涼夏

見るからに涼しげな、彩りと形。

水色

藤色

霙色


まるで、

硝子細工の材料が、金剛石のナイフで、

四角く綺麗に切り揃えられたという風に、

淡く露を纏って発光していた。


カロン…と、一粒頬張ると、

舌に触れる糖蜜の上品な甘さに、

あ、硝子ではなかったのだ。

と、不思議にも思い至る。

そっと、歯をあててみる。

…シャリ、シャリ、ショリ。

心地好い音が、柔かに響く。

ん…、美味しい。


「琥珀」というんだって。


へぇ、意外な名前。


葛と砂糖の芸術品だね。

葛きりも…天上の味だ。


君の閉じた瞳を縁取る、長い睫毛。


…ねぇ、水琴窟の音がする。


僕達は暫し、水滴の音色に耳をすませた。


硝子の発光物の欠片を食べる、

不思議で透明な生き物になった気がした。



ある休日の午後、

テレビからは、また幼い子供が、

虐待を受けて亡くなったという

話題が報じられていた。


嗚呼、この世は地獄みたいだ…。


そして、続いての話題には、

著名な御曹司と女優との、

豪奢な披露宴の様子が映し出された。


お子様の予定は何人ほど?

フワフワ桃色の御二人は、

インタビューににこやかに受け答え。


…惨いよ。


僕は、胸が苦しくなって、

リモコンの電源を切った。




生きている意味はなんなのか
初めて悩んだ
そんな事も判らない未熟な自分を
ぶち壊したかった反抗期

自分以外はみんな敵
たやすく触れると
見た事ない傷口が
心の何処かに広がっていくのを感じてた

危ないゲームに上手くしがみついて
残った奴が生きていられた思春期
名を揚げる為に 煙草をふかして
次の生き方を企んでた

駆け足の生き様

愛する為に生まれた

駆け足の生き様

いつかあたしの願い 天まで届け!

初めて恋を失った
死んでもよかった
だけどそれから何度でも死にたくなるのを
覚えてしまった青年期

真面目になるのは損する事だと
胸の教科書は 誰かに書きなぐられて
だから世の中のルールを無視して
生きていく事を考えてた

駆け足の生き様

愛されたくて生きてた

駆け足の生き様

いつかあたしの想い 天を貫け!

思い出せるのは いつも泣かされて
逃げてばかりの臆病者の背中
今も変わらない心を抱えて
昨日も明日も走っている

駆け足の生き様

愛する為に生まれた

駆け足の生き様

いつかあたしの願い 天まで届け!




作詞:中村中 作曲:中村中