神戸に出掛けてきました。

 

年々早くなる三三さんの松方ホールでの独演会、今年は松方ホールの仕事始めの1月4日まで早まりました。

JR神戸線。転落防止用の柵が出来ていました。

大阪メトロのものとは形が違います。

電車が近づいてくると「柵が上がりますのでお気をつけください」のアナウンスがあったので、この細い線がどうなるのかしら?と思ったら、横の隙間のところの高さを越えて4本そろって上がりました。なるほどね。

 

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「神戸」駅に着いて地下を通って上がるとおなじみのこの人?たち。

1体目は小さな子供とお母さんを避けて撮ったため横向きです(笑)

 

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会場に向けてもう少し進むと 一番メジャーでワタクシでも名前がわかる彼。

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中央に いつものキリンさん

後ろの茶色のビルの中に松方ホールがあります。

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同じ地点から少し左を向くとこんな景色になります。

今日は先に進まず、そのまま会場に入りました。

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この独演会のチラシは、入場前に並ばされる通路で初めて見かけました。

予約・当日引き換えの人ために設置されたテーブルの上にたくさん積んであったので、ワタクシ勇気を奮って(大げさですね)「チラシいただけませんか?」とお願いして頂戴しました。

こんなにあるなら2枚くらい・・・・と迷ったのですが、根が小心なので一枚だけ(後悔しています)

今日の演目の貼り出し

「始」とあるのは、ワタクシは初めての「古今亭 始」(ここんてい はじめ)さん。身分ば二つ目だそうですが、場慣れしているというか、危なっかしいところも無く力みも無く上手だし場の空気もしっかりつかんで話すので、これから必ず人気の出る人だと思います。

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「お血脈」は三三さんの噺を聴きにいかれた方のブログで題名だけ知っていました。

マクラから入って、そのマクラというか雑談っぽいものが長く続いていると思っていたら「皆様に残念なお知らせがあります」と三三さん。「早く落語に入れとお思いでしょうが、もう本編に入っています。この噺は終わりまでこんな感じで続きます」と。

 

なんとなく聴いている側が感情移入しにくい噺だけれど、ラストはピシっと決まりました。

 

噺が終わって、中入りに入る前に三三さんがさらに「この噺は独演会の数ヶ所でやったんですけど、会が終わって帰る間際、タクシーに乗りかける頃になってぼそっといわれるんです。今度はちゃんと落語して下さいねって」と・・・・・・

面白くない訳ではないのですが、なかなか笑うタイミングが取れない不思議な噺でした。松方ホールのようなホールでなくて、繁昌亭のような小さなところでもう一度聴いてみたら感じは変わってくると思います。

 

今日の噺は2席で、「ちゃんと落語を」とどこかで言われたことが余程ショックだったのか、中入り後の噺は雰囲気一転の「大工調べ」

この記事を読んでいる人はNHKの「落語ディーパー」という番組をご存知の方も多いのではないでしょうか。1回で一つの噺について落語好きの東出昌大さんと一の輔さん、小痴楽さん、わさびさん達が語り合う番組です。

その「大工調べ」の回でお手本のように出されたのが志ん朝さん、そして三三さんの二人の演ずる「棟梁が大家に 啖呵をまくしたてる」場面です。

たくさんの喧嘩言葉を一気に正確にまくしたてるこの場面は、噺家さん泣かせなのか見せ場なのか・・・・・「泣かせ」と感じる噺家さんは、演目に入れちゃいけない噺なのでしょう。

 

ただし、この「大工調べ」の棟梁の啖呵の部分は聞かせどころではあるけれど、その技術を見せるための噺ではないとワタクシ思いますし、ワタクシが好きで聴いた噺家さんの「大工調べ」のCDの中でもそういう言葉の入っているものがありました。小三治さんだったか、さん喬さんだったか・・・・・聞き直したら後日特定しておきますね。

 

三三さんで「大工調べ」を聴くのは初めてではありませんが、以前聴いたときから少し手を加えられていました。棟梁が、頼りない大工の与太郎にけっこうな金額のお金を用立ててやることの背景のような解説もその一つ。

三三さんの「大工調べ」をワクワクしながら聴いていてふと「○×さんのCDみたいに途中で終わっちゃわないか?」と心配になりましたが、ラストのラストまで全部聴かせてくれました。

 

実を言うと、ワタクシ他の師匠の噺でも「この『大工調べ』は、棟梁の物言いが悪くて引き起こしたものだよぉ」と思ってしまうのですが、師匠方も三三さんもそう思いながら演じているのではないかしら?と思っています。

だからこそ、大家さんを悪者にして噺を成立させるために、大家さんがしゃべるときにあんなに憎々しい(けどわざとらしくて笑える)表情を何度も何度も作るんだと思います。

 

「大工調べ」、思いっきり笑わせていただきました。

次に三三さんの噺を聴けるのはいつかなぁ・・・・

 

by  マヌカン☆