ロマン派のモーツァルト メンデルスゾーン「ヴァイオリン協奏曲ホ短調」 | 『~鏡花水月 ~』

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鏡に映る花の如くに美しく

みなもの月の如くに脆く儚く

この世は幻 森羅万象は夢の中

我は心のままに詩を詠み続け

毎読芳恩!!

こんにちは、「鏡花水月」 の紫雨(むらさめ)でございます。
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日本人好みのコンチェルト

 
 「メンデルスゾーンは19世紀のモーツァルトである
彼はこの時代の矛盾をはっきりと見通し
それらを和解させた初めての人物である」    

メンデルスゾーンに関して 
ロマン派を代表する作曲家
ロベルト・シューマンはそう表現した


ブログタイトル メンデルスゾーンは裕福な家庭に誕生した
ユダヤ系ドイツ人  ロマン派の作曲家である
特に金銭で苦労する生活はしなかったという

全作曲家の中で 
少しわけあって陰の薄い印象もないわけではないが
その才能は 天分の物ともいわれ 
幼い頃より「神童」と呼ばれ
モーツァルトにも並ぶほどの能力の持ち主だったという

メンデルスゾーンの有名な曲というと
まず 派手なあの「結婚行進曲」 メンデルスゾーンの物である
そして 「ヴァイオリン協奏曲」が上がってくるだろう

今回は「ヴァイオリン協奏曲」を取り上げたい
この曲も メンデルスゾーンを代表する作品であり傑作である

ブログタイトル 人気のあるヴァイオリン協奏曲は 
ほかにベートーベンのものや
チャイコフスキーのものがあるが
世の音楽愛好家などは 
彼らの協奏曲を
「3大ヴァイオリン協奏曲」と呼び

特にメンデルスゾーンの協奏曲は
作曲者の名前と 協奏曲を意味する「コンチェルト」を略して
「メン・コン」と呼んだ

曲は 6年の歳月をかけて友人のために何度も推敲を重ね作られたという
作曲された時期 メンデルスゾーンは公私共に忙しい時期でもあり
また自らの音楽や楽譜に妥協を許さず 
完成度の高い作曲をするタイプも重なりこの歳月が費やされた

ブログタイトル メンデルスゾーンの作った曲の中には 
最終的に楽譜にして発表させないものもあり
モーツアルト同様 たくさんの曲を作っているが 
ほかにもお宝の曲も歴史の流れの時の中に
埋もれてしまっているものがあるのかもしれない



出初めの 第一主題のヴァイオリンの旋律は一度聴いたら忘れられないような
強い印象を聴くものの魂に刻み付ける

実際 この曲の初演奏の時から 特に聴衆からの人気は絶大で
その後も 高い評価を受け続けた

また構成は3楽章形式ではあるものの 各楽章での休みはなく
連続的に3つの楽章が演奏される 少し特殊な感じの曲である

この第一主題の旋律 大変に哀愁を帯びている
聞いていると なんとなく日本の演歌に通じるところが感じられ
より日本人の耳に馴染みやすいのではないかと思わされる


メンデルスゾーンと反ユダヤ主義

ブログタイトル メンデルスゾーンは ユダヤ人である
ドイツ人とユダヤ人の間には大きな壁があり
ドイツでの迫害を避け生活するために 
宗教を変え 名前を変えたが
それでもなお 差別を受けた


ドイツ人からはユダヤ人として扱われたり
純粋なユダヤ人からも同胞扱いはされず
その間で揺れ動くことも多かった

音楽家として評価されながらも 差別も受け続け
それはユダヤ人ということで死後も続いた

しかし彼は ドイツ社会へのユダヤ人の同化を願い活動したという
そのことは 彼の音楽・人生観にもいくらかの影響を与えたといわれる


ブログタイトル それから時代は流れ
そしてヒトラーが政権を握った時代

ユダヤ人であったメンデルスゾーンの名誉は
大きな危機を迎えたのだ


ヒトラーのユダヤ人排除の動きは歴史で知るところであるが
メンデルスゾーンに関しても 所縁のあるメンデルスゾーン銀行は壊され
教科書から名前は消え 銅像は壊され 通りの名前は変更され
彼の音楽関係物の出版禁止・演奏の禁止などの命令が出て
ドイツ歴史上から抹消されようとしていた

そん中 異様とも感じるような演奏も行われていた
作曲者不明としたヴァイオリン協奏曲が
ドイツのいたるところで聞かれた

ブログタイトル その曲がこの「ヴァイオリン協奏曲」であった
聞けばメンデルスゾーンのものと分かるものだが
この曲への大変な人気と合わせ 
ナチスへのささやかな抵抗もあったのかもしれない
ヒトラーもそれを知りながらも黙認していたという

唯一メンデルスゾーンの作曲した曲の中でこの曲だけは
ヒトラー政権下の時代のドイツを生き延び
メンデルスゾーンの音楽が再び注目される時代が到来した

歴史と人種問題に翻弄されながらも注目されてきたメンデルスゾーン
まだ我々の知らない部分も多いのかもしれない

それでは 「ユリア・フィッシャー」 ヴァイオリン 
メンデルスゾーン「ヴァイオリン協奏曲」より第1楽章を聴いていきましょう

・メンデルスゾーン「ヴァイオリン協奏曲 ホ短調」より第一楽章



「最後まで読んで頂き感謝 心よりの感謝を込めて・・・
 迷える子羊に 神のご加護があらんことを・・・ 」 合掌


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