ねえ、

此の猫、ミルク飲まないね。


ああ、ごめんなさい。

その子にミルクは、あげないでほしいの。


以前、仔猫たちが飲んだミルクに、

悪いものが入っていたらしくて、

みんな死んでしまったのよ。

それ以来、その子はミルクを飲まなくなったの。


…そうなんだ。

お母さん猫、ひとりぼっちになったんだね。


僕は、もっと詳しく聞くのが、なぜか怖くて、

それ以来、おばさんの家には行かなくなった。



ハットを投げてよこし、

流し目が、ちょっと悩ましい。

そうして、ニャンコさんのワンマンショーは終わった。


わー、カッコイイね!誰の歌なの?


おまえ、ジュリーを知らんのか。

スーパースターやぞ。


そうなんだね。


ま、何なら福山くんバージョンでやってもよかったか…。


ありがと。ジュリー☆



今夜は、いい月夜だ…。

どれ、オレがひとつ、

パンチの効いた歌を歌ってやろう。


うん。聴かせてよ。


と、ニャンコさん。

おもむろに取り出したハットを斜めにかぶり、

瞳をキラリ。

その美声を聴かせてくれた。


わ…。しなやかでセクシー。

僕は、憂鬱だったのも忘れてしまった。