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20日は何本かの映画を見る計画でしたが、雨が降っていたために出無精になってしまい、午後イチに出かけることができず、夕方に六本木のアスミック・エース試写室で1本だけを見ることになりました。見たのは「バクダッド スキャンダル」です。元国連職員が、自らの体験をベースに書いた小説が原作で、国連によるイラク国民支援活動の暗部を描いた映画です。

●バクダッド スキャンダル
イラクのクウェート侵攻に対して行われた湾岸戦争や米英などによる経済制裁によって、1990年代から2000年代初頭にかけての時期、イラクの国民は困窮状態に置かれていました。

これに対して国連は、イラクで産油される原油を市場で販売し、その利益で食料や医薬品を購入してイラク国民を支援する活動を行っていました。一見する理想的な政策に思えますが、その陰には巨大なスキャンダルがありました。

イラク国内の闇の勢力が支援物資を横流しして莫大な利益を得たりするだけでなく、それによって賄賂を受け取って私腹を肥やす国連幹部、さらにその時点ではまだ政権を維持していたフセイン大統領も国連のプロジェクトの一部を自分にものにしていました。

それだけではなく、世界56カ国の2000社を超える企業や多くの国の政治家、外交官などもプロジェクトの利権に群がった結果、総額640億ドルのうち200億ドルとも言われる巨額の資金が流出してしまいました。

映画では、国連に採用されたばかりの職員がこのプロジェクトの担当となり、その暗部を知る中で正義感を持って対応しようとする様子がサスペンスタッチで描かれています。小説や映画として作られた部分はいろいろあるのでしょうが、表向きは美談である国連のプロジェクトが、寄ってたかって食い物にされるのは相当部分が本当の話なのだと思います。

イラクの軍閥や闇の勢力だけでなく、国連の幹部や職員、各国の外交官や政治家、巨大企業などがどれだけ腹黒い奴らばかりなのかが良く分かります。

日本では特に、国連といえば神聖にして犯すべからざる平和主義の殿堂とされ、その政策に従うのは当然ということになっていますが、国連の政策の裏面にどれだけとんでもない虚偽や欺瞞、不正などが隠されているのかが、はっきりと描かれています。とても良い映画でした。

11月3日からシネマカリテなどで公開されます。


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