少し前、アニマックスで再放送していた作品。
見る時間がなくて、録りためていたのをやっと全話見ることができた。
「アカギ」は、漫画原作アニメで、原作者はギャンブル漫画の第一人者・福本伸行氏。
もともとは、同じ福本氏の麻雀漫画「天 天和通りの快男児」の主要キャラである
“赤城しげる”を主人公にしてスピンアウトさせた漫画だ。
詳しくは、Wikipediaの「アカギ ~闇に降り立った天才~ 」をどぞ。
オレ自身は、「天 天和通りの快男児」は読んでいたが、序盤だけで本当に面白くなる
中盤以降を読んでおらず、「アカギ」はほとんど読んだことがなかった…
で、アニメ作品の感想をいえば、
すげぇ面白かったっ!!!
地味になりがちな麻雀シーンが、心理描写をとにかく淡々と勝負を描いていくのは、
(おそらく)原作どおり。だが、ナレーションの古谷徹氏の冷徹な口調が、シーンを引き締める。
ほぼ同じスタッフで制作された「逆境無頼カイジ Ultimate Survivor」と比較すると、
福本漫画独特の「ざわざわ…」という擬音?も出ず(最終話のみ登場している)、
ただひたすら勝負状況の解説と展開、そして討ち手の心理描写に重きをおくスタイル。
これが実に緊迫感を誘う。特に、結末を知らないオレには、次にどうなるか、
アカギが最終的に勝つのはわかっていても、ワクワクしながら見ることができた。
割と地味なシーン描写と淡々としたBGMのなか、光ったのはやはり役者たちの演技。
ここにでてくるのは、みんな中堅からベテランクラスの声優たちで、
一部の若手(三宅とか銀平とか)もいたが、多くのシーンは心の中の声を演じているので、
ほかの役者との掛け合いをあまり気にせず、自分のうちなる演技に集中できたのが、
他の作品と大きく異なり、またこれが素晴らしく勝負の緊迫感を盛り上げてくれた。
田中秀幸さんや中田浩二さん、そして小山力也さんなど、いい役者揃い。
別名セッティングパパの安岡刑事には、玄田哲章(クッキングパパ役)さんも登場。
そのなかでも、特に素晴らしかったのは、若頭・仰木役の二又一成さん。
彼の外野から、また常人としての視点の移り変わり、動揺、焦燥、困惑が、
作中まるで画面に響くかのように演じられている。そして、アカギの恐ろしさも…
また、関西弁の代打・浦部は、なんとあの風間杜夫さんが熱演。
実は、彼の場合、二枚目役が多かったので、浦部のようなアクの強いブ男だと思わず、
EDクレジットを見て、はじめて気づき、驚きとともに感嘆したという…
が、やはりキャスティング最大の成功は、アカギ役の萩原聖人だろう。
彼がリアルで麻雀の強豪なのは、某番組だけじゃなくて広く知られるところ。
なんと、彼はアニメでの作画ミス(アカギがフリテンなっているところ)を
ちらっと見ただけで即座に指摘したというから、マジですごい!
オレのような、脱衣麻雀とネット麻雀しかやらないヤツとは、格が違い杉(^^;;
もちろん、演技も素晴らしかった。最初こそぎこちなさがあったが、
回が進むとともに、セリフまわし、雰囲気、そして演技からすごみがでてきた。
アカギの無頼ぶり、絶命さえも運命の一コマとしか捉えない性根を淡々とした
セリフのなかに込め、ホントに勝負の最中にいるようで、マジでカッコよかった。
さすが、作者の福本氏が絶賛しただけはあると思う。
さらに、萩原氏は、同じ福本作品の主人公・伊藤開司にも起用され、
アカギとは正反対の天才でもなく、フツーの凡人から執念で闘うカイジを熱演。
これまた、福本氏に絶賛されている。
正直、萩原聖人が、こんないい役者だとは思わなかった…。
和久井映見に捨てられてからは、AV女優さんのヒモになったのかと思ったが(^^;;
どっこい、彼は声優としても十二分にやれることを証明したと思う。
いまのところ、福本作品だけだけど…(^^ゞ
「アカギ」は、原作が面白いことが成功の最大の理由だと思うが、
その世界観はあまり壊さず、名優を起用することで芝居を盛り上げ、
淡々と描写したところが正解で、その手法もよかったと思う。
この成功から、カイジシリーズへと繋がるのだが、
今度は一転、例の「ざわざわ…」を多用し、カイジが叫び、泣き、動転し、
狼狽、恐怖、絶望、激怒、歓喜と人間のあらゆる感情を表現する
実にエンタテイメントな作品へとチェンジしている。
これもまた、面白いし、続編も楽しみなのだが。
原作者の福本氏の漫画は、昔はよくある麻雀を通した人間ドラマが多く、
特に目立つものではなかったと思った。が、「天」あたりから大きく変化し、
現在の賭博のなかから人間の感情や
個人的に好きなのは、「銀と金」という作品だったが、中途半端に終わり、
その後の「カイジ」シリーズでまた大好きになり、十何年も読み続けている。
福本氏の漫画は、ギャンブル漫画だけど、
おそらくメインの読者はギャンブルを一切やらない人も多いと思う。
オレもどっちかといえば、その手の人間だ。にもかかわらず、なぜ読むというと、
人間のもつあらゆる感情の描写が面白く、時に滑稽で、時に頷かせたり、
時に共感できたり、といろいろな楽しみ方ができるから、だと思う。
「アカギ」は、そのなかでは割と正統?な麻雀漫画だが、
福本作品のもつ醍醐味みたいなものは、アニメにも十分凝縮されていると思う。
命をかけた賭博勝負の緊迫感を味わってみたいなら、
ぜひ、このアニメも見て欲しい、とヌルい麻雀打ちのオレは思っているのだが(^^;;
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