…それは、甘えだ。自分勝手でしょう。

コウシロ。アアシロ。


…ウルサイ。

煩いな。偽善者め。

頭ごなしに決めつけて、

鬼の首でも獲ったつもりか。

俺は、お前なんか尊敬してないんだよ。

俺を理解しようともしないくせに。

醜い嘘にまみれてる。イヤになるね。

美しくも魅力的でもないくせに…。


嗚呼、

あの人になら、全てを捧げてもいい。

奴隷になってもいいのに。

冷徹で、綺麗で優しいあの人。

そう、生き方が美しいんだよ。

たとえ幻想でも、そう感じさせてくれる。


そろそろ、此処ともおさらばするか。

どうでもいい。

もう君も、綺麗な魂を傷つけないで。


君ニハ話シテアゲル。

秘密ダヨ…。


そうしたら、君の綺麗な瞳が、

ヒラリと舞う揚羽を映すだろう。




あの頃の僕は、

仲間を死に追いやった

自分を責めた。

仲間を正すためにしたことは、

さらに重い罪を発覚させる結果となった。

周囲に理解される術も、

弁解も知らなかった。

ただひたすら、

己の責務を果たす日々。

出世して、周囲に疎まれた。

それでも、変わらないその胸には、

誠実と誇り。

やがて、心ない者達に命を絶たれてしまった。


不器用だったんだなぁ。

遠い時代のもう一人の僕。

辛いことがあると、思ってしまう。

これも贖罪なんだ…。

別にいいんじゃない?

理解なんかされなくてもさ。

美しいものは美しい。

迷宮の出口は、きっともうすぐ。




あおい おそらの そこ ふかく、

うみの こいしの そのように、

よるが くるまで しずんでる、

ひるの おほしは めに みえぬ。

みえぬけれども あるんだよ。

みえぬ ものでも あるんだよ。


ちって すがれた たんぽぽの、

かわらの すきに、 だァまって、

はるの くるまで かくれてる、

つよい その ねは めに みえぬ。

みえぬけれども あるんだよ、

みえぬ ものでも あるんだよ。





金子みすゞの詩による童謡歌曲集
「ほしとたんぽぽ」より

ほしとたんぽぽ

Stars And Dandelions


作詩 金子 みすゞ 作曲 中田 喜直