでいた萌だったが、高校に入学することを決意し、入学した日に同級生となった佐藤日向(齋藤潤)に突然の告白をする。萌は病院で宣告を受けた帰りに見かけた日向を運命の相手だと感じ、好きな人と一緒に見ると永遠に結ばれるといわれる6月の満月「ストロベリームーン」を彼と見たいと願って高校に入学したのだった。

芥川なおによる小説を実写化したラブロマンス。半年の余命を宣告された少女が、好きな人と一緒に見ると永遠に結ばれるといわれる6月の満月「ストロベリームーン」を見ようと願う。監督を務めるのは『チャチャ』などの酒井麻衣。『おいしくて泣くとき』などの當真あみ、『室井慎次』シリーズなどの齋藤潤、『風の奏の君へ』などの杉野遥亮、『あまろっく』などの中条あやみらが出演する。

半年の余命を宣告された少女が、好きな人と一緒に見ると永遠に結ばれると言われる6月の満月「ストロベリームーン」を見たいと願うラブストーリー。 病気という残酷な現実を抱えながらも、恋を知ったばかりの高校生たちのきらめきや不器用さを丁寧に描いた青春恋愛映画。

本作は病気モノ、余命モノというよりは恋を知った少女のまっすぐな気持ちや、彼女を支えようとする少年の優しさを中心に据えているため、重さと甘酸っぱさがほどよく混ざり合っていました。 高校生の恋や、日常の小さな幸せが丁寧に描かれていて、観ている側も自然と胸が温かくなる場面も多かったです。子供に「お墓はここがいい!」なんて言われたら親としては辛すぎる。

ただし、物語の展開がやや予定調和というか、余命モノあるあるを詰め込んだような流れ。先が読めてしまう王道パターンでした。萌の病状が進む描写も、丁寧ではあるものの、少々ドラマチックに寄せすぎている感があり、リアリティよりも泣かせるための演出が前に出てしまった場面もあったのもマイナスポイント。

 

それでも、生きたいという気持ちと、生きられない現実の間で揺れる少女の切ない姿に感動しました。ストロベリームーンという象徴的なシーンは美しく、少女の願いの儚さと、恋を知ったばかりの高校生2人の時間の尊さの描き方が良かったと思います。

 

王道の青春恋愛映画でもあり余命モノの重さも併せ持つ作品。 甘酸っぱさと切なさのバランスは良いものの、物語の構成や新鮮味があれば、さらに心に残る作品になったのではないかなと思います。

 

當真あみちゃんの透明感がヤバい

 

この作品の評価……★★★★☆(満点は★5)

製作年:2025年
製作国:日本
日本公開:2025年10月31日

監督:熊澤尚人

出演:坂口健太郎渡辺謙佐々木蔵之介土屋太鳳高杉真宙、音尾琢真、木村多江、小日向文世

 

 

 

ある山中で身元不明の白骨死体が発見され、刑事たちは死体と共に見つかった将棋の駒を唯一の手掛かりに捜査を進める。刑事たちは、その将棋の駒が7組しか現存していない貴重なもので、その持ち主が近年プロ将棋界にすい星のごとく現れた注目の棋士・上条桂介(坂口健太郎)であることを突き止める。やがて、賭け将棋の世界で名をはせ裏社会に生きた男・東明重慶(渡辺謙)と上条の意外な関係が浮かび上がる。

柚月裕子の小説「盤上の向日葵」を実写化したミステリードラマ。貴重な将棋の駒と共に発見された白骨死体の身元を調べる刑事たちが、駒の持ち主である若手棋士の壮絶な過去と、裏社会に生きたある男との接点を知る。監督は『隣人X 疑惑の彼女』などの熊澤尚人。『サイド バイ サイド 隣にいる人』などの坂口健太郎、『Fukushima 50』などの渡辺謙らが出演する。

白骨死体と共に発見された将棋の駒。その謎を追う刑事たちが、プロ棋士として華々しく活躍する上条桂介と、賭け将棋の世界で裏社会に生きた東明重慶という、まったく異なる人生を歩んだ二人の男の過去へと辿り着いていく将棋ミステリー。親子、師弟、血のつながりを描いた重厚な人間ドラマでした。この映画の魅力の一つは豪華なキャスト陣!坂口健太郎、渡辺謙、佐々木蔵之介、木村多江、小日向文世といった実力派・演技派の演技が見応えがありました。

 

上条の壮絶な幼少期や出生の真実が明らかになる場面は衝撃的で、彼が背負ってきた孤独や痛みは観ていて辛くなるほど。親子の関係、血のつながり、師弟の絆の点と点が線で繋がっていく展開は、ゆっくりでしたが見ごたえのあるポイントだったと思います。

全体的には重くて悲しい物語。将棋という世界を描くせいか、派手な展開にはならないのは仕方ないのかもしれませんが事件の核心に迫るまでの時間が長く、少し退屈に感じてしまいました。 上条の過去や、東明との関係性の複雑さをじっくり描くための時間なのかもしれませんが、やはり白骨死体をめぐる緊張感のあるミステリーを期待していただけに少々物足りなさがあります。

東明の「俺を殺してくれ」という行動は謎でした。 その動機が弱いし上条に殺させる意味が分からない。東明の罪の意識や過去の清算として死を選ぶこと自体は理解できるものの、なぜそれを上条に背負わせようとするのか、その心理が十分に描かれていなかったため、説得力がやや弱まってしまったように感じました

そして、終盤の終わり方も不満。 ここからが本題なのに…ってところで終わってしまった。モヤモヤが残ったまま…。将棋の勝ち負けの勝負のようにハッキリしない終わりかたでした。

 

俳優陣の演技、上条の過去に迫るドラマ性など、見どころをはあったのに勿体ない

 

この作品の評価……★★★☆☆(満点は★5)