父が死んだ

とうとう死んだ


やはり

悲しくなかった


いや

悲しかった


父の死に対して

冷静で悲しくなれない


自分が悲しかったのだ



感謝のない恩知らずめ!!



憎しみ合っていたわけではない

虐待を受けていたわけでもない



勤続四十年

何不自由なく育ててくれた



退職後は

ほとんど一日中酒を飲み

平気で嘘をつき

愚痴を吐いていた



誇りには思えなかった

心はかよわなかった

静かに興味を失っていった

大切なひとに紹介したいと思えなかった



感受性の大いなる相違か

それとも同属嫌悪なのか


ああはなるまいと

父の血を恨めしく思うこともある



日々の生活の中での

些細な出来事の積み重ねには

そういう力がある


いまさら悲しむフリなど

欺瞞にしかならない



父の人生とはなんだったんだろう




月は、もう答えてくれなかった






涙があふれた


























※これはフィクションです。

とーちゃんはまだ元気に酒飲んでます。