17日は亀戸の「小泉」へ。かれこれ3週間近くうなぎを食べていなかったので、今日こそはと食べに行きました。実は、先週にも「小泉」に行こうとした日があったのですが、そのときは電話すると誰も出なかったので行けませんでした。この店、自宅から4番目に近いうなぎ店です。亀戸の繁華街からは少し外れた位置にあるため、なかなか行きにくい店でした。この日は電話で確認をして昼の営業時間が終わる少し前くらいを狙っていきました。
カウンター席が数席と、奥にテーブル席が2つか3つあるだけのこじんまりとした店です。お昼ご飯の時間から少し外れていたこともあって客がいない状態でした。肝焼きがメニューには書かれていなかったので確認したら、あるとのことだったので注文しました。うな重は白蒲重です。白焼きと蒲焼きの両方が楽しめるメニューです。
肝焼きは竹串ではなく、ステンレス製の串に刺されて出てきました。肝焼きを金属の串で食べるのは初めてです。やや焦げ目の強い部分もありましたが、まずまず良く焼けています。タレの味はやや薄味という感じでした。白蒲重は2段の重箱で出てきました。上の段に白焼きが乗っていて、これはわさび醤油で食べます。下の段には大きめのうなぎ丸々1尾分の蒲焼きがご飯の上に乗っていて、白いご飯がほとんど見えない状態でした。焼き具合やうなぎのふっくら感などは上々でした。白焼きは久々で、おいしく食べられました。蒲焼きはやはりタレの味が薄めなのが気になりました。私は基本的に薄味党なので私向きといえるような味付けなのですが、あっさりし過ぎていてコクが足りない感じなのです。うなぎを食べるときには、食後に喉が渇くのは覚悟の上ですから、もう少し濃いめの味付けが欲しいと思いました。
食事の後は一旦自宅に戻って態勢を立て直し、改めて新宿へ。新宿武蔵野館で『麻希のいる世界』と『THE RESCUE 奇跡を起こした者たち』の2本を見ました。
『麻希のいる世界』は塩田明彦監督作品です。前作の『さよならくちびる』に脇役で出演した新谷ゆづみと日髙麻鈴の二人を気に入って、二人を主演に据えたオリジナル脚本で取られた映画とのことです。二人はさくら学院というアイドルグループのメンバーだったようですが、私はそのアイドルグループ自体を全然知りませんでした。
難病を患っている女子高生の由希(新谷ゆづみ)が、河原で出会った同学年の女子高生の麻希(日髙麻鈴)と友達になり、その才能に惹かれて何とか才能を生かすべく行動しますが、麻希にも由希自身にも周囲にもいろいろな問題があって・・・。
ミニシアター系でちょっと話題になっている映画だったので、もう少し面白い青春映画かと思って見に行ったのですが、ストーリーは散漫だし、由希がなぜにそこまでムキになるのかが理解できませんでした。エキセントリックな行動や発言ばかりで、見ていてやれやれどうしたものか、という気分になってしまいます。終盤の顛末の挙げ句が記憶喪失と失語症だなんて、失笑を禁じることができませんでした。
『THE RESCUE 奇跡を起こした者たち』は、2018年にタイで起きた洞窟遭難事故と救出作戦を追ったドキュメンタリー映画です。コーチとともに洞窟に行ったサッカーチームの少年12人が、豪雨で増水した洞窟の奥に取り残されてしまいました。潜水士たちが捜索を続けて少年たちを探し、世界各国から集まった潜水のプロが救出作戦を展開したのですが、そこには多くの困難が待ち構えていました。
私たちは当時の報道などで救出作戦について知識を得ています。しかし実際の捜索&救出作戦は報道されていた内容をはるかに上回る困難を克服した結果だったことが、この映画を見ると良く分かります。少年たちがいる水没した洞窟内の空間は、入り口から1500mも離れた場所でした。真っ暗で枝分かれしたり、曲がったりする水中を進んで少年たちを探し出すことがまず奇跡に近いことでした。麻酔を打って眠らせた少年にボンベの酸素を吸わせながら水中を進んだ救出作戦も、一歩間違えば失敗に終わる可能性がありました。このままでは次の雨でさらに増水したら全員が死亡してしまうという状況の中で一種の賭けとして行われた救出作戦でもあったのです。実際、救出の数日に降った雨で洞窟内の水位は大きく上昇し、その後には一帯が洪水に見舞われました。
この映画を撮ったエリザベス・チャイ・バサルヘリィ&ジミー・チン監督は、ロープや安全装置を使わずに単独で絶壁を登るクライマーを描いた「フリーソロ」でアカデミー長編ドキュメンタリー賞を受賞しています。今回も見事な傑作を撮りました。
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