地元の鉄道が廃止になることを考えたことがありますか??

母の日である本日11日をもって、とあるJRの路線の一部が廃線となります。
北海道の木古内から江差までを結ぶ江差線です。今日の最終列車をもって、明日からは2度と走らなくなります。町全体で考えると、町から鉄道がなくなるということです。毎日学校や会社に行くときに使っていた、鉄道がなくなってしまう・・・私を含め、比較的大きな町に住んでいる人たちが多いと思いますが、小規模の街を走る鉄道では、こういう寂しいことが起きてしまいます。
理由はとても簡単です。単に鉄道に乗らないからです。現代では、道路の発達に伴い、どこの過程でも自動車を所持するようになりました。その結果、鉄道よりも車の移動のほうがはるかに便利になってしまいました。江差線も、車社会に負けてしまったということになります。もちろん、沿線の過疎化も大きな原因の一つと考えられますが、車の影響が一番だと思います。
江差線に限らず、ここ数年で多くの路線が廃線となっています。JRでは、今回の江差線のほかに岩泉線と可部線の一部区間。私鉄や第三セクターを考えると、その数はもっと多くなります。長野電鉄屋代線、十和田観光電鉄、くりはら田園鉄道、鹿島鉄道、のと鉄道の一部、北陸鉄道の一部などが挙げられます。
世間では、新幹線に新型車両投入や豪華観光列車が走るなどといった、鉄道に関して明るいニュースが多く報じられていると思いますが、地方を走るローカル線は経営がやっとで、いつ廃線になってもおかしくならないものばかりが現状です。
しかし、NHKのドラマの影響もあってか、三陸鉄道のように脚光を浴びた路線もあります。そうした取り組みは、ローカル線にとって大変ありがたいものです。このようなことが他の路線でも起こればいいのですが、そう簡単にはうまくいきません。

果たして、廃線を防ぐことはできないのでしょうか。
正直なところ、とても難しいと思います。しかし、廃線を防ごうと努力をすることはできるはずです。
一番効果的なのは、なんといっても地元の人が利用することです。これがなくなってしまっては、もうどうしようもありません。地元ぐるみで、利用促進を促す、できるだけ鉄道を利用する、などといったことで、少しでも助けになると思います。
地元の人の努力だけでなく、私を含めた鉄道ファンも力にならなければなりません。もしかしたら、鉄道ファンを集めるほうがより簡単なのかもしれません。廃線決定後に殺到するのではなく、定期的に訪問し、力になる必要があります。その際、フリー切符ではなく少しの区間でもその路線にお金を落とす必要があります。こうした積み重ねが、その路線を助けるのではないかと思います。

ここで、以前廃線間際の十和田観光電鉄に乗車した時の話をしたいと思います。私は、この路線のすべてを記録したかったので、上り下りをうまく利用し、一日で全駅を訪問しました。
とある駅で列車を待っていると、一人のお婆ちゃんが待合室に来ました。そして、世間話などをしました。ローカル線ならではですね。話の中で、もうこの路線がなくなるという話題が出ました。その方によりますと、「買い物に行くときに使うが、私一人のときもある」そうです。まさに、ローカル線の現実を物語っていました。さらに、「バスに置き換わるが、時間通りじゃないから・・・」ともおっしゃっていました。鉄道の利便性は、この定刻通りに運行するというものが、最も強いと思います。また、その後降車した駅でも、多くの高校生が利用していました。
やはり、鉄道を利用する人は絶対にいます。その多くがお年寄りの方や学生などといった、交通弱者の人たちです。こうした人たちは、鉄道がなくなると本当に困ります。廃線後、どう病院や買い物、学校に行けばいいのか。こうした人たちのためにも、なるべく鉄道を利用し、廃線になることを防いでいかなければならないと思います。

今回の廃線を受けて、私に何ができるかを考えてみました。鉄道ファンですから、やはり乗ってあげることが一番の貢献になると思います。今は海外にいるため無理ですが、数年後帰国した際には、できるだけ多くのローカル線に足を運びたいと思ます。そして、少しでもお金を落とせたらいいなと思っています。

最後に、江差線の廃線のニュースの中に悲しいものがあったことを紹介します。「撮鉄」という言葉にはなじみがあると思います。主に、鉄道写真を愛好する鉄道ファンです。しかし、ニュースにあったのは「盗鉄」です。これはなんでしょうか。「盗る」、つまり「ものを盗む」鉄道ファンです。犯罪ですよね。
江差線で使っている駅名板などを盗み、オークションなどに売りさばく馬鹿な奴らのことです。実際、鉄道部品などはいろいろな経路を経て世に出回りますので、いったんオークションやそういった類の店に出回ると、盗んだかどうか判断できないのが問題です。こうしたとんでもない人たちがいるのです。何やってるんでしょうか。ファンをやめてほしいです。それ以前に、本当の鉄道ファンではありませんよね。ただちにやめてください。

廃線を迎えるのは残念ですが、決まってしまったことは仕方がないので、気持ちよく最期を迎えるためにも、こうした行為はやめてほしいです。また、現地に行っている人たちも、罵声を上げて撮影場所の奪い合いや、地元の方の迷惑となる行為はやめてほしいです。皆で今までの感謝の気持ちを込めて、お別れをしましょう。

長文となりましたが、鉄道の現状をわかっていただければ幸いです
これからも、地元に帰った際や地方に出かけたときに、少しでも多く鉄道を利用してくれることを願っています。