あとよろしくー、と軽い口調で言われ、相手コートで焦った表情の先輩たちと、すぐ隣にいるのほほん笑顔の文人を、桐谷は困惑しながら交互に見る。

「このままオレに点を取らせて勝っても、自分ひとりじゃ何もできないって、また好き放題言われることになるよ」

「っ!?」

「それでもいいのか?」

 文人の言うとおりだった。彼の強さに甘えてサポートを続けても、何も解決しない。

「言っただろ?お前と組めば100%勝てるって」

「……」

「オレの実力を抜きにしてもって意味だよ」

 部の皆から慕われる先輩にそこまで言われて、気弱でいられる桐谷ではなかった。

「スゥ―――…わかりました!!」

 深呼吸をして覚悟を決めた桐谷は、再び相手コートに向き直った。