8日は午前中から動き出して上野へ。トーハク(東京国立博物館)を目指しました。特別展「ポンペイ」が開催されていて、それを見るのが中心ですが、本当は「ポンペイ」は見る予定にはしていませんでした。ただ、この時期、特別展以外にいろいろな興味深い展示が重なっているので、それらを見るついでに、トーハクにまで行くなら「ポンペイ」も見ておこうと思った次第です。

 



まずは上野駅に着いて公園口に向かって通路を歩いていくと、なんと通路の壁面に何枚も現代美術が掲示されています。私は地下鉄を中心に都バスにも乗りますが、JRにはほとんど乗らないので知りませんでしたが、1月17日から3月7日まで「YAMANOTE LINE MUSEUM」と題して上野駅や有楽町駅(OKUROJI)などで開催しているのだそうです。この日はトーハクに向けてやや急いでいたのでじっくり見られませんでしたが、また別の機会に見に来ても良いなと思いました。

 

 

トーハクで最初に向かったのはレストラン「ゆりの木」です。東洋館の隣にあるホテルオークラのレストランです。オークラなのでそれなりにおいしいものが食べられますが、トーハクに来るときには展覧会を見るのに忙しくてなかなか食べる機会がありません。この日はお昼の少し前に着いたので、先にご飯を食べることにしました。東洋館を先に見たりすると、昼どきの混雑に当たるかも知れないと思ったのです。実際、私が入ったときはテーブルの空きが残りふたつだけでした。一人用のカウンター席や二人用の席などはすべて埋まっていて、四人用の席を一人で使うことになりました。ラッキーではあるものの、少しばかり居心地が悪い感じです。食べ終わって出るときには数人が空き待ちをしている状態でした。

 

 


注文したのは看板メニューのゆりの木御膳と2550円と緑茶340円です。ゆりの木御膳は、ローストビーフ、刺身、天ぷらが盛られた御膳で、善哉のデザートも付いています。オークラで食べるのに比べたら割安感のある価格設定です。だからといって、おいしさのレベルはしっかり確保されていて、それなりにおいしく食べられました。刺身はとてもおいしく、天ぷらは普通においしくて、ローストビーフは期待値にはやや届かなかったものの、まずまずのおいしさでした。新コロナウィルス禍とあってメニューをやや限定しているとのことですが、トーハクに来るときにはここを利用することに決めても良いなというくらいの印象でした。私はトーハクの友の会会員なので、会員証を提示することで2890円のところ1割引の2601円で食べられました。
 

 

 

 

最初の鑑賞は東洋館です。トーハクに来ると必ず寄るのが東洋館5階の中国工芸の展示室で、「石榴」を見るのを決まり事にしています。ちょっと大袈裟にいえば、台北にある故宮博物院の「肉片」や「白菜」にも匹敵するような作品だと思います。この展示室のほかの作品は、一定の期間でいろいろと入れ替えになりますが、石榴だけは一貫して展示が続けられています。この日は犀の角を加工した工芸品が2点展示されていました。「山水人物彫犀角杯」と「蓮華葡萄彫犀角杯」です。どちらもなかなか精巧な工芸品です。

 

 

 

・参考:「鏤彫象牙雲龍文套球」

 


また驚いたのが象牙を使った工芸品の「象牙彫飾玉」が展示されていたことです。なんとあの故宮博物院の「鏤彫象牙雲龍文套球」を思わせるものでした。故宮博物院の作品は直径が10cm以上の上、上下にもいろいろな加工がされているのに対し、東洋館にあったのは直径が5cm以下と小さく、上下の飾りも小さいですが、象牙多層球として加工された点は共通しています。これも清の時代の作品とのことで、どちらが先か分かりませんが、良いものを見られました。東洋館ではほかに、朝鮮半島出土の重要美術品である金銅八角舎利塔も興味深いものでした。

 


 


本館ではまず国宝「医心方」の世界を鑑賞しました。「医心方」は10世紀に書かれた医学書です。元本は失われてしまいましたが、12世紀に書かれて写本が27巻あり、ほかの写本と合わせると全巻が現存しています。ただ、虫食いや破損による劣化が進んできたことから、全面的な修復が行われました。実に450年振りの修復が終わったのを記念して全巻や修復の記録などが展示されています。

 


 

 


次は国宝室で「十六羅漢像(第三尊者)」を見ました。本館の2階にある国宝室では年間を通して何らかの国宝が1点展示されています。1カ月かやや短いくらいの展示期間で入れ替えされるので、国宝室もトーハクに来るたびに立ち寄るポイントです。今回は「十六羅漢像」のうちの1幅でした。本館ではほかに「虎に波図屏風」や「色絵花卉文大壺」などをじっくりしました。

 

 

 

 

 

 


本館を一回りした後は、平成館に移動して「手わざ -琉球王国の文化-」を鑑賞しました。沖縄県立博物館・美術館が平成27年度より実施してきた琉球王国文化遺産集積・再興事業において、明治以降の近代化や先の戦争で失われた琉球文化財とその製作技術の復元に努めてきました。この事業で完成した作品の一部を展示したのがこの展覧会です。「手わざ」とは、作品を製作する手仕事の高度な技術を意味するもので、琉球には本土とは違う独自の工芸技術が受け継がれてきたことが良く分かりました。


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

最後に鑑賞することになったのが「ポンペイ」です。ポンペイに関しては、1世紀にヴェスヴィオ火山の噴火によって失われた街であることや、『ポンペイ最後の日』と題する映画が繰り返し作られてきたことは知っていますが、逆に言うとその程度の知識しかありませんでした。そのためもあってこの特別展にはあまり興味を持たずにいたのですが、実際に見たらけっこう驚かされる部分がいろいろありました。

噴火当時ポンペイはローマ帝国の植民地になっていましたが、それ以前から高度に発達した文化を持つ街だったことです。ギリシア文明の影響を受け、パルテノンの神殿を模したような建築物があり、また多くの絵画(フレスコ画)や彫刻などがポンペイにあったことを今回初めて知りました。ポンペイについては、当時の都市そのままの遺構が残されているほか、まだ発掘調査が終わっていない地区が多くあり、現在も発掘作業が進められているとのことです。近年に発掘された重要な遺構もあるとのことです。今回はナポリ国立考古学博物館の収蔵品150点が展示されています。運べるものはほとんど持ってきたというくらいの充実度です。
 

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