オレがもっとも好きな漫画のひとつ『風雲児たち』の幕末編13巻
先月発売したのを、konozamaで買ったんだけど、いろいろと忙しくて
やっとこの連休(2日だけだがな(つд・)エーン)を利用して読むことができた。
この巻では、米国公使ハリスの苦悩と、土佐藩御前試合がメインだ。
『風雲児たち』という漫画をご存じない方もいるだろうから、ご紹介…
したいんだけど、ものすっごく長くなると思うので、あえて割愛。
カンタンにいうと、江戸後期から幕末にかけての、主に内政、外交を
メインにすえて硬派な話題を、伝統的なギャグ満載で楽しく読ませる漫画。
すでに連載開始してから、今年で30年目(掲載誌の問題で、中断時期もありますが)
で、半可通の歴史好きじゃビックリするくらい掘り下げて多くの人物を描写してます。
…って、簡単に言っても、結構長いじゃん!
作者のみなもと太郎氏は、自動車雑誌「ホリデーオート」や学習誌などでも
仕事をしており、結構年齢のいった漫画好きなら、一度は目にしたことのある作家。
でも、新しいことも大好きで、息子がフリーターさんをやる年になっても、
いまだにコミケや同人イベントへ参加したりして、
プロが描きたい作品を若い人たちに混じって、漫画好きへ売ってます(^^)
楽しくも、奥の深いオッサンです(失礼!)。
ただし、彼は創価学会の信者。が、風雲児たちには、その辺はカケラも見せてません。
そういうのは、別途布教用漫画も描いてるので、プロらしく切り分けて考えてるのかも。
もっと詳しく知りたいのなら、Wikipedia や、公式ファンサイト「風雲児たち長屋 」へどぞ。
さて、本巻だけど、いままでの風雲児たちは、有名人物のあまり知られない側面や、
人物像を掘り下げて、ギャグをかましながらシリアスなとこを進めるという、
本作品ならではの魅力は、少し薄いかも…。
というのも、ハリスの件は知らない、興味がない人が多いだろう。有名な唐人お吉の
話はすでに前巻で終わっており(お吉の件は一般的な理解と全然違うことを描写してる)、
ハリスの苦悩は、彼以前に日本幕府との交渉に苦しんできたラクスマンからはじまる、
各外交使節と大差ないから、長年の読者としてはやや新鮮味がない。
また、ハリスと渡り合う幕府側も、開国への道筋をつけた老中・阿部正弘や
三十六代目江川太郎左右衛門などが死去しており、堀田正睦が筆頭老中なので、
ややキャラが立ってない上に功績も少ないからなぁ。薩摩藩主・島津斉彬も出番なし。
井伊直弼もまだ表舞台にでてこないこともあり、いささかつまらない展開だ。
その後の安政御前試合も、あまりにも有名なエピソードで
(決勝で、ヅラじゃなくて桂小五郎と坂本龍馬が戦うヤツ)、
作者自身も「雲龍奔馬」(創価系出版社潮出版の干渉で、「風雲児たち」を打ち切りに
させられた後で、続編的に連載した坂本龍馬を主人公としたスピンアウト作品。が、
これも打ち切られている)で描いた話でもある。っていうか、部分的に使い回している。
この数巻は、これでほとんど構成されていたのだが、違和感はまぁ少ないのでOKかな。
ただ、このイベントはたしかに開催されたが、桂と龍馬が闘ったかどうかは定かではない。
こういう細かい点にも作者は触れて、それでも「とはいえ、わたしはこう思います」と、
お約束どおりにしたり、持論に沿った話にしたりする。が、この件についてはノータッチ。
まぁ、幕末期の英雄ふたりの接点だから、なしにしたくはないってのが、
ストーリーテラーとしての本音であり、願いでもあるし、しょうがないかな。
こういう有名なエピソードの隠れた話や、埋没しがちな人物にスポットライトを当てるのも、
この作品の楽しさであり、魅力でもある。が、ここ最近は情報量が膨大になった
幕末期ということもあり、あえて取捨選択をして、西郷吉之助と橋本左内のエピを
全部スパッと割愛したり、斉彬の西郷ドン取り立ての話も簡略化したりと、
ボリューム整理に苦しんでいるようだ。寛政期は、情報が少なめだったので、青島とか
いろんな人物を掘り下げることが可能だったが、幕末でもかなり難しいのかも。
とはいえ、教科書程度しか歴史を知らない人には、ものすごく新鮮な話題だろうし、
知っていても独特のギャグ切り返しやお約束もイパーイあるので、楽しく読めるだろう。
もちろん、歴史や龍馬やジョン万次郎などを知っていたほうが楽しめるのは当然だが。
余談だが(←わ~、司馬遼太郎風だ。と作者もボケてたが)、
30年もやってると、昔のギャグの元ネタを知らない人も多いので、
「ギャグ注」というオマケコーナーがあり、作者が直々に解説したり付記したりしてる。
本巻はそうでもないが、風雲児たちはネームが多くて、読むのに時間がかかる。
バトルシーンが多いアクション系作品なら、20分もかからないオレだが、
風雲児たちだと、長い場合2~3時間かかる。まぁ、歴史の勉強のネタにもあるのだが。
くどくどと書いたが、漫画としては万人に勧められる作品だと思うし、
ホントに面白いから、歴史好きな人だけじゃなくて、
オールドタイプなギャグが大好きな人にもぜひオススメしたい。
次の巻では、いよいよ井伊直弼がでてくるだろうから、楽しみだ。
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