未だに、「幕が上がる」を見に行くことができない中、実はまだ原作に手を付けていないことを思い出して、読んでみました。

※以下、軽いネタバレあり(映画を見た方は問題ないのかな?)

もっと熱いスポ根的な内容を予想していたのですが、ごく日常の高校生の心情が、シンプルな言葉を使いながら、きめ細やかにつづられていくさわやかな展開でした。

基本的には冷静で淡々とした語り口のさおりが、知らず知らずのうちに演劇の世界にのめりこんでいく様に誇張がないので、読者も自然に同じ目線で演劇の魅力に引き込まれていく感じです。

特に演劇の本番の場面では、さおりと一緒に舞台上の様子を息を殺して見守っている気持ちになるほど、現場の空気感が痛いほど伝わってきました。

人間関係として面白かったのは、さおりとユッコ、中西さんとの疑似三角関係的要素で、これが映画に反映されているのかどうかは気になるところです。

吉岡先生に関しては、この物語というより、演劇に向き合うさおりにとっての象徴的な存在であり、これを実写としてどう扱うかは非常に悩ましいところだと思います。本広監督と黒木華さんがどのように解釈したのかを、じっくり拝見させてもらいたいです。


演劇と出会い、友人や後輩たち、家族、そして吉岡先生との関係性を通して、悩み、傷つき、戦っていく高橋さおりの1年半にわたる成長物語を、2時間の映画としてどうやってまとめあげたのか、あす、江別市(札幌の隣町)のシネマイオンへ、片道6時間かけて、日帰りで鑑賞してこようと思います。いよいよ私の幕が上がります。