毎日、故郷を歩いている。

明治維新の約70年前、長州藩が増収のために干拓した地域なので、海抜ゼロメートル地帯

実家とは別の場所だが、市内で懐かしい景色を見つけた。

我が故郷では、昭和17年8月、台風による水害があった。

真夜中かつ満潮時に台風が再接近し、堤防は決壊、市内だけで死者200人を超えたという。周防灘台風である。

折悪しく、戦時中で天気予報が制限されていた。

亡き祖母は身重の体で避難したらしいが、あまり多くを語らなかった。ただ「水害の時は何も持たずに逃げよ」とだけ言っていた。思い出すには辛い出来事だったのだろう。

慰霊碑や当時の被害を物語るものがあちこちにある。

今や鳥居だけの少童大明神

鳥居の向こうには自治会館

御神体はこの中に置かれているそうだ。

小学校の時に、社会科で輪中について習ったが、他人事ではなかった。

ウチがゼロメートル！

今でも満潮と高潮が合わされば水没する。

知るほどに怖くなる。

天気予報が消えた時代の水害